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zoom RSS クス四重奏団の演奏会

<<   作成日時 : 2008/07/09 22:05   >>

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昨日7月8日(火)の話になりますが、東京都新宿区の紀尾井ホールで行われたクス弦楽四重奏団の演奏会に行ってきました。
会場で配られていたパンフレットによると、クス四重奏団は1991年の結成で、メンバーはヤナ・クス(第1vn)、オリヴァー・ヴィレ(第2vn)、ウィリアム・コールマン(va)、フェリックス・ニッケル(vc)の4人です。アルバン・ベルク、ラサール、クリーヴランドの各四重奏団のメンバーから指導を受けたとのことです。 なお第1vnのヤナ・クスのみ女性で、残りは男性です。

アルバン・ベルク四重奏団が今年限りで解散し、ぼくも日本での解散コンサートに行ってきましたが、ここ数年、同四重奏団以外にも、米国のフェルメール四重奏団、英国のリンゼイ四重奏団が解散しています。また米国の名門・ガルネリ四重奏団が来年解散の予定と聞きます。その一方で、オーストリアのアルテミス四重奏団、英国のベルチャ四重奏団、そしてドイツのクス四重奏団といった若い四重奏団の活躍が伝えられます。カルテットの世界は今、大きな新旧交代の時期を迎えているのではないでしょうか。

それでぼくはと言うと、こうした若手四重奏団のことは何も知らないのです。今回クス四重奏団のコンサートに行ったのは、若い四重奏団がどんな演奏をするのか、一つ自分の耳で確かめてみようと思ったのです。

昨日のプログラムは次の通りでした。

ハイドン「弦楽四重奏曲第63番『ひばり』」
ウェーベルン「弦楽四重奏のための6つのバガテル」
クルタータ「弦楽四重奏のための『セルヴァンスキ追悼の小オフィチウム』」
(休憩)
ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第12番」

さてクス四重奏団の演奏ですが、まずメンバーが着席した時驚かされました。向かって左から第1vn、vc、va、第2vnの順に着席したのです。カルテットの座る順序は通常、向かって左から第1vn、第2vn、va、vcで、時々第1vn、第2vn、vc、vaの順序に着席するカルテットもありますが、クス四重奏団のように2人のヴァイオリニストが両端を占めるのは極めて珍しい例です。ぼくが見たのは、20年前に解散したスメタナ四重奏団以来です。

演奏の方ですが、まずハイドンを聴いて、アルバン・ベルク四重奏団型だと思いました。各奏者の音量が大きく、それぞれが非常に生命力のあふれる積極的な演奏をするのです。各奏者の力量はかなりのもので(この点は2曲目のウェーベルン以降によく現れていました)、特に第1vnのヤナ・クスは相当な技量の持ち主と見受けられました。アンサンブルの完成度も大したものです。ただし素朴なハイドン、笑顔のハイドンを求める人(ぼくもそうなのですが)は、疑問を感じるでしょうが…。
ベートーヴェンも白熱したような演奏で、4人がベートーヴェン晩年の玄妙な世界をどう理解しているのか疑問に思いました。彼らの持ち味が生きたのは、中間のウェーベルンとクルタータの20世紀作品(余談ですが、クルタータのこの曲を聴くのは当然初めてでした。多くの短い曲からなる凝縮した作品で、各楽器に特殊奏法が要求されているようでした。悲哀・沈痛の念を直接音楽にしたような作品でした。)なのかもしれません。

しかしぼくは、演奏会の最後に行われたサイン会に出席する気持ちにはとてもなれず、少しがっかりした気持ちで帰路についたのでした。

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弦話§クス・クァルテット〜紀尾井〜[上]
毎回楽しみにしている若手弦楽四重奏団である。 ...続きを見る
ひだまりのお話
2008/07/09 22:28

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
アルトゥールさん、こんばんは!
クス四重奏団の演奏会、行くことができずにチラシを恨めしそうに見ていたのですが(笑)、やはりベートーヴェン第12番は若手には難曲となるのでしょうか…。この曲は、ベートーヴェン晩年への旅立ちの曲として、本当に難しいかもしれませんね。
ところで、この楽器配置ですが、かつてスメタナ四重奏団がとっていたとは知りませんでした。因みに、現代では日本の古典四重奏団がこの配置を常としており、両翼配置が非常に効果的と思います。
凛虞
URL
2008/07/09 22:46
凛虞さん、コメント有難うございます!
クス四重奏団はドイツの団体ということで期待していました。
ドイツの四重奏団といえば、私は、昔のブッシュ四重奏団
が好きだったのですが、戦後に登場したメロスSQ、ハーゲ
ンSQは(私にとっては)期待外れでした。
旧東独のゲヴァントハウスSQ(ボッセ時代、ズスケ時代)
とベルリン(ズスケ)SQは好きですが、両者とも常設の
四重奏団ではなく、ドイツの本格的な四重奏団を待望して
いたのです。
ところが今回のクス四重奏団も、コンサートを聴いた限り
では期待を裏切られたようで…(笑い)。まだ若い団体な
ので成熟を期待したいところですが。
ところで「ネ申」古典四重奏団が両翼配置とは知りません
でした。一度実演に接してみたいものです。
アルトゥール
2008/07/10 15:41
 こんにちは。
 クス四重奏団は知りませんんでしたので、興味深く記事を読ませていただきました。
 ベートーベンは、ちょっとイメージとちがったようで残念でしたね。でも、今の彼らなりのアプローチなのでしょう。「白熱」の12番というのも聴いて見たい気もします。
 それより、お話をうかがうと、ウェーベルン等がなかなか期待できそうです。最近は、昔ほどとりあげられなくなってきているようなので、その意味でも注目していきたいと思います。
Nora
2008/07/10 16:24
Noraさん、こんばんは。
いつもコメントを頂き有難うございます。
ベートーヴェンの後期となると、聴き手の方ですでに
イメージが出来上がっているので、イメージと違う演奏
を聴くとなかなか受け付けられないという面があると思
います。そういう点で、クス四重奏団の演奏は違和感が
残りました。
ウェーベルン等、新ウィーン楽派は最近の録音が少ない
かもしれませんね。CD市場自体が縮小しているため仕
方がないのかもしれませんが…。もっとも私は手持ちの
ラサールSQの演奏で満足しています。
アルトゥール
2008/07/10 21:38

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