|
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第10番作品74「ハープ」を、バルトーク弦楽四重奏団の演奏で聴いてみました、録音時期は、ライナーノートには1969年から72年にかけてと記載されているのみで明確ではありません。 この弦楽四重奏曲第10番「ハープ」は、ぼくの好みの曲です。ベートーヴェンの全16曲の弦楽四重奏曲の中でぼくが最も好きなのは第13番作品130ですが、それに次ぐのが第12番作品127かこの第10番かというくらい好きでいます。 この第10番の大きな特徴は「軽さ」だと思います。この曲にはベートーヴェンらしい深刻さや重厚さは身を潜め、明朗さ、みやびやかといってもいいくらい高雅な雰囲気があります。いちおう急―緩―急―急の典型的な4楽章編成を取っていますが、急速楽章といっても実際は穏やかなのです。第1楽章は冒頭こそ深刻な雰囲気で始まりますが、すぐに明るく流麗に変わります。第2楽章はベートーヴェンらしく平穏な情感のこもったものです。彼が弦楽四重奏のために書いた緩徐楽章の中でも最も美しいものの1つでしょう。第3楽章は全曲の中で最も緊張感がありますが、第4楽章に休みなしに続けて演奏され、その第4楽章が明朗なことから、尾を引くようなものではありません。ベートーヴェンには交響曲にもピアノ・ソナタにも「田園」という仇名を持つ曲がありますが、弦楽四重奏曲の中に「田園」という名前を付けるのにふさわしい曲を探すとしたら、この第10番がその筆頭に挙げられるのではないでしょうか。 バルトークSQの演奏は、テンポが早くリズミカルな個性的なものです。表現意欲が強いといえるでしょう。ハンガリーの団体らしいということができるかもしれません。ぼくはバルトークSQの演奏を一度だけ生で聞いたことがあります。1993年5月、場所は東京のカザルスホールでした。その名を冠したバルトークの弦楽四重奏曲第4番第4楽章でのピッチカートが印象に残っています。バルトークSQは昨年日本でさよならコンサートを行い、ごく最近解散したようです。こういう伝統のある個性的な団体が1つまた1つ姿を消していくのは寂しいことです。 |
| << 前記事(2007/04/19) | トップへ | 後記事(2007/04/22)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|---|
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 作品74 「ハープ」
別室でブログペットを飼っています。名はカヴァティーナ。由来はもちろんベートーヴェン弦楽四重奏曲第13番第5楽章。過日そのカヴァティーナが雑俳を詠んでいました。 ...続きを見る |
音楽鑑賞雑記帳 2007/04/28 21:40 |
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲「ハープ」
一昨日、外出の序にある喫茶店に入った。今のマンションに引っ越して 来る前は時々行っていたのだが、今の住居に移ってからは2度目か、 久しぶりであった。 そこは庭が美しくて、ガラス張りの店内の前に池があり、その周囲には 季節の鉢花がぎっしり並べてある。池の向こうは ...続きを見る |
音に巡る想い 2007/04/29 15:24 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
アルトゥールさん、こんばんは! ベートーヴェン弦楽四重奏曲の「田園」、本当に仰るとおりですね。とてもすてきな曲であり、私も中期作品の中ではこれがもっとも好きです。(聞く回数となると、最近はラズモフスキー第2番の方が多いかもしれませんが…。) |
凛虞 URL 2007/04/20 22:30 |
凛虞さん、コメント有難うございます。 |
アルトゥール 2007/04/21 09:44 |
たびたびお邪魔いたしますm(_ _)m 先月末にハンガリー四重奏団によるベートーヴェンを入手しました。EMIの全集とAndromeda復刻による後期です。私は世評に反して(?)前者の新録音に大変感銘を受けました。第15番の第2楽章など、いくぶん引っかかるところもあるのですが、第13番の「大フーガ」など、この曲の幽玄と諧謔を昇華させた名演と思っております。他の曲も含めて、後期は今現在リファレンス(通常聞く録音)としています。 |
凛虞 URL 2007/04/21 22:36 |
凛虞さん、再度のコメント有難うございます。 |
アルトゥール 2007/04/22 20:39 |
はじめまして。Niklaus Vogelさんから寄せてもらいました。 |
丘 URL 2007/04/29 15:22 |
丘さん、ご来訪およびTB有難うございます。 |
アルトゥール 2007/04/29 22:15 |
| << 前記事(2007/04/19) | トップへ | 後記事(2007/04/22)>> |