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zoom RSS ブッシュSQのベートーヴェン「弦楽四重奏曲第9番『ラズモフスキー第3番』」

<<   作成日時 : 2008/07/25 21:38   >>

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今日はこの夏一番ではないかと思うくらい暑い1日でした。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第9番ハ長調作品59の3、愛称「ラズモフスキー第3番」を聴きました。演奏はブッシュ弦楽四重奏団、録音は1933年11月です。なお録音当時のブッシュSQのメンバーは、アドルフ・ブッシュ(第1vn)、ゲスタ・アンドレアッソン(第2vn)、カール・ドクトール(va)、ヘルマン・ブッシュ(vc)です。

ベートーヴェンの3曲の「ラズモフスキー弦楽四重奏曲」は、交響曲第3番「英雄」、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」などとともに、ベートーヴェン中期のいわゆる「傑作の森」を代表する作品です。3曲の中でどの曲がいちばん好きかといえば、ぼくなら強いていえば第8番「ラズモフスキー第2番」です。しかし一般には、今日聴いた第9番「ラズモフスキー第3番」がいちばん人気があるのではないでしょうか。

この「ラズモフスキー第3番」は、まず第1楽章がすばらしいと思います。ただならぬ気配と緊張感の冒頭部から、一気にベートーヴェンらしいダイナミックで生命力みなきる音楽が切って落とされます。
第2楽章は緩徐楽章ですが、ぼくがずっと分からないでいます。同楽章はこの曲で最も長い楽章ですが、どのようなことを表現しようとしているのか分からず、以前は退屈に感じたことさえあるのです。今日聴いてみると、憂愁・不安といった感情の中に、希望の光が見え隠れした楽章だと考えるべきなのでしょう。そしてどこかベートーヴェン後期の弦楽四重奏曲の玄妙な世界に通じる側面が感じられるように思うのです。
第3楽章は柔らかな典型的なメヌエットです。
第4楽章はダイナミックで熱気に溢れ、たいへんカッコのいいフーガです。ぼくはこのフーガが大好きで、この曲を聴き始めた頃は、よくこの楽章だけを取り出して聴いていました。

さてブッシュSQの演奏は戦前のSP録音を復刻したもので、当然音質は良くありません。しかし、同SQの確固とした造形力と、特に第1vnのアドルフ・ブッシュのベートーヴェン作品の本質に迫ろうとする厳しく、気迫あふれる演奏スタイルは、音の悪さを超えて胸に迫ってくるものがあります。当録音は、シューベルト「死と乙女」などと並び、ブッシュSQの代表作に挙げられるべきものです。
この「ラズモフスキー第3番」は数多くの録音があるわけですが、ぼくの考えでは、ブッシュSQや、ブダペストSQ、ジュリアードSQといった古い録音を上回る演奏はまだ現れていないのではないでしょうか。この点は、交響曲の分野において、「ラズモフスキー第3番」が占める位置に該当する「英雄交響曲」の演奏において、トスカニーニ、フルトヴェングラーの両巨匠を上回る演奏が出ていないと思われることと、通じるのでないかと思うのですが、どうでしょうか。


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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
アルトゥールさん、こんばんは!
私も「英雄」はトスカニーニ、フルトヴェングラー、ワルターといった古い録音の束縛から抜け切れていません(笑)。
ラズモフスキーの第3番、ブッシュ、ジュリアードとこれまた求道的な演奏ですね。衿を正して聞きたくなるような演奏です。アルトゥールさんが挙げられた3点では、ブダペストのみ新旧ともに求道的というよりは、演奏家の資質(出自??)を物語るような演奏と感じています。
この第9番に限らず、ラズモフスキー3曲に関しては、ここ1年くらいは実は華奢な(笑)ターリッヒ四重奏団の演奏に惹かれています。
凛虞
URL
2008/07/25 23:47
アルトゥールさま お早うございます

いずれはブッシュ・カルテットの演奏も聴いてみたいな、と思いながら、まだ聴いておりません。

ブッシュとゼルキンのシュベルト集、これがまだ届きません。もう何ヶ月も経つんですが、爆~。

ラズモフスキーの中では、私も2番が一番好きになってきています。大昔は1番、その次が3番、今は2番と、こちらの年齢によっても好みに差が出てくるように思います。

カルテットの演奏、名盤が多くて困ってしまいます〜爆~。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2008/07/26 06:08
アルトゥールさん、こんばんは!
ブッシュQのラズモフスキー3番は、その背筋がピンと伸びた、芯の通った弾き方で白熱した音楽を作っていく様が実に見事ですね!この時代には珍しく情に溺れすぎずに緊張感も溢れる、構成の整った名演だと思います。

ちなみに、英雄はやはりフルトヴェングラーから離れられませんが、最近クナッパーツブッシュやフリッツ・ブッシュの英雄にもハマりつつあります(って、これも50年代以前ですね、苦笑)。
うぐいす
2008/07/26 17:39
凛虞さん、コメント有難うございます。
私も「英雄」は3大巨匠、「ラズモフスキー3番」は
ブッシュ、ブダペスト、ジュリアード旧のような古い
録音の呪縛から逃れられないでいます。
ターリッヒSQは、80年代の来日公演がFMで放送
されたのをエアチェックして聴いた思い出があります
が、それが唯一の接点です。自分はこれまでターリッ
ヒ、プラジャーク、パノハのチェコの第2世代を軽視
していたようです。貴記事によると、ターリッヒは8
0年代からメンバーが変わったようですね。仏カリオ
ペから大量の録音が出ているようで、上記第2世代の
中ではレパートリーという点では随一のようですね。
一度何か買ってみます。
アルトゥール
2008/07/26 18:26
rudolf2006さま
コメント有難うございます。
ブッシュSQの録音は現在は輸入盤しかないようですが、
容易に入手できると思います。
これに対し、A・ブッシュとゼルキン師の共演盤は今は
入手が困難なのかもしれませんね。ベートーヴェンなど
良いものが少なくなかったのですが…。rudolf2006さま
が注文されているCDに収録されている曲のうち、トリ
オ2番の方はルビンシュタイン盤で聴けるわけですが、
名曲・幻想曲D934が聴けないのは痛いですね。
ERATOレーベルのオークレール&ジョワのシューベルト
室内楽集を注文されたら如何でしょうか? rudolf2006
さまの趣味には合わないかもしれませんが、これはこれ
で名演で、ブッシュ/ゼルキン師盤により上だと思う人
も少なくないと思いますよ。
アルトゥール
2008/07/26 19:22
うぐいすさん、コメント有難うございます。
ブッシュSQのベートーヴェン9番は仰るように、
構成の整った名演だと思います。同SQは第1vn主導
型ですが、第1vn主導のカルテットはアルバン・ベル
クSQをはじめブッシュ後も色々出ているように思い
ますが、ブッシュを超える団体が出ているかどうか…。

「英雄」はフリッツ・ブッシュのはさすがに持ってい
ませんが、クナッパーツブッシュ盤は持っています。
その頃の英雄ではライナー/シカゴ響も良いと思います
が…。こういう話をし始めるときりがありませんね(笑)
アルトゥール
2008/07/26 19:30

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