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zoom RSS ハイドンの弦楽四重奏曲の魅力

<<   作成日時 : 2008/04/01 21:55   >>

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今日の東京は風が強かったものの、年度変わりにふさわしい良い天気でした。今日は、CDで鑑賞ではなく、ハイドンの弦楽四重奏曲についてぼくが思っていることを自由に書いていきます。

過去2日間のエントリーで、ぼくはハイドンの弦楽四重奏曲について褒めすぎたかもしれません。ぼくはハイドンの弦楽四重奏曲を、モーツァルトやベートーヴェンの弦楽四重奏曲よりも上だ思っているわけでなく、好きなわけでもありません。それどころか、ベートーヴェンの中期の「ラズモフスキー」弦楽四重奏曲の高峰とそれに続く後期弦楽四重奏曲の玄妙な世界は、空前絶後のものであり、史上最高の弦楽四重奏曲作曲家といえば、やはりベートーヴェン以外にないと思っています。
またモーツァルトも第14〜19番の「ハイドン・セット」は、優雅さと天才的なインスピレーションに満たされた密度の濃い作品であり、ハイドンの弦楽四重奏曲がそれより上とは言い切れないと思います。また第20番以降の「ホフマイスター」「プロシャ王セット」も、「ハイドン・セット」と比べて肩の力が抜けた作風ながら、その独特の軽味が魅力の名作のように思うのです。

しかしハイドンの弦楽四重奏曲には、ベートーヴェンやモーツァルトにない魅力があると思うのです。それは一言で言うと、「気楽に聴ける」ということだと思います。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の玄妙な世界は、聴く者に多大な緊張を強いるものです。またモーツァルトの弦楽四重奏曲もあまりの美しさ・優雅さに聞き惚れ、耳を奪われてしまいます。これに対してハイドンは、耳に優しいというか、もっと気楽に聴くことができるのです。

ハイドンの膨大な弦楽四重奏曲の中には、凡作が少ない旨は前のエントリーで書きました。ハイドンの明るく、人懐っこく、心優しい作品を聴いていくことは、卑近なたとえでいうと、(ドストエフスキーのような深刻な小説ではなく)最近拙ブログで記事にした森絵都さんのおしゃれな小説を読んでいくような楽しさがあります。そして、時々はっとするような美しく、楽しく、また悲しい旋律に出会うことができるのです。
ハイドンの作品はもちろんじっと聴いていてもよいのですが、本を読む際や家族・友人との語らいの際のBGMとしてもよいものです。そしてハイドンの作品には、そういう不真面目な聴き方をも許してくれそうな懐の深さが感じられるのです。癒しの音楽としても最適です。


録音について少し書きますと、自分は、ハイドンの弦楽四重奏曲の全曲録音を果した団体は、現時点では、タートライSQ、コダーイSQ、エンジェルスSQの3団体しか知りません。そしてHugarotonレーベルのタートライSQ盤を少しずつ集めて、半分以上まで到達したのです。
タートライSQの演奏は真面目で素朴な演奏で、大きな不満はありませんが、これがベストかと言われると疑問を感じることはありました。現に作品64の「第2トスト四重奏曲」と作品76の「エルディーテェ四重奏曲」はウィーン・コンツェルトハウスSQ、作品33の「ロシア四重奏曲」はウェラーSQと個々にはタートライ以上に好きな録音があったのです。

そんな時、5、6年前だったと思いますが、円安・ユーロ高のせいかHungarotonレーベルのCDがとつぜん、従来の50%以上も値上がりしました。タートライSQの録音も1枚当たり2,500円近くするようになってしまったのです。
その頃、NaxiosのコダーイSQの演奏が良いという話を聞きました。そこで何枚か聴いてみると、確かに真面目な良い演奏のように思えました。ただしコダーイがタートライよりも上だとは言い切れないように思いますが…。

そこへ最近になった登場したのが、BrilliantのブッフベルガーSQの録音です。これはピースうさぎさんのブログで拝見したのをきっかけに、何枚か買って聴いてみたのですが、タートライと違ったきびきびした演奏スタイルで、大いに魅力を感じました。ただし全集としては未完成ですが、録音ペースの早さや作品1、2、9といった売れ行きの悪そうな作品をすでに録音してしまったことからも、数年中に完結するのではないかと思います。

ただし半分以上を集めたタートライを途中で止めてしまう気になれません。そこで今後は、懐事情に余裕にある時にタートライを購入していき、それと同時にブッフベルガーSQも買い進めるという折衷策でいこうと思うのです。
これは交響曲にたとえれば、ベーム、ヨッフムの演奏とアーノンクールの演奏の両方を集めるようなもので、全然違うスタイルながら、どちらも持っていたいのと同様に思うのです。

こうして、ハイドンの弦楽四重奏曲との付き合いは、これからも長く続きそうです。


追記 自分としては初めてのことですが、自分自身がちょうど1年前にハイドンの弦楽四重奏曲作品77「ロプコウィッツ四重奏曲」について書いた記事をTBしました(4月1日)。



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タートライSQのハイドンの弦楽四重奏曲作品77
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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
アルトゥールさん、こんばんは!
懐かしいエントリーのTB、この直後にタートライの「ロプコヴィッツ」を購入したことを思い出しました(笑)。(そして、やっと愛聴していると記したウルブリッヒを今回採り上げることができました(笑)。)

さて、モーツァルトの愉悦やベートーヴェンの音楽革命に直接比べてしまうと、ハイドンはもっと俗世間離れしたところがあると思います。それ故にBGMとしても最適となるのではと思えます。(拙ブログにコメントをいただいたrudolf2006さんのお言葉を拝借すれば、「やはり第83番はこれはすごい世界ですよね、ハイドンのような天才でも変わっていく、という好例を見る思いです」と思っております。)

今のところエンジェエルスの全集に手を出す勇気はありませんが、コダーイの楷書的な演奏には好感をもっており、少しずつ増やしてみようかと思っております。
凛虞 (Niklaus Vogel)
URL
2008/04/01 23:03
アルトゥールさま お早うございます。

「ハイドンの日」参加、ありがとうございます。m(_ _)m
アルトゥールさんが、ハイドンの音楽に対して仰っていること、よく分かります。聴き手に過度の負担をかけない、これがハイドンの良さでしょうね〜。
演奏が酷い場合は、その部分が気になり負担になるように思います。
負担をかけない演奏、それがハイドンの場合、理想的なのかもしれませんね〜。


ミ(`w´)彡 
rudolf2006
URL
2008/04/02 06:06
凛虞さん、こんばんは!
拙記事が御参考になったと聞き、大変嬉しいです。

ハイドンの作品ですが、彼はモーツァルトやベートーヴェン
に比べると世俗的には恵まれていたので、才能を思うがまま
に発揮し、あのように天衣無縫の作品を多く残すことができ
たのではないかと思います。あの天衣無縫さは、たしかに、
モーツァルト以上に俗世間離れしていますね。

私も、コダーイSQも増やしたいのですが、NAXOSの通弊で
場所を取るという欠点が…(笑)。ハンガリー系ばかりに
なるのもどうかと思いますしね。
アルトゥール
2008/04/02 21:54
rudolf2006さん、こんばんは!
仰るとおり、ハイドンの良さは聞き手に過度の負担を
かけないところにあるでしょうね。深刻な音楽を聞きたい
時にはバッハやベートーヴェンを聴けばよいし、純粋な
芸術に浸りたい時にはモーツァルトを聴けばよいの
だと思います。彼らと異なり、聴き手に過度な負担を
かけない音楽を提供してくれたのがハイドンだと思います。

演奏は、疑問に感じるのが、交響曲になりますがカラヤン
です。ハイドンは素朴で天衣無縫なままにしてほしかった
ですね。
アルトゥール
2008/04/02 22:01
 アルトゥールさん、こんばんは。
 わたしは、ハイドンのカルテットは、有名曲以外の曲にようやく足を踏み入れたばかりなので、ここ数回の記事、特にこの記事などは、ほんとうに参考になります。
 アルトゥールさんの記事を指針にして、わたしも全曲制覇目指してゆっくり聴いていこうと思いますが、それだけの価値がある音楽だと思います。
 1曲1曲、曲自体のよさに心奪われてる段階で、どの演奏がいい、とかは、まだまだこれからですね。(笑)
Nora
2008/04/05 22:11
Noraさん、コメントを頂き有難うございます。
ハイドンのカルテットを気に入って頂いて嬉しいです。

私もまだ全曲は聞いていません。しかしこの世界は、
はまると思います(笑)。
ハイドン(とショスタコーヴィチ)に関しては、
交響曲よりもカルテットの方が上だと思います。
演奏はもう、どれでもいいと思います。
色々な演奏スタイルを受け入れる懐の深さがハイドン
の音楽の魅力の1つではないかと思います。
アルトゥール
2008/04/06 21:27

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