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zoom RSS ラローチャのモーツァルト「ピアノ・ソナタ第16番」

<<   作成日時 : 2008/04/19 20:58   >>

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モーツァルトのピアノ・ソナタ第16番変ロ長調K570。この曲は、ぼくがモーツァルトのピアノ・ソナタの中で最も好きな曲だ。一般には、トルコ行進曲で有名な第11番K331とか第14番ハ短調の方が人気があるのかもしれない。けれども、ぼくは昔からずっと、第16番K570が最も好きでいる。

第1楽章は、どこか昔懐かし風の、素朴で優雅な楽章だ。第2楽章はアダージョで、全3楽章の中で最も長い。中間部で転調するものの、全体としてはどこまでものどかで平和だ。第3楽章はコケティッシュで愛らしい。

この曲はモーツァルト33歳の時の作品である。短い曲ながら、晩年のモーツァルトらしい、肩の力が抜けた、軽快な、まさに珠玉のような作品だと思う。

さて今日聴いたのはアリシア・デ・ラローチャの演奏である。彼女はモーツァルトのピアノ・ソナタ全曲を2回録音しているそうだが、これは2回目の1990年11月のRCAへの録音である。
モーツァルトを得意にしている女流ピアニストは、昔からクララ・ハスキル、リリー・クラウス、ラローチャ、イングリッド・ヘブラー、マリア・ジョアオ・ピリス、内田光子と大勢いるが、その中でぼくが最も好きなのがラローチャとピリスだ。

本録音でのラローチャは、まず音が抜群に美しい。凡俗のピアニストとは全く違う。混じり気の一切ない、どこまでも純粋で、まろやかな、美しい音だ。演奏スタイルも、テンポを遅めに取ってそれを変えることなく、彼女の円満で心優しい人柄をそのまま反映したような、自然体の演奏だ。

往年の大ピアニスト、アルトゥール・シュナーベルは「モーツァルトのピアノ・ソナタは、子供が弾くのにはやさしすぎ、大人が弾くのには難しすぎる。」という言葉を残したという。それは、モーツァルトのピアノ・ソナタは、演奏技術が易しいので、子供がピアノの練習台にするには易しすぎるが、大人がいざそれらピアノ・ソナタの真価を明らかにするような演奏をするのは大変難しいという意味ではないだろうか。
しかしラローチャの演奏は、このシュナーベルの「大人が弾くのには難しすぎる。」という言を楽々とクリアしている。全く自然体の演奏で、この第16番K570という晩年のモーツァルトのみが書きえた軽みのある純粋な曲の真価を、自然に浮き上がらせている。聴いていて涙が出てくるほどの名曲の名演だ。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
おはようございます。
K570、私も大好きです。
この名曲の私のイチ押しはアラウの演奏です。
ゆったりとしたテンポから紡ぎだされる豊かな歌には何度聴いても魅せられてしまいます。 何回聴いただろうか?
Lacroix
2008/04/20 10:35
Lacroixさん
コメントをいただき有難うございます。

アラウは私の好きなピアニストです。
以前はアラウというと、ベートーヴェン、ブラームス、リスト
かなと思っていたのですが、最近ショパン、シューマン、それ
にドビュッシーまでもが良いような気がしてきました。
ただしモーツァルトはまだ聴いたことがありません。
今アラウの録音は、作曲家ごとに白いボックスに入れて出てい
ますね。また一つほしい録音が増えました。
アルトゥール
2008/04/20 18:11
アルトゥールさま お早うございます〜

ラローチャのモツアルト 良いですよね
CDの出始めの頃に、モツアルトのコンチェルトのCDを良く聴いていました。ラローチャさんの温かいタッチがモツアルトにピッタリのような感じがします。
ソナタ全集は欲しい、欲しい、と長い間思っているのですが〜;
他のものに変わってしまって〜

近いうちに聴いてみたいです〜

ミ(`w´)彡 
rudolf2006
URL
2008/04/24 06:00
rudolf2006さま
コメントを頂き有難うございます。
レスが遅れ申し訳ありませんでした。

rudolf2006さんがお聴きだったラローチャのモツアルトの
コンチェルトは、たぶんショルティとの25、27番ですね。
あれも良かったですね。ラローチャは90年代に、C・デ
イヴィスとモーツァルトのコンチェルトを再録音しまし
たが、こちらもいいですよ。

私はモーツァルトのピアノ・ソナタ全集は、ギーゼキン
グ、エッシェンバッハ、バレンボイム、ラローチャ、ピ
リスのDENON盤と5種類持っていますが、その中では、
ギーゼキングは別格として、ラローチャとピリスが最も
好きでいます。ぜひ聴いてみてください。
アルトゥール
2008/04/25 17:29

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