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zoom RSS ウィーン・ムジークフェラインSQのベートーヴェン「弦楽四重奏曲第5、6番」

<<   作成日時 : 2008/01/12 21:35   >>

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今日は三連休の初日でしたが、朝から1日中雨の寒い1日でした。ウィーン・ムジークフェラインSQの演奏するベートーヴェンの弦楽四重奏曲第5番作品18−5と同第6番作品18−6を聴きました。録音はともに1992年1月です。
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ベートーヴェンの「初期弦楽四重奏曲」と呼ばれている作品18の弦楽四重奏曲は、作品18−1の第1番から作品18−6の第6番までの6曲から成るのですが、作品番号は作曲順と必ずしも一致していません。第3番が最も早くに作曲され、以下第1、2、5、6、4番の順のようです(ライナーノート=近藤憲一による)。したがって今日聴いた第5番と第6番はそれぞれベートーヴェンの第4番目と第5番目の弦楽四重奏曲だということになります。

さて第5番ですが、ライナーノートによるとこの曲はモーツァルトの弦楽四重奏曲第18番K464を手本にして作曲されたと指摘されているようです。言われてみると確かに全体的に優雅でモーツァルト風ですが、ベートーヴェンらしさを感じさせる個所も珍しくありません。たとえば第3楽章が緩徐楽章で変奏曲形式で書かれていますが、この楽章の晴朗さは、どこか後期の弦楽四重奏曲第12番のあの第2楽章の神韻飄々とした世界を思わせるようなものがないでしょうか。

次の第6番はかなりの名作ではないでしょうか。はつらつとした第1楽章と内省的で情感豊かな第2楽章のコントラストが素晴らしいと思います。また第3楽章のスケルツォはカッコイイし、第4楽章は幻想的でどこか深刻な導入部分を経て中間部で一転して明るく爽快に変わるのですが、この楽章は最後の弦楽四重奏曲第16番第4楽章で「そうでなければならないのか? そうでなければならない!」のモティーフから一転して全てを超越したかのような明るさに変化するのを先取りしていないでしょうか。第6番第4楽章の明るさが地上のものであるのに対し、第16番第4楽章の明るさが天上の明るさだという違いはありますが…。

ウィーン・ムジークフェラインSQの演奏は、元々Platzといレーベルから発売されていたのを一昨年タワーレコードの日本法人が復刻したもので、我々のようなファンにとってはたいへん有り難い企画です。同SQはウィーン・フィルのコンサートマスター、ライナー・キュッヒルを中心にウィーン・フィルのメンバーで1973年に創設された団体です。したがって今年限りでの解散を伝えられるアルバン・ベルクSQ(1970年の創設)と同時期にウィーンを本拠にして活躍した団体だということになります。しかしアルバン・ベルクSQがあふれる歌心と室内楽の枠をはみ出したとも言える交響的な響きを誇ったのに対し、このウィーン・ムジークフェラインSQはあくまでも室内楽のフォルムを守っているという大きな違いがあります。
この辺は趣味の分かれるところでしょうが、ぼく個人はウィーン・ムジークフェラインSQのようなスタイルの方が好きでいます。ただし、今日聴いた2曲の演奏では方向としては共感できるものの、大感動できるような演奏でもなく、アルバン・ベルクSQのような常設の団体でないたためか、今ひとつ表現の成熟とでもいうようなものを欠いているように思いました。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
 アルトゥールさん、ご無沙汰致しておりました。1週間前に病院から帰ってきました。ところで、ベートーヴェン の弦楽四重奏ですが、若い番号は3番しか持っていません。このブログを読ませて頂き、揃えなければと思っております。私は若い頃から15番、それからお書きになっておられる16番あたりが好きで、一時期よく聴きました。又、これからも宜しくお願い致します。それから・・・ご子息のご成功強く願っております。それでは失礼いたします。

    私の名前が長いので my としました。
my
2008/01/15 15:06
myさん
御退院おめでとうございます!!

ブログの更新がしばらくなかったので、ご入院が
長引いているのではと心配しておりました。
このたび御退院されたと聞き、ほっとしました。

今後とも宜しくお願い申し上げます。
アルトゥール
2008/01/15 18:12
 おはようございます。
 この記事を拝見してから、ひさしぶりにベートーヴェンの初期カルテットを聴いてみましたが、御指摘のとおり、後期作品に通じるような部分があるように感じました。
 晩年の原点回帰、ということもあるのかもしれませんが、いずれにしてもベートーヴェンくらいになると、初期作でもまったくあなどれない作品ばかりですね!
Nora
2008/01/22 09:20
Noraさん、こんばんは。
いつもコメントを頂き有難うございます。

ベートーヴェンの初期カルテットは過小評価されている
ように思います。もしベートーヴェンが中期・後期のカ
ルテットを作曲しなかったら、それなりにカルテット史
上の名作の1つという評価を受けていたのではないでし
ょうか。とりわけ4〜6番の3曲は良い曲だと思います。
ただしウィーン・ムジークフェラインSQの演奏はあま
りお薦めできませんよ!(笑)
アルトゥール
2008/01/22 19:39
すみません、今頃になって、このエントリーを拝読したのですが、やはり第6番には後期を先取りしたものが聞こえてきますよね!
思わず「我が意を得たり!」とコメントしてしまいました(笑)。
凛虞
URL
2008/02/10 00:07
凛虞さん
コメント有難うございます。
古い記事へのコメント、もちろん大歓迎です。

ベートーヴェンの初期は、中期・後期の影に隠れがちのため
損な存在ですが、ハイドン以降の古典派弦楽四重奏曲の完成
形態という側面とベートーヴェン独自の弦楽四重奏曲の萌芽
という側面の両側面を持っていると思います。その意味で聴
いていると色々な発見のできる魅力的さ作品群だと思います。
各カルテットにとっても、どのように演奏するのか意外に難
しいのではないかと思います。
アルトゥール
2008/02/10 11:37

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