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zoom RSS ギーゼキング&カラヤンのグリーグ「ピアノ協奏曲」

<<   作成日時 : 2007/09/02 19:02   >>

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昨日9月1日は「勝手にグリーグの日」でした。1日遅れでエントリーします。
ところで「勝手にグリーグの日」と聞いて困ってしまいました。ぼくはグリーグについてはよく知らないのです。持っているCDといえば「ピアノ協奏曲 イ短調」と「ピアノ小品集」くらいです。しかも前者はrudolf2006さんとmy favorite storiesさんが、後者はgarjyuさんが既に取り上げておられます。困った末、重複となってしまいますが、「ピアノ協奏曲」を聴いてみることにしました。

ぼくはグリーグの「ピアノ協奏曲」の録音は、ギーゼキング、リパッティ、リプー、リヒテル、ルービンシュタインと5種類持っており、いずれも個性的な名演だと思いますが、rudolf2006さんがルービンシュンタイン盤を、my favorite storieaさんがリヒテル盤を取り上げておられますので、ギーゼキング盤を聴いてみることにしました。共演はヘルベルト・フォン・カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団、1951年6月のEMIへの録音です。

この曲は、北欧の雄大で厳しい自然とそこに生きる人々に流れる詩情を感じさせる名曲であるとともに、ピアノのヴィルトゥオーゾ的な魅力をも併せもっています。第1楽章で雄大な自然が感じられると共にピアノのヴィルトゥオーゾ楽器としての魅力の感じられ、続く第2楽章では北欧情緒(といってもぼくは北欧に行ったことはないのですが…)がふんだんに溢れ、第3楽章のフィナーレに向かっていくという構成をとっています。

さてギーゼキングとカラヤンの演奏ですが、ギーゼキングはぼくの大好きなピアニストです。クリスタルな美しい音、タッチの微妙なニュアンス、決してフォルムを崩さない演奏スタイルといった彼の特長は本録音にも十二分に現れています。
しかしそれ以上に注目したいのがカラヤンのバックなのです。彼は歌うべきところはレガートを十分にかけてたっぷり歌い(もちろんこの点に後年のカラヤン・サウンドの萌芽が現れています)、締めるべきところはきっちりと引き締めています。ベルリン・フィルの音楽監督に就任する前の若き日のカラヤンですが、EMIにフィルハーモニア管と録音したベートーヴェンの交響曲全集を聴いてみたくなるほど見事な演奏です。

グリーグのピアノ協奏曲では(グリーグに限りませんが)、オーケストラがきちっと付け、その上でピアニストがそれぞれの個性を発揮して自由に歌うというのが普通のスタイルのように思います。たとえばリヒテル&マタチッチ盤やルプー&プレヴィン盤は、ピアニストに演奏スタイルはまるで違いますが、ピアニスト自由に、指揮者きちっとという点では共通しています。ところがこのギーゼキング&カラヤン盤は、それと正反対に、ピアニストきちっと、指揮者自由にというスタイルなのです。特異な名演だといえるのではないでしょうか。

以下は余談ですが、協奏曲で、独奏者と指揮者の双方が自由に演奏してしまうと、両者が合わなかったり、演奏が恣意的なものになったりしてしまいます。昔、カラヤンは協奏曲がダメだと言われていましたが、それはその当たりに原因があるのではないでしょうか。すなわちギーゼキングのようなきちっと格調の高い演奏をする共演者に恵まれなかったことが、カラヤンの協奏曲演奏が概してうまくいかなかった原因ではないかと思うのです。それに比べベルリン・フィルの後任のアバドはソリストに合わせてきちっとした演奏をする指揮者なので、協奏曲の演奏が上手いゆえんだと思います。

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは

>ところがこのギーゼキング&カラヤン盤は、それと正反対に、ピアニストきちっと、指揮者自由にというスタイルなのです。特異な名演だといえるのではないでしょうか。

若い頃のカラヤンはやる気まんまんでしたね。
こういうのもギーゼキングのノーブルな音がかえって引き立ったのでしょうね。
ダンベルドア
2007/09/02 22:25
こんばんわ。ご無沙汰しております。
グリーグ、ボクの好きな作曲家のうちの一人です。
「ペール・ギュント」ももちろん好きですが、弦楽作品にも「ホルベルグ組曲」などいい曲がいっぱいあります。
「二つの悲しき旋律」って言う作品、これもなかなかいい曲です。2楽章の短い曲ですがマンドリンの編曲版を演奏したこともあって贔屓にしている曲です。
イチロン
URL
2007/09/02 23:22
ダンベルドアさん、コメント有難うございます。
カラヤンほど色々言われた指揮者は他にないですが、
私は1950、60年代のカラヤンが4、50歳台
だったころの颯爽とやる気満々だった頃の録音は好
きです。協奏曲の分野でもこのギーゼキングとの共
演やデニス・ブレインとのモーツァルト等、すばら
しいと思います。
フルトヴェングラーが嫉妬したというのも分かるよ
うな気がします。
アルトゥール
2007/09/03 21:02
イチロンさん、お久しぶりです。
コメントを有難うございます。
グリーグの管弦楽曲は「ペール・ギュント」しか知らなかった
のですが、いろいろ良い曲があるのだろうと思います。
実はこれを機に「ホルベルク組曲」と「2つの悲しき旋律」が
含まれた1枚を購入しようと目論んでいます。たぶんカラヤン、
ひょっとしたらスウィトナーにしようと思っています。
アルトゥール
2007/09/03 21:07
アルトゥールさま お早うございます

ブログでご紹介いただき、ありがとうございます。m(_ _)m
ギーゼキングの演奏は、フィルハーモニアのソリストとの室内楽は持っていてたまに聴いています、端正な演奏ですよね。

カラヤンのコンチェルト、私はブラームスのピアノコンチェルト2番を昔、ワイセンベルクのピアノで聴いたことがありますが、なかなか良い演奏だったですよ。確かに、カラヤンに合うソリストというのがあったように思いますね。ソリストは、カラヤンの世界で演奏しないといけなかったのかもしれませんね。

カラヤン・フィルハーモニアの演奏、若々しくて本当に心地が良いですね
、フルトヴェングラーが嫉妬したということ、私も分かるような気がします。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2007/09/04 09:23
rudolf2006さん、コメント有難うございます。
私が高校生だった1970年代、カラヤンはソリストつぶし
だと悪口を言われていました。ベルマンやフェラスのことを
念頭に置いたものだと思いますが、「帝王」の名をほしいま
まにしていたカラヤンに対する評論家等の嫉妬も混じってい
たのではないでしょうか。その後ムターが成功しリストつぶ
しだとは言われなくなりましたが…。
仰るようにフィルハーモニア時代のカラヤンは若々しく本当
に良いですよね。彼ほど同曲異演の多い人はいませんが、概
して古い録音の方がいいように思います。
アルトゥール
2007/09/04 19:28
こんばんは
この記事とは別件なのですが、拙ブログに「バトン」が回ってきました。
よろしければ、バトンを引き継いでいただけないでしょうか。
お題は「楽器」とさせていただきます。

バトンのルールは拙ブログをご参照ください。
チェーンメールではありませんので、気にそぐわなければスルーされてもかまわないです。
ダンベルドア
2007/09/07 00:15
ダンベルドアさん。
バトンですが、別記事の通りでよかったでしょうか?
お題を「楽器」にして頂いて助かりました。
もし私へのお題が「アンドレ・プレヴィン」だったら
手も足も出ないところでした(笑)
アルトゥール
2007/09/07 21:34

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