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zoom RSS ジュリアード四重奏団のベートーヴェン「弦楽四重奏曲第11番『セリオーソ』」

<<   作成日時 : 2009/09/11 19:02   >>

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今日の東京は天気の良い日でした。残暑は日ごとにに穏やかになり、秋に入ったという実感の湧く1日でした。
今日聴いたのは、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」ヘ短調作品95です。
演奏はジュリアード四重奏団で、録音年月は1970年3月18、19日です。同四重奏団は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲を2回録音していますが、今日聴いたのは初回の録音です。

本録音当時のジュリアード四重奏団のメンバーは、ロバート・マン(第1vn)、アール・カーリス(第2vn)、サミュエル・ローズ(va)、クラウス・アダム(vc)の4人でした。同四重奏団は前年に、ヴィオラがラファエル・ヒリヤーからローズに交代しており、交代した直後の録音だということになります。

さて弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」ですが、これはベートーヴェンの16曲の弦楽四重奏曲の中の異色作です。16曲の中で作品の規模はもっとも小さいのですが、凝集度は最も高いのではないでしょうか。

第1楽章はダイナミックな力感あふれる楽章です。ベートーヴェンの内心の激情の吐露なのかもしれません。
第2楽章は緩徐楽章ですが、たいへん内省的で、切れ目なく第3楽章に続きます。
第3楽章はスケルツォですが、ベートーヴェンがセリオーソ(厳粛に)という指定をした楽章です。舞曲風の旋律から美しいトリオに変じます。
第4楽章は流麗なロンドから、最後は激しく高揚します。

この曲をどのように考えるかですが、両端楽章はベートーヴェンの激情の現れであり、それに内包されて第2、3楽章で、作曲当時の深刻で内省的な心情が綴られていると考えるべきではないでしょうか。そして、深刻な内面から発せられた激情が、両端楽章に向かって放射されているのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

本曲はたいへん凝集度が高く、このようは弦楽四重奏曲はベートーヴェンより以前には現れず、ベートーヴェンの後も、シューベルトらロマン派を通り越して、ラヴェルや新ウィーン楽派、それにバルトークの弦楽四重奏曲まで存在しないように思います。その意味で、たいへん前衛的で、音楽の未来を予見したかのような作品とは言えるのではないでしょうか。

ジュリアード四重奏団の演奏は、終始早いテンポで、熱気あふれるダイナミックなものです。「セリオーソ」のニックネームにふさわしく厳格な演奏です。厳しいという点ではこの上ないですが、個人的にはもう少しゆとりのある演奏の方がよいように思います。中間の第2、3楽章ではもう少し落ち着いた表情を見せてもよいのではないでしょうか。

しかしこの点は、録音された70年当時のジュリアードSQの持ち味なのでしょう。全曲通じて、熱気と厳しさ、そしてそれと裏腹なすっきり感で貫かれた立派な演奏だと思います。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
アルトゥールさま お早うございます

前回の記事、今回の記事、いずれも良い曲を取り上げておられて、連続してコメントさせていただいています。

ベトベンの「セリオーソ」 私も大好きです。昨日も、この記事を読んでから、ジュリアード四重奏団の旧録音、聴いてみました。大昔、高校生の頃にLPで、ジュリアードの旧録音のベトベンの全集を買って以来、長く聴いています。

この「セリオーソ」アルトゥールさんが書かれているように、ベトベンの弦楽四重奏曲の世界の中にありながらも、それを越えていってしまっている感がありますね〜。私もそんな風に感じます。私は後期のカルテットを聴くことが多いですが、その次は、この「セリオーソ」と「ハープ」を選ぶことが多いです。
アルトゥールさんが書かれていること、他の曲を聴く際に参考にしたいと思っています。

ジュリアードの演奏は、旧録音の方が凝集力の強い演奏になっているような気もしますね、というか、あの音が刷り込みになっています。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2009/09/12 09:26
rudolf2006さま
コメントを頂き、有難うございます。
また拙ブログを参考にしていただき、有難うございます。

ベトベンの弦楽四重奏曲というと、最近は中期よりも後期にスポット
が当たるようになりましたね。私が聞き始めた頃は後期は難解とされ、
中期の方が一般的な方にはよく聴かれていたと思いますが…。
私はベトベンの中期・後期はどの曲も大好きです。聞く回数は10番と
12番が多いと思います。
「セリオーソ」は中期の作品とされていますが、後期をも越えていって
しまったような独自の魅力のある作品だと思います。

ジュリアードの旧盤ですが、魅力を感じる方が多いのは分かります。
初期やラズモフスキー3曲は私もすごくいいと思いますが、後期やこの
「セリオーソ」ではもう一つ味わい深さのようなものがほしい気がして
います。
アルトゥール
2009/09/12 10:59

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