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zoom RSS バルトークSQのバルトーク「弦楽四重奏曲第1、2番」

<<   作成日時 : 2007/09/29 20:47   >>

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昨日までは残暑の厳しい日が続いたが、今日、急に涼しくなった。どうやら今日から本格的な秋に突入したのだろう。

今日はベラ・バルトークの弦楽四重奏曲第1番と第2番を聴いてみた。演奏はバルトークSQで、1991年6月5日から10日にかけてPONY CANYONレーベルへの録音である。録音場所は日本の富山県の入善コスモホールである。バルトークSQは、バルトークの弦楽四重奏曲全6曲を1970年代に録音している(ERATOへの録音だったと記憶しているが、記憶違いかもしれない。なおこの初回録音はまだCD化されていないように思う)ので、今日聴いたのは再録音だということになる。

バルトークは生涯にわたって弦楽四重奏曲を作曲した。最初の第1番は1909年、28歳の作だが、最後の第6番は1939年で58歳、米国に渡る直前の作である。したがって、6曲とも彼の作風の変遷をそのまま反映した作品となっている。今日聴いたのは28歳の時の第1番と36歳の時の第2番だから、彼の青年期の作だということになる。

第1番・第2番とも3楽章編成となっている。第1番は
 第1楽章 レント
 第2楽章 アレグレット
 第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ
となっており、楽章ごとにテンポが早くなっている。第1楽章はベートーヴェンの第14番を思わせるような幽玄さと、ドビュッシーら印象派のような要素を併せもったような感がある。ところが第2楽章に入るとハンガリーの民俗的は色彩が現れ、第3楽章に入ると民俗的な要素が全面的に開花する。

第2番の方は
 第1楽章 モデラート
 第2楽章 アレグロ・モルト・カプリチョーソ
 第3楽章 レント
となり、第2楽章が急速楽章で、終楽章が緩徐楽章という変わりようだ。ライナーノート(石田一志)によると、ハンガリーの作曲家コダーイはこれら3楽章をそれぞれ「静かな生活」「喜び」「悲しみ」と呼んだという。たしかに第1楽章は前衛性が強く感じられるものの基本的には穏やかだし、第2楽章は高揚感が強い。第3楽章は第1ヴァイオリンが悲痛な旋律を奏でている。

こうして聴いてみると、これら2曲はかなりの傑作なのではないだろうか。ベートーヴェンでは(ショスタコーヴィチも)初期の弦楽四重奏曲は、中期・後期に比べて落ちると評されているが、バルトークの場合は6曲それぞれが個性的ではあるものの、そのいずれがもっとも優れているとは一概にいえないように思う。

ところで、これらバルトークの6曲の弦楽四重奏曲はショスタコーヴィチの15曲と並び、20世紀の代表的な弦楽四重奏曲だとみなされているようだ。実演の機会も多いが、録音も多い。ハンガリー系の団体はもちろん、トイツ・オーストリアのアルバン・ベルクSQ、ハーゲンSQ、イギリスのリンゼイSQ、アメリカのジュリアードSQ、エマーソンSQ、日本の東京SQと、有名どころは皆、録音している。

この中で今日聴いたバルトークSQの演奏は、その名を冠しただけあって、作品を完全に手中に収めたというか、充実した演奏だと思う。この団体はハンガリーらしく、リズミカルでアタックの鋭い演奏をするという個性を持ったいたが、この録音では意外に(?)落ち着いている。自らの最後の録音になることを自覚していたのだろう。むしろ、しみじみとした印象を受ける名演だと思う。

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
初めまして、「HABABI」と申します。よろしくお願いします。小生の好きな団体の演奏録音のことが書かれていたので、コメントさせて頂きます。

長い間探していた1966年頃にバルトーク弦楽四重奏団が録音したLPを今年6月に入手し、バルトークの弦楽四重奏曲第1番と第2番を聴きました。共に素晴らしい演奏でした。弾むような躍動感とちょっと難しい響きが、空気に自然に溶け込んで来ます。この頃、折角入手した録音を一度しか聴かないことが多いのですが、これは久し振りに繰り返し聴きました。
今日、このブログで紹介された録音を含む全集のCD(中古)を注文しました。届くのが楽しみです。
HABABI
URL
2007/09/30 09:23
HANABIさん、はじめまして。
ご来訪頂き、またコメントを頂きまして、
たいへん有難うございました。

バルトークSQは私も好きな団体です。実演を聴いたことも
ありますし、録音では2度目のバルトーク全集の他、ベート
ーヴェン全集とブラームスの室内楽集をともにCDで持って
います。仰るように躍動感あふれた個性的な演奏だと思いま
す。最初のバルトーク全集は1966年頃でしたか。70年
代だと勘違いしていました。10年以上CD店で探している
のですが見つからないので、そもそもCD化がまだなのでは
ないかとおもっています。LPで入手されたのは本当に幸運
でしたね。
私はバルトークの弦楽四重奏曲全集は、バルトークSQの他
ハンガリーSQ、タカーチSQも持っており、時々楽しんで
います。
また宜しくお願い申し上げます。
アルトゥール
URL
2007/09/30 14:42
HABABIさん
上のコメントで肝腎のお名前を打ち間違えていました。
謹んでお詫び申し上げるとともに訂正申し上げます。
アルトゥール
2007/09/30 17:01
変な名前を使っているので、間違えやすいと思います。息子が小さい時に「ハバビ!」と相槌を打っていたことから付けました。
手許にある本を見ると、1966年録音ですが日本で発売になったのは1969年とありますので、1970年代のものと思われてもしようが無いと思います。この録音はCDにはなっていないようです。第1番/第2番のLPを半年以上掛けて探し、インターネットのオークションで見つけました。競争なしで落札できました。私は、バルトークのこれらの曲については、この団体以外の演奏録音では楽しむことが出来ないでいます。
HABABI
2007/09/30 19:19
HABABIさん、再度のコメント有難うございます。
バルトークSQの初回録音はやはりCD化されていな
かったのですか。残念なことです。
バルトークSQは昨年解散ツァーを行い、日本でもバ
ルトーク全曲演奏会を行ったと聞きます。彼らのベー
トーヴェン等も中々だと思いますが、やはり一生をバ
ルトーク演奏に捧げた団体だったのだろうと思います。
アルトゥール
2007/09/30 21:26
CDが届きました。アルトゥールさんの聴かれた再録音の方です。
第1番を聴きました。これを血の通った演奏というのでしょう。こんなに温もりを感じる演奏録音に出会ったことがありません。「一生をバルトーク演奏に捧げた」というに相応しい、素晴らしいものです。
HABABI
2007/10/03 22:09
HABABIさん、コメント有難うございます。
また私の推薦したCDを気に入って頂いて有難うございます。
やはりこのバルトークSQやハンガリーSQは曲に対する
共感度が、他の団体とは違うのだろうと思います。
バルトークSQの旧録音も復刻されればよいのですが…。
アルトゥール
2007/10/04 20:38

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