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zoom RSS ジュリアードSQのバルトーク「弦楽四重奏曲第3番」

<<   作成日時 : 2008/02/08 19:00   >>

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今日は、ジュリアード弦楽四重奏団の演奏するバルトークの弦楽四重奏曲第3番を聴きました。録音は1963年5月7、8日です。ジュリアードSQはバルトークの弦楽四重奏曲全集を3回にわたって録音していていますが、今日聴いたのは2回目のものです。当時のメンバーは、ロバート・マン(第1Vn)、イシドール・コーエン(第2vn)、ラファエル・ヒリヤー(va)、クラウス・アダム(vc)です。

バルトークは生涯にわたって6曲の弦楽四重奏曲を作曲したわけですが、今日聴いた第3番は1929年、バルトーク48歳の時の作品です。その前の第2番が1918年の作品なので、11年ぶりの弦楽四重奏曲だということになります。そしてこの第3番を聴いてみると、それまでの第1、2番から大きく作風が変化したことがわかります。

まず形式面で、単一楽章からなる演奏時間わずか15分くらいの作品です。3番以外の5曲はすべて、3楽章以上の演奏時間30分くらいの作品ですから、3番は著しく異質な作品といえます。
そして内容面でもそれまでの第1番と2番に見られたハンガリーの民族的要素や叙情性が著しく後退しています。いや、そのようなものを見られないといっても過言ではない前衛的・実験的な作品なのです。作品途中の随所で不協和音が使用され、弓を弦にたたきつけるような奏法も使用されています。今回聴いて、曲を演奏しているのではなく、曲と格闘しているのではないか(とりわけこのジュリアードSQの演奏にはそのような側面が強いように思います)という印象すら受けました。なお最後のコーダはたいへんな聴きものです。

聴いてみて、短い中に中身のぎっしり詰まった曲だという感がしました。作曲者の感情というより思想に基づいた、抽象的な別世界に連れて行かれたような気持ちになったのです。その点でウェーベルンを思わせるものがあると思います。

ジュリアードSQの演奏は昔から名演と名高いものです(実はぼくが入手したのはほんの先月なのですが…)。3回のバルトーク録音の中では、この2回目が最も評判が良いように思います。彼らの演奏は技術は高いものの機械的とのイメージがあるように思いますが、この演奏を聴くとそれが間違ったイメージであることがわかります。確かにきちっと精確なリズムを刻んだ演奏スタイルではありますが、たいへん情熱的というか、奏者のこの曲に賭ける意気込みがよく分かる演奏なのです。永遠の名演だと思います。

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
アルトゥールさん、こんばんは。
ついにジュリアードQのバルトーク入手ですね。
しかも感想がいきなり3番なのですね(笑)。
でも、このジュリアードQのバルトークは3・4番あたりがもっともその特質に合っているかもしれません。さすが聴き所のツボを押さえてるなあ、と思いました(笑)。

演奏の内容が情熱的とのご意見、全くそのとおりですね。技術的に完璧な分、情熱的になるが故に当時としてはその先鋭さがますます際立って聴こえてしまったのかもしれないかな?とも思っています。ましてや曲がバルトークですし。

確かにこの演奏、コーダが凄いですね。もともと3番はコーダが好きで、3番全体としてもそんなに長くないのに、さらにここだけ取り出してよく聴いたりします(笑)。最近はこの演奏とヴェーグQをよく聞きます。
実はジュリアードQもヴェーグQも目玉が飛び出るほど驚いたのは旧盤の方(ジュリアードQは1回目)なのですが、いつも聴くのは新盤がいいです(笑)。
うぐいす
2008/02/08 20:50
うぐいすさん、コメントを有難うございます。
ジュリアードSQのバルトークは第1番から順に聴いている
のですが、今回第3番を記事に取り上げたのは、1番と2番
は以前に拙ブログで取り上げたことがあるからにすぎないの
です(苦笑)。ただし、バルトークの弦楽四重奏曲というと
4番以降が話題に上ることが多いように思いますが、私自身
は最近、1〜3番に興味を感じています。

ジュリアードの演奏は、仰るように情熱的なためにかえって
演奏の先鋭的な側面が際立って聴こえてくるのだろうと思い
ます。録音が出たのは40年以上も前ですから、当時はさぞ
かし衝撃的だっただろうと思います。
ただし作曲者がこのような演奏を期待していたのか、どうな
のでしょうか。バルトーク自身は1946年のジュリアード
SQ結成の前年に亡くなっていますが、ジュリアードSQの
演奏を聞いたら驚喜したかもしれませんね。
アルトゥール
2008/02/08 21:34
上に続けます。
ジュリアード以外では、ヴェーグ旧が良いですか…。私は
以前うぐいすさんが「最もバーバリズム的」と評されてい
たタートライにも大いに興味があります(但しHungaroton
レーベルは高いという大きな欠点が)。最近ベルチャSQ
という団体も録音したみたいですね。ジュリアード1回目
も含め、次はどれに触手を伸ばすか、これはファンならで
はの楽しみですね。
アルトゥール
2008/02/08 21:37
アルトゥールさん、こんばんは。
たびたびお邪魔します(笑)。
ちょっと舌足らずだったので補足ですが、ヴェーグQは購入してからこの1ヶ月間で、新盤がなかなか良いことに気がつき始めました。旧盤の、3番のコーダのスケール感には驚きましたが、新盤は泥臭いながらも4つの楽器が全体として調和していて迫力もあり、なかなか聴き応えのある演奏です。うぐいす的には今はヴェーグQ新盤を推しちゃったりします。

しかしそれにしても少々無責任かもしれませんが、どうも最近バルトークの四重奏ははっきりとどれが一番とかいえなくなってきてます、どれも良くって(苦笑)。最近のマイブーム(としか言えない、笑)はジュリアードQの2回目とヴェーグQ新盤ですね。タートライQは以前、確か「明快なバーバリズム」と書いたのかな?明快ですっきりとした感じなのですよ。これの購入はまだ後でもよいかもしれないですよ。おもしろいですけど。
うぐいす
2008/02/08 22:39
うぐいすさん、再度のコメント有難うございます。
バルトーク全集は、私は、ハンガリー、バルトーク新、タカーチ
新、それにジュリアード2回目と4種類持っていることになりま
す。以前のうぐいすさんの@伝統型とA先鋭型登場以降の諸スタ
イルという分類によると、@がハンガリーとバルトーク新、Aが
ジュリアード2回目とタカーチ新、と2種類ずつになりますね。
ヴェーグ新は@だと思うので、@に回帰するということでちょう
ど良いように思います。

ベートーヴェン全集はCD8枚程度になるので気軽に買うわけに
いきませんが、バルトーク全集はCD2〜3枚で収まってしまう
ので買いやすいですね。以前Rさんは15種類持っていると仰っ
ていましたが、そのお気持ち分かります。あまり躊躇せずにどん
どん買い進めて、好きになれない録音のみ処分していくというス
タンスでいくのが正解かも知れませんね。
アルトゥール
2008/02/09 17:43
アルトゥールさん、こんばんは!
ご子息合格の報の直後のエントリーがバルトークのカルテットと云うことに大変嬉しく思っております。
Rさんの15種はさておき(笑)、かねてより、これまで聞いてきたバルトークの弦楽四重奏曲で、どれが自分のお気に入りかだいぶ迷っていました。(これが、拙ブログでバルトークのことを殆ど記さない理由の一つとなっています。)
ノヴァークの野暮ったい演奏(失礼!)さえ、「バルトークを中欧的民族音楽として捉えた好演」と思えてしまうのですから(笑)。(ただし、AカルテットとHカルテットは…(苦笑)。)
しかしながら、どれか1セットと言われれば、最近はタートライかケラーの何れかが最終的な選択になるだろうと思っています。前者は、仰るように高価ですが、後者は廉価で入手できることが嬉しいですね。
凛虞
URL
2008/02/10 00:00
凛虞さん
コメント有難うございます。

ケラーSQは10年位前に実演を聴いたことがあります。
良かったという記憶があります。
所属していたERATOがやる気がなかったため、録音活動
の面で恵まれませんでしたね。
バルトーク全集は今なら2千円以下で入手できるようですね。
早速買い求めようと思います。
その次が、うぐいすさんの推しておられるヴェーグ新とジュ
りアード1回目、それにタートライのどれかでしょうね。

Hカルテットは私も全く期待できないと思います(苦笑)。
Aはひょっとしたらと思わないでもないですが…。
アルトゥール
2008/02/10 11:10

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