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zoom RSS スークのベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第10番」

<<   作成日時 : 2008/12/28 21:07   >>

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早いもので、今年も、今日を含めあと4日になってしまいました。昨日の年末がまるで昨日のことのように思い出されます。これも年齢のせいでしょうか。

今日はベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調作品96を鑑賞しました。演奏は、ヨゼフ・スーク(vn)とヤン・パネンカ(p)です。1967年、Supraphonへの録音です。

ベートーヴェンは全部で10曲のヴァイオリン・ソナタを作曲したので、今日聴いたのはその最後の曲だということになります。
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの中では、第5番「春」と第9番「クロイツェル」が傑出して有名なわけですが、この第10番はその前の「クロイツェル」の影に隠れ、今一つ目立たない存在なのではないでしょうか。

ベートーヴェンが「クロイツェル」を作曲したのは、1803年、彼が33歳の時ですが、第10番は実にその9年後、1812年、彼が42歳の時の完成です。したがって第10番は、ヴァイオリン・ソナタの中で1曲だけぽつんと離れて、彼の後期にさしかかろうとする時期に作曲されたことになります。
ぼくは、最近、このヴァイオリン・ソナタ10番のように、ダイナミックでスケールの大きい作風だった中期が終わり、形式にとらわれない自由で深遠な作風の後期にさしかかろうとする時期のk穏やかな作品群を好んで聴いています。交響曲でいうと第8番、弦楽四重奏曲でいうと第10番、ピアノソナタでいうと第26、27番などです。

このヴァイオリン・ソナタ第10番は、急・緩・急・急の4楽章構成という大きな構成を取っています(その前の「クロイツェル」は通常の3楽章構成です)。その上第4楽章が変奏曲形式という、後期の何ものにもとらわれない自由な作風を予感させるような形式になっています。
しかし演奏時間はこのスーク/パネンカ盤で約30分と、「クロイツェル」の約40分より短く、内容も「クロイツェル」よりずっと穏やかに感じられるものです。

第1楽章は、最初から、穏やかでのどかなたたずまいを見せています。
第2楽章はアダージョですが、静かで、ベートーヴェンらしい情感に溢れています。
第3楽章はスケルツォですが、明と暗、喜びと悲しみの対比が見事です。このスケルツォはなかなかの傑作なのではないでしょうか。
第4楽章は、テーマと7つの変奏曲からなりますが、全体としての印象は平穏です。

このように、この第10番は、「クロイツェル」のようなインパクトに欠けるものの、なかなかの佳曲なのではないでしょうか。

スーク/パネンカの演奏は、チェコの名コンビとして有名だった両者によるもので、たとえばオイストラフ/オボーリン盤と比べて、室内楽的な魅力を有すると評されてきたものです。
今日聴いてみると、パネンカの演奏は淡々としたもので、スークの良さを引き出そうとしたもののように聴こえます。これに対して端正な演奏をすることで有名だったスークが、なかなか伸び伸びと弾いています。録音当時30代だったという年齢のせいかもしれません。抑制された柔らかな美音はスークならではのものです。

ぼくはスーク/パネンカのコンビによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集を持っていますが、この第10番の演奏は第5番「春」などと並び、特に出来が良いように思います。



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
アルトゥールさま お早うございます

今年、色々な曲、演奏を教えてくださり、本当にありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

スーク・パネンカの演奏は色々と持っているのですが、ベトベンは持っていません。ヴァイオリン・ソナタをあまり聴かないということもあるかもしれませんが〜。
まだまだ未開拓な分野があります。

今後とも良い曲、素晴らしい演奏をご紹介くださいね〜。
来年もよろしくお願いいたします。

よいお年をお迎えくださいね〜

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2008/12/30 09:47
rudolf2006さま
コメントを頂き有難うございます。

こちらこそ、今年は色々な曲、演奏を教えて頂き
有難うございました。

ベトベンのヴァイオリン・ソナタ、チェロ・ソナタ
は、弦楽四重奏と比べると、見た目も内容も淡白な
のかもしれませんが、良い曲が多いと思います。
スーク/パネンカの室内楽的な演奏、上品で気品が
あって良いですよ!

来年もよろしくお願い申し上げます。
良い年をお迎え下さい。
アルトゥール
2008/12/30 16:47

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