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zoom RSS ゲルハルト・オピッツの演奏会(12月26日)

<<   作成日時 : 2008/12/27 17:46   >>

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昨日12月26日(金)、東京・初台の東京オペラシティ・コンサートホールで行われたゲルハルト・オピッツのピアノ・リサイタルに行ってきました。

オピッツは1953年、ドイツ生まれのピアニストです。彼は日本で、今年まで4年間、8回にわたるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲の連続演奏会を開いていましたが、昨日がその最終回に当たる第8回でした。

曲目はベートーヴェンの最後の3つのピアノ・ソナタ、第30番作品109、第31番作品110、第32回作品111の3曲でした。

ぼくは今月12月9日に行われた第7回の演奏会(曲目はソナタ第27〜29番)には当初から行く予定でしたが、昨日の第8回に行く予定ではなかったのです。
ところが発券センターまたはぼく自身の手違いにより、9日に続いて2週間あまりで再びオピッツの演奏会に行くことになりました。昨日は夕方に(今年最後の)仕事が入っていたので、開演に遅刻するのでは、と心配していました。
しかし午後6時45分頃、開演の15分前に何とか会場の東京オペラシティ・コンサートホールに到着することができました。

さてオピッツさんの演奏ですが、9日と同様、徹底してフォルムを崩さない、楽譜に忠実であろうという姿勢の演奏でした。厳格、堅固なベートーヴェンです。
感情に流されることは皆無で、自分ではなく楽譜に、各曲に内在するものを語らせようとする演奏です。

好例だったのが、ソナタ32番です。この曲は2楽章構成で、両楽章が動と静、暗と明、深刻と平安というように対照的な性格を持っていることから、その対照性を強調するような演奏も可能です。本ブログで取り上げたブレンデルの録音はそのような演奏だったと思います。
しかしオピッツさんはそのような演出はしません。あくまで楽譜に忠実であろうとする演奏で、第1楽章もそれほど深刻でなく、第2楽章もそれほど平安でありません。悪く言えば一本調子の演奏です。
かといって決して機械的な演奏ではなく、オピッツさんならではの抑制された感情表現を聴くことができたのです。
近年では珍しい、厳格、男性的なベートーヴェンではなかったでしょうか。

9日と同様、若干の演奏ミスはありましたが、個人的にはたいへん満足することができたコンサートでした。中でも、ぼくがベートーヴェンのピアノ・ソナタだけでなくそのすべての作品の中で最も好きな、ソナタ31番作品110を生で聴くことができたのは、大きな喜びでした。

なおアンコールはありませんでした。

コンサート終了後、サイン会に出席したのですが、ベートーヴェンの連続演奏会の最後の日ということもあってか、長蛇の列でした。
ぼくは何にしようか迷った挙句、RCAのグリーグのピアノ・ソロ作品全集にサインしてもらうことにしました。本当はHensllerから出ているベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集にサインしてほしかったのですが、今月は飲食に相当お金を使ってしまったので、自粛したのです。
オピッツさんは、ぼくがサインしてもらった時には、かなりお疲れの様子でした。

サインを見て驚きました。欧米人は(日本人も)サインに個性を出そうとするので、何という文字が書いてあるのかさっぱりわからない場合が多いのですが、オピッツさんのサインは異例なほどはっきりとわかるのです。ファーストネームの大文字のG、オピッツ(Oppitz)の大文字のOと最後のtzははっきり読み取れます。
オピッツさんの律儀な性格がはっきりと現れているようでした。





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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。
ブログを読ませていただきました。46歳、東京都在住の男です。

最近オピッツ氏のベートーヴェン・ピアノソナタのCDを聞いていることもあって、リサイタルをお聞きになった感想を楽しく読みました。第32番 作品111の二つの楽章の対照をことさら強調せず、抑制された感情表現がなされていたことなどが興味深く、今度オピッツ氏のCDで この曲を聞くときには、アルトゥールさんの この感想を意識してみようと思いました。

アンコールがなかったんですね。その理由が私にわかるはずもありませんが、第32番 作品111の第二楽章のすぐあとに別の曲が鳴り始めるというのは考えられないので、アンコールがなくて良かったのではと思いました。あの第二楽章のあとには拍手も邪魔です。しばらく静かに余韻に浸っていたいと思わせる音楽です。

サインについてのお話も印象に残りました。アルトゥールさんがおっしゃるとおりオピッツ氏は律儀な人柄のようですね。
ヤマンド
2010/03/23 16:12
ヤマンドさん
はじめまして。コメントを頂き、有難うございました。
また返事が遅れ、申し訳ありませんでした。

私は今48歳で、ヤマンドさんと同世代です。
オピッツさんのコンサートでアンコールがなかったのは、
32曲全曲を弾きあげて、一つの完成品を創造した、
これ以上何も付け加えることはない、
という気持ちからではないか、と後から思いました。
オピッツさんもコンサートに全精力を出し尽くしたのか、
サインに現れた時はかなりお疲れのようでした。
しかし一人一人に律儀にサインをしてくれ、真面目・律儀
なお人柄がよくわかりました。
アルトゥール
2010/03/25 10:22

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