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zoom RSS ケンプのシューベルト「ピアノ・ソナタ第17番」

<<   作成日時 : 2008/04/14 21:37   >>

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シューベルトのピアノ・ソナタ第17番ニ長調D850。この曲はシューベルトのピアノ・ソナタの中でも今ひとつ注目されていないのではないでしょうか。
ウィルヘルム・ケンプのようにシューベルトのピアノ・ソナタ全集を完成させたピアニスト、アルフレッド・ブレンデル、内田光子のように第13番以降のソナタを全て録音したピアニストは当然第17番も録音しているわけですが、ラドゥ・ルプー、マウリツィオ・ポリーニのようにシューベルトのピアノ・ソナタを相当数録音したピアニストがなぜか第17番を録音していません。それに実演でこの曲が取り上げられる回数は、その前後のソナタと比べて少ないように思います。

その理由として考えられるのは、今日聴いたケンプの演奏で約39分もかかるという長さ、そしていちおう急・緩・急・急の4楽章編成を取っているものの、どの楽章も10分ずつと締まりの無さ、完成度の低さです。しかし、歌謡的なメロディーの美しさという点ではこれほど魅力を持った作品は、シューベルトのピアノ・ソナタの中でも随一、いやシューベルトの全ての作品の中でも随一なのではないでしょうか。

ただし第1楽章は不出来だと思います。冗長でインスピレーションが感じられないのです。この第1楽章の出来の悪さも、このソナタの人気がない原因の1つかもしれません。

これに比べて、第2楽章の美しさは言葉にできないほどです。夢を見ているような歌謡的なメロディーの美しい楽章です。音楽を聴くことの幸せを、思う存分味わうことのできる楽章です。

第3楽章はスケルツォで、これまたハンガリーの民族的な旋律の美しい楽章です。しかしこの楽章はスケルツォなのに演奏時間が10分もかかってしまい、作曲技法の点からは冗長なのでしょう。しかし物は考えようで、曲が冗長だからこそ、聴き手は長い時間美しい音楽に浸っていることができるとも言えるのです。

第4楽章がまた美しい。色とりどりの花が咲き乱れる野原を行くような気持ちを味わうことができます。それに最も上質なユーモアさえ感じられるようです。シューベルトの故郷オーストリア・アルプスの野原もこのように美しいのでしょうか?

今日聴いたのはケンプの1968年8月の録音です。彼は強音をできるだけ抑え、主観的な、歌心あふれる演奏を繰り広げます。この曲の演奏を心から楽しんでいる様子が目に浮かぶようです。特にテンポをゆっくりとった第4楽章での歌うような、いや実際歌っている演奏はまさにケンプ節です。彼にしかなしえない至芸でしょう。

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コメント(4件)

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アルトゥールさま こんばんは

シュベルトのピアノ・ソナタ
どうしてもゼルキン師の録音が残っているものばかり聴いてきていて、ようやくその呪縛から少しずつ解き放たれ(甚だ疑わしいですが)、リヒテルの演奏なども今頃になってきているところです。
ご紹介のピアノ・トリオの素晴らしさに驚き、ルビンシュタインが弾いている、変ロ長調のソナタの録音も注文してしまいました、爆〜。
ケンプの演奏・録音には長らく接していません、この曲も、あまり録音も内容ですね
でも、良さそうな曲ですよね〜

ミ(`w´)彡 
rudolf2006
URL
2008/04/14 23:37
rudolf2006さま
おはようございます。

シューベルトというと私の中高時代は、交響曲と歌曲が
中心に聞かれていましたが、ピアノ曲・室内楽にも良い
曲が多いですね。日本でシューベルトのピアノソナタの
人気が出たのは、ブレンデルが70年代にピアノ・ソナ
タの録音を果したことの功績が大きいのではないでしょ
うか。

17番は、私は、シューベルトのピアノ・ソナタの中で
18番ト長調と並んで大好きなのですが、録音は多くあ
りません。ゼルキン師、リヒテル、ルービンシュタイン
いずれも録音していないと思います。ケンプのはセット
に入っているので、単発で求めるならDECCAのカーゾン
盤が良いのではないでしょうか。
なおルービンシュタインの変ロ長調ソナタも、流麗で良
い演奏ですよ。
アルトゥール
2008/04/15 05:55
 こんにちは。

 アルトゥールさんのおっしゃるように、これだけ旋律が魅力的だと、長いのも大歓迎ですね。
 前回記事のハイドンもすばらしかったです。何度か聴いているはずなのですが。再発見させていただきました。
 これからも、アルトゥールさんならではの、隠れた名曲のご紹介、楽しみにしております。
Nora
2008/04/16 15:46
Noraさん
コメントを頂き有難うございます。
自分はシューベルトのピアノ・ソナタの中では、この第17番と18番
がいちばん好きです。
ハイドンは弦楽四重奏曲に隠れた名曲が多いですが、ピアノトリオ
にも意外に(?)良い曲が多いように思います。ハイドンのピアノ
トリオはあまり知られていないと思いますが、いつか取り上げたい
と思っています。
バッハ、ヘンデル、ハイドンは、モーツァルト、ベートーヴェンに
比べて知られていない曲が多いですが、宝の山だと思います。
アルトゥール
2008/04/16 22:00

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