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zoom RSS ゲルハルト・オピッツの演奏会(12月9日)

<<   作成日時 : 2008/12/10 21:58   >>

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昨日12月9日(火)、東京都新宿区の東京オペラシティ・コンサートホールで行われたゲルハルト・オピッツのピアノ・リサイタルに行ってきました。
ぼくはピアノが大好きですが、リサイタルに行くのは久しぶりで、調べてみると2005年12月6日に同じ東京オペラシティでピエール・ロラン=エマールのリサイタルを聴いて以来、3年ぶりのことでした。

オピッツは1953年、ドイツ生まれのピアニストです。現在、ベートーヴェンをレパートリーの中心にしたドイツ・オーストリア系のピアノ音楽を聴かせてくれるという点では、このオピッツは、ルドルフ・ブッフビンダーと双璧なのではないでしょうか。あるいはベーター・レーゼルも合わせて、三羽烏というべきかもかもしれません。

オピッツは、日本でここ数年にわたりベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲の連続演奏会を開いており、昨日はその第7回、ピアノ・ソナタ第27、28、29番の日でした。

ぼくは入場の際に、混乱に見舞われました。ぼくの持っていたチケットが12月26日の第8回の日のものだったのです。係員の方に指摘されて初めて気づきました。

どうしてなのでしょうか? ぼくは9日のコンサートの席を取ったはずで、26日のコンサートは考えもしていなかったのです。予約の電話を入れる際に言い間違えたのでしょうか? しかし9日を26日と言い間違える可能性は低そうで、主催者の発券ミスの可能性が強いのではないでしょうか。チケットを受取った後、全然確認せずに今まで来たぼくにも大いに非はあるのですが。
しかしぐずぐずしている暇はありません。またせっかく東京オペラシティまで来て、何もせずに帰るわけにもいきません。急いで当日券を販売している場所へ行き、幸いセンターブロックの8列目が空いていたので、この師走の出費の多い時期に6,500円の出費は痛いと思いながらも買い求め、席に着きました。
そして、26日は仕事が入っていて行けない恐れがあるので、どうしたものかなどと考えながらオピッツの登場を待ちました。

ところが演奏がすばらしかったのです。
オピッツの演奏は、まず、フォルムを全然崩さないのが良いと思いました。たとえば27番のソナタは、ぼくは7、8年前ラドゥ・ルプーの実演を聴いたことがあるのですが、ルプーが情感豊かに演奏していたのに対し、オピッツは情に流れず、独奏的な解釈を打ち出そうともせず、ひたすら作品に内在する良さを引き出そうとします。
かといって四角四面の演奏ではなく、実に心のこもった演奏なのです。

特に良かったと思うのが、29番「ハンマークラヴィーア・ソナタ」です。この曲は、その巨大性、現代につながる前衛性を強調する演奏も可能だと思うのですが、オピッツはそのような演奏はしません。
早いテンポを取ることにより、あくまでウィーン古典派の作品として捉える演奏をしているようです。
そしてあくまでフォルムを守りながら、緩徐楽章での多彩な表現は見事でした(1日たった今でも、ぼくの頭の中で鳴り響いています)し、第4楽章がまたすばらしかった。同楽章はまさに千変万化、演奏至難な楽章として有名ですが、オピッツの演奏は非常にダイナミックでありながら、どこか淡々としている風情がありました。
コンサート全体を通じて、フォルテッシモがぜったい濁らないテクニックも見事でした。

こうして久しぶりに本物のベートーヴェンを聴いたという感動、満足感に浸りながら家路に着きました。

そして本来行くつもりのなかった26日のソナタ30、31、32番の演奏会が、たいへん楽しみになってきたのです…。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
アルトゥールさま こんばんは

良い演奏会に行かれたようですね。
チケットの日付が異なっていたのは、きっとショックだったでしょうね、チケットぴあの方が間違ったのではないでしょうか?でも、うれしい誤算になったようですね〜。

ベトベンの27,28、29番のプログラム、良い曲ばかりですよね。オピッツさんは、NHKで何度かピアノのレッスンを見ました。説得力のある指導で、指導者としても優れている方なんだなと思いました。

実際の演奏、CDともまだ聴いたことがありません。ピアニストのリサイタルは、二度の来日のゼルキン師のリサイタル以来、もう何十年もリサイタルに行っておりません。演奏会の時間に仕事もある職に就いていますので、なかなか演奏会に行けません。それに、こちらは演奏会をやっても人が入らないとかで、演奏会は本当に少なくなってきています〜、文化も地盤沈下してしまっています、残念ながら;;

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2008/12/10 23:38
rudolf2006さま
コメント有難うございます。

チケットの日付が違っていたのは、本当に嬉しい
誤算でした。但し何かと出費の多い12月にこの
出費は痛いことは痛いですが…。

オピッツは私も、実演はもちろんCDでもこれまで
聴いたことがありませんでした。ただし私の好きな
ケンプの弟子ということで、興味は持っていました。
これを機にHansslerレーベルのベートーヴェン全集
は購入しようかという気持ちさえ起きてきました。

rudolf2006さまはゼルキン師の実演を聴かれたので
すか! それはうらやましい限りです。私は80年
代は貧乏だったり忙しかったりで、ゼルキン師もア
ラウも、カラヤンもバーンスタインも実演を聴かず
じまいに終わりました。

演奏会の状況が寒いのは東京も同様です。オピッツ
の演奏会も相当空席が残っていました。90年代に
比べると良いコンサートは確実に減っていると思い
ます。
ケストラの演奏会はあっても同じようなプログラム
アルトゥール
2008/12/11 11:20
こんにちは、オピッツの演奏会楽しまれたようですね。
お名前を挙げているブッフヒンダーは、私はベートーヴェンのソナタ演奏、特にテンペストで気に入っているピアニストのひとりです。

チケットの日付が違っていたのには驚かれたでしょうけど
思わぬ福音となったようですね。
それにしても、27〜29番とは、羨ましい・・・私の好きな曲ばかりです^^
27番は2楽章のソナタですが、しみじみと味わい深く、いい曲ですよね。
年末には30〜32番も聴きに行かれるのでしょうか?
仕事と重ならないといいですね。

あ、そうそう、以前日記に取り上げられていたコープマンのブランデンブルグ協奏曲、同じCDを買いました。
1曲ずつ、じっくり聴いていきたいと思います。
kei
URL
2008/12/14 08:50
keiさん、
コメント有難うございます。

ブッフビンダーは、私は録音は持っていませんが、実演
は聴いたことがあります。現代で最高のベートーヴェン
弾きの1人だと思います。

27番は、私も大好きです。私は27番とか弦楽四重奏
曲第10番のように、中期の終わりから後期にさしかか
る頃のベートーヴェンに特に惹かれる曲が多いです。
年末の30〜32番は是非聴きに行きたいと思っている
のですが、遅刻して行くことになるかもしれません。

コープマンのブランデンブルク協奏曲、アムステルダム
バロック管弦楽団の音が、柔らかくて澄んでいて古雅で
ともかく良いですね。何回でも聴きたいものです。
アルトゥール
2008/12/14 10:35

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