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zoom RSS ブダペスト四重奏団のベートーヴェン「弦楽四重奏曲第10番『ハープ』」

<<   作成日時 : 2009/08/30 15:02   >>

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今日の東京は昨日から涼しくなり、時間帯によっては雨の降る1日です。
衆議院総選挙の日ですが、現時点では投票は順調に進んでいると報道されています。

今日はベートーヴェンの弦楽四重奏曲第10番「ハープ」です。演奏はブダペスト四重奏団、1960年6月の旧CBSへの録音です。

ぼくはこの弦楽四重奏曲第10番が大好きでいます。ベートーヴェンの16曲の弦楽四重奏曲の中では、12番と並んで最も聴く回数の多い曲です。
まず全曲を通じて流れる温和な楽想に魅かれます。春の日だまりのような、教養と心のやさしさを兼ね備えた老人の語り口を聞くような、温かくて穏やかで典雅な楽想です。
室内楽の歴史の中で他にこの作品のような境地に達しているのは、ブラームスの弦楽五重奏曲第1番くらいしか思いつきませんが、どうでしょうか。
ぼくはこの作品を聴いていると、つい心が穏やかになっていくのを感じます。

ベートーヴェンには、この「ハープ」をjはじめ、中期の最後から後期に入る時期にかけて佳作を残しているように思います。ピアノ・ソナタ第26、27番や交響曲第8番がその他の例です。

ブダペストSQの演奏はステレオ時代のもので、彼らの長い活動歴の中で最後年に当たる時期のものです。
今回久しぶりに聴いて、やはり独自の風格のある名演だと思いました。とりわけ第2楽章でゆっくりめのテンポのままテンポを変えず、感情の過剰な移入を排した演奏をしているのは立派だと思います。

ブダペストSQはぼくがクラシックを聴き始めた1970年代後半、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の演奏のスタンダードとされていました。
当時はベーム、カラヤンの交響曲、バックハウスのピアノ・ソナタとピアノ協奏曲、オイストラフ/オボーリンのヴァイオリン・ソナタ、それにブダペストSQの弦楽四重奏曲が、ベートーヴェンを聴くスタンダードとされていました。
ぼくがこの「ハープ」を初めて聴いたのも、ブダペストSQ盤だったと思います。
その後80年代に入ったからスメタナSQがデジダルでの全集録音を完成させ、またアルバン・ベルクSQの全集が登場し、ブダペストSQの地位は相対的に下がっていったように思います。

しかし今回聴いてみて、一世を画しただけのことのある格調の高い演奏だと思いました。「ハープ」に関しては、ズスケSQによる絶対的名演がありますが、ブダペストSQ盤もまた折にふれて聴いてみたいと思いました。


追記 本局に関しては、過去にバルトーク四重奏団による演奏の記事を書いたことがありました。2007年4月20日という古い記事ですが、自己TBします。

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バルトークSQのベートーヴェン「弦楽四重奏曲第10番」
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第10番作品74「ハープ」を、バルトーク弦楽四重奏団の演奏で聴いてみました、録音時期は、ライナーノートには1969年から72年にかけてと記載されているのみで明確ではありません。 ...続きを見る
クラシック音楽のある毎日
2009/09/07 10:36

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
アルトゥールさん、こんばんは!
ブラームスのトリオの件、有り難うございます。今手許には大クラリネット奏者のみでしたので(また、かつてウラッハ盤は聞いたことがあるので)、プリンツ盤を購入しようと思います。
さて、「ハープ」とブラームス弦楽五重奏曲第1番の類似性、なるほどと頷くばかりです。あまり老け込まずに醜くなることなく老成している姿と言えましょうか。
ABQは言うに及ばず「ハープ」を『中期』ど真ん中とする演奏もありますが、なかなかそのようなスタイルでの名演は聞いたことがありません。唯一の例外は、まるで青年の活気を瑞々しく謳歌したようなクリーヴランドくらいと思います。
凛虞
URL
2009/08/30 19:17
凛虞さん、おはようございます!
ブラームスのトリオですが、近年同曲の録音が増えているので
自分の知らない名演があるかもしれません。
「ハープ」もブラームスの弦楽五重奏曲第1番も、心穏やかな
老人を連想してしまいます。しかし「ハープ」を若々しく演奏
するスタイルは見かけません。クリーヴランドSQ、そろそろ
入手しようと思います。ベートーヴェン全集ではワーナーの
エンドリオンSQも興味があり、どちらを優先するか迷って
いるところです。
アルトゥール
2009/08/31 07:43
アルトゥールさま

こんにちは。

ハープ、私も大好きです。
ベートーヴェンのクァルテットに目覚めた曲でもあります。

ちょうど表参道のバングアンドオルフセンでこの曲がかかっていて、
あまりにも美しい冒頭の響きに一目惚れしてしまいました。
店員さんに聴くと「ズスケクァルテットですよ」と教えてくれ、
すぐにCDショップに駆け込んだのを憶えてます。
ここでは100万円以上の再生装置でかけていたので当然かも知れませんが
私のオーディオでも美しい響きを謙虚に聴かせてくれます、

ブダペスト四重奏団は未聴ですので手に入れて聴いてみたいと思います。

ニョッキ
URL
2009/09/01 12:38
ニョッキさん、コメントを頂き有難うございます。

ニョッキさんのベートーヴェンのカルテットとの出会いが、
ズスケ四重奏団の「ハープ」というのは、幸運な出会いだと
思います。ズスケ四重奏団の黒光りのする音色と着実な演奏
スタイルが「ハープ」にぴったり合っていると思います。

ブダペスト四重奏団のベートーヴェンは一世を風靡したもの
ですが、今聴くと時代的な古さを感じさせる曲や部分もある
ように思います。しかし聴き込むうち、独特の風格と味わい深さ
に魅せられていくような演奏です。
私の持っているのは80年代の古いリマスター盤ですが、最近
出た国内盤はもっと音が良くなっているのではないでしょうか。
入手されるだけの価値がきっとあると思います。
アルトゥール
2009/09/02 07:42

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