クラシック音楽のある毎日

アクセスカウンタ

zoom RSS W・マイヤー/アーノンクールのモーツァルト「クラリネット協奏曲」

<<   作成日時 : 2008/11/03 21:12   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 8

今日の東京は1日中曇り空で、冬がすぐ近くまで到来していることを実感させられるほどの肌寒さでした。今日で3連休が終わるわけですが、ぼくは最初の日に息子(中1)とともに福山雅治主演の「容疑者Xの献身」という映画を見に行った以外は、ほとんど家で過ごしました。

今日はモーツァルトのクラリネット協奏曲イ長調K622を聴きました。演奏はヴォルフガング・マイヤー(バセット・クラリネット)とニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスです。録音は1998年10月です。なおヴォルフガング・マイヤーは、ザビーネ・マイヤーの実兄です。

モーツァルトは周知のように晩年、クラリネットの名手アントン・シュタートラーとの出会いを機にクラリネット五重奏曲K581とクラリネット協奏曲K622という2つの名曲を作曲しました。ともにモーツァルトの全作品中に特異の地位を占める名曲だと思いますが、ぼくはどちらかといえばクラリネット五重奏曲の方が好きです。が、これは強いて言えばという程度で、どちらもほとんど同じくらい大好きでいます。

ただ今日クラリネット協奏曲を聴いて改めて思ったのですが、なんと物悲しく寂しい音楽なのでしょうか。穏やかで優雅な第1楽章にも底流には物悲しいものが流れていると思います。またこれ以上美しい音楽は他にないのではないかと思わせられるくらい天国的に美しい第2楽章も、特に独奏クラリネットの旋律が、聴いていて悲しくてなりません。第3楽章でさえ、中間部分が短調のせいもありますが、単純な明るい音楽ではないと思えてくるのです。

どうしてこんなに聴いていて物悲しい思いに囚われるのでしょうか。
クラリネットという楽器のあの独特の音色のせいもあると思いますが、作曲当時のモーツァルトが経済的に困窮し、またわが子の死に直面するなど、生活面ですり減らされていたという精神状態が、そのまま作品に現れたのかもしれません。あるいは天国にいるということは、単純に楽しいばかりでなく、悲しく寂しい側面があるということが示唆されているのかもしれません。

ヴォルフガング・マイヤーとアーノンクール指揮VCMによる古楽器の演奏は、作品の持つ以上のような側面をより際立たせるものだと思います。マイヤーの演奏は端正で、バセット・クラリネットの典雅な音色は味わい深いものです。アーノンクールの演奏は、第3楽章にかつての斬新さが姿を見せますが、全体としては彼の80年代に比べると大人しくなっています。
余談ですが、アーノンクールは80年代には過激すぎると評され、90年代後半以降は、かつての過激さ・斬新さが失われたとして批判されているように思います。どのような批判をするかはその人の自由ですが、彼はずいぶん損な役回りを押し付けられているように思います。
真に芸術的なものはスキャンダラスな目で見られる、とか、三島由紀夫の言にありましたが、なるほど良いことを言うものだ、と思うのです。



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
 アルトゥールさん、おはようございます。モーツァルトの 「 クラリネット協奏曲k.622 」、美しい旋律! アーノンクールの盤は若い方に定評がありますね。実は私のはカール・ベームですので、ちょっと古くて重いかなという感じです。実はこの盤、平成元年に秋葉原で仕入れたもので、本当は 「 フルートとハープのための協奏曲k.299 」 が目的で買ったのですが、その中に入っていたんです。
 仰るように三島由紀夫氏は耽美を愛した作家、彼のエッセイ 「 荒野より 」 だったと思いますが、その中でモーツァルトと谷崎潤一郎を絶賛していました。共に官能的耽美主義ですから・・・
 アルトゥールさんのお蔭で久しぶりにこの盤をラックから取り出しました。「クラリネット〜」「フルートとハープ〜」共に旋律における美の極致(ちょっと大袈裟でしょうか)だと思っています。
 どうも失礼致しました。
my
2008/11/05 12:39
myさん、お久しぶりです!
コメントを頂き有難うございました。
私もベームのクラリネット協奏曲を持っています。私の持っている
のも「フルートとハープのための協奏曲」と一緒になって
います。仰るとおりちょっと重いかなと思います。ベーム
の芸風を楽しむのに良いとは思いますが…。
三島由紀夫のエッセイは、ずばっと核心を突いている、な
るほど、と感心するものが多いですね。彼自身、自分は作
家としてより随筆家としての方が優秀だと語っていたと聞
きます。私は、三島は初期の作品、「潮騒」はもちろん「
愛の渇き」などが好きで、晩年はあまり感心しないのですが…。
myさんのコメントを機に駄文失礼しました!
アルトゥール
2008/11/05 21:41
アルトゥールさん、こんにちは。
モーツァルトのクラリネット協奏曲は本当に素晴らしいですね。
私はベームのその重い演奏をこよなく愛しています。まさに「白鳥の歌」という風情がなんとも言えないと思うのですが・・・
拙ブログでもちょうどその記事を書いたところでした。
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-6bbb.html
ハルくん
URL
2008/11/06 06:08
ハルくんさん、コメントを頂き有難うございます。
実はハルくんさんの記事を拝見して、クラリネット協奏曲
を聴いてみようと思い立ったのです。
ベーム盤ですが、重い上、今となっては古めかしい感がし
ますが、私はけっこう好きでいます。私の世代はモーツァ
ルトといえばベームという世代だったので、当時の印象は
忘れられません。また最近ベームを見直したりしています。
ベルリン・フィルを振った時代のがっちりした演奏に、特
に惹かれるものがあります。
アルトゥール
2008/11/06 18:27
アルトゥールさん、こんばんは。

ベームのモーツァルトは晩年のウイーンフィルとの演奏には私にも遅すぎて付いていけないものも多く有ります。その点では以前のベルリンフィルとの録音のほうが全体的には聴きやすいかもしれません。
しかしあれだけの膨大な量の立派な演奏の録音を残してくれたのにはやはり感謝と敬意の気持ちで聴きかえしたいものだとかねがね思っています。
ハルくん
URL
2008/11/07 00:08
ハルくんさん、コメント有難うございます。
私はベームのモーツァルトは、だんぜんベルリン・フィルの
方が好きです。がちがちにがっちりした演奏ですが、そうい
う個性もあっていいと思います。
ベームはモーツァルト以外にもベートーヴェン、シューベル
ト、ワーグナーやR・シュトラウスなど膨大な録音を残して
くれましたね。私自身、ベームのワーグナー等、まだ聞いた
ことがなく、これからの楽しみだと思っております。
アルトゥール
2008/11/07 18:01
ベームは名演を数え出したらそれこそ切りがないと思います。
しかしすぐに思いつくのは、ウイーンフィル日本公演の「田園」、ウイーン歌劇場日本公演の「フィガロの結婚」(ただしDVD)、バイエルン歌劇場ライブの「フィデリオ」、ウイーンフィルのRシュトラウス「英雄の生涯」あたりでしょうか。
ワグナーはバイロイトの「トリスタンとイゾルデ」は最高です。「指輪」はクナッパーツブッシュの1956〜58年のバイロイトライヴや、最近出たやはりバイロイトのカイルベルト盤には負けますが、やはり素晴らしいと思います。ぜひお聴きになられて下さい。
ハルくん
URL
2008/11/08 10:10
ハルくんさん、コメント有難うございます。
ハルくんさんの挙げられた上記いずれの演奏もまだ
聞いたことがないです。しかしライブに良いものが
ありそうですね。
私はワーグナーは全くの初心者で、「トリスタン」
はC・クライバー、「指輪」はカラヤンしか持って
いないのです。最近カラヤンの「パルジファル」を
聴いて感動したので、カラヤンの「トリタスン」も
入手したいと思っているところです。

最近ベーム/ウィーン・フィルのハイドンを聴いて
なかなか良いじゃんと思いました。ベームのワーグ
ナーもお金が貯まったらまた入手してみます。
アルトゥール
2008/11/08 11:21

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
W・マイヤー/アーノンクールのモーツァルト「クラリネット協奏曲」 クラシック音楽のある毎日/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる