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zoom RSS ケンプのシューベルト「ピアノ・ソナタ第21番」

<<   作成日時 : 2007/02/10 19:33   >>

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シューベルトのピアノ・ソナタは、ぼくがクラシックを聞き始めた1970年代や80年代前半はあまり注目されていなかった。シューベルトのピアノ曲というと「即興曲」やピアノ曲集「楽興の時」のような小曲の方がずっと人気曲だったと思う。今日のようにソナタが多くの演奏会で演奏され、多くの録音がなされるようになったのは、1970年代と80年代後半の2度にわたり14番D784以降の8曲のソナタを録音したアルフレッド・ブレンデルの功績が大きいと思う。

今回聴いたヴィルヘルム・ケンプは1970年にソナタ全曲の録音を完成させていたわけだから、その先駆者だということになる。しかし当時はケンプというとベートーヴェンのイメージが強く、そのシューベルトはいわば余技のように見られていたのではないだろうか。しかしケンプのシューベルトのピアノ・ソナタは、ぼくにとっては、言葉で表現できないほど素晴らしいものだ。生涯の宝として持っていたほどである。

この最後のソナタ第21番D960は1967年1月の録音である。この長大な曲は、シューベルト独特の旋律美にあふれ、叙情性豊かで、心優しさや憧憬、孤独感、はかなさといったものがぎっしり詰まり、そしてそれがいつまで続いていくといった趣のある名曲である。急―緩―急―急の古典的な4楽章編成を取っているものの、どの楽章にもシューベルト独特の叙情性が溢れ、内容的には古典的な様式を完全に逸脱している。長大な第1楽章ではケンプは静かだ。淡々と弾いて、まるでシューベルトの楽譜にこめた感情に浸っているようだ。第2楽章アンダンテでは少しテンポを落とし、祈りをささげているかのよう。第3楽章スケルツォになってようやく歌うようなケンプ節が聞かれる。第4楽章アレグロでは早めのテンポでよく歌う。

この曲には知・情・意兼ね備えたブレンデルの名演もある。しかしブレンデルの演奏は集中して聞かなければならないような面がある。安心してシューベルトの世界にいつまでも心ゆくまで浸っていることができるのがケンプの演奏である。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは
持っているCDの批評本の中にケンプのシューベルトを誉めていた記述を最近みました。
かれの芸風にあっている気がします。
のだめをきっかけにシューベルトは集中して聞いているのでこちらも聴いてみたいと思います。
ダンベルドア
2007/02/14 00:02
コメントありがとうございます。
私も、詩情豊かなケンプの芸風がシューベルト
と合っていると思います。シューベルト弾きの
ピアニストを3人選べと言われたら、私ならケ
ンプ、ブレンデル、ルプーの3人です。ケンプ
のシューベルトは例えばソナタ第19番D95
8の第4楽章など、絶品だと思います。
アルトゥール
2007/02/14 21:36

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