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zoom RSS ブレンデルのベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第32番」

<<   作成日時 : 2007/12/03 21:29   >>

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12月1日の「勝手にベートーヴェンの日」に2日遅れでエントリーします。曲はピアノ・ソナタ第32番ハ短調作品111、演奏はアレフレッド・ブレンデル、1995年12月の録音です。ブレンデルはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を3回にわたり録音していますが、これはその3回目の録音です。

この曲は2楽章構成です。ベートーヴェンが2楽章構成のピアノ・ソナタを書いたのは第27番作品90以来のことでした。この第32番も、第1楽章が短調で動的、第2楽章が長調で静的と対照的という点で第27番と共通しています。しかし第27番が2つの楽章が対照的とはいえ全般的に穏やかな曲調であったのに対し、この32番では2つの楽章が著しく対立しています。
すなわち、第1楽章が短調で、暗く、動的で、深刻で、苦悩と激情に満ち、地上的であるのに対し、第2楽章は長調で、明るく、静的で、平穏で、平和と安らかな心で満たされ、そして天国的です。ベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタにおいて、静と動、明と暗、深刻と平穏の対立という彼の生涯を通じてのテーマが最も直截な形で表現され、そして彼の全創作の中でも最も天国的に美しい第2楽章で終わりを告げている点には、深い感動を覚えざるを得ません。

ブレンデルの演奏は本当に素晴らしいものです。流麗で自然体の演奏です。彼は知的叙情派といわれますが、確かにこの演奏では深い思索を重ねた上で表すことのできた自然体のようなものが感じられます。特に第2楽章のクリアで平明な美しさは見事です。ラストに向かって、いくぶんテンポを落とし歌うように歩んでいきます。真に感動的な演奏だと思います。

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