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zoom RSS シュナーベルのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番『皇帝』」

<<   作成日時 : 2010/01/09 18:12   >>

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今日1月9日は3連休の初日でしたが、冬晴れの好天気に恵まれました。
今日はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」変ホ長調作品73を聴きました。
演奏は、アルトゥール・シュナーベル(p)と、アルチェオ・ガリエラ指揮フィルハーモニア管弦楽団です。1947年5月の録音です。

最近、ブログ仲間の間でシュナーベルが注目を集めているようです。シュナーベルのシューベルトが評判が高いようですが、ぼくはシュナーベルの録音はベートーヴェンしか持っていません。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集とピアノ協奏曲全集が、ぼくの持っているシュナーベルの録音の全てです。
そこで、堂々としていて、年明けにふさわしい曲想だと思われるベートーヴェン「皇帝」を聴いてみることにしたのです。

この「皇帝」はベートーヴェン中期のいわゆる「傑作の森」を代表する作品であり、古今のあらゆるピアノ協奏曲の中で「王様」の座を与えられるのにふさわしい名作です(個人的には、「皇帝」よりもピアノ協奏曲の「女王」の座を与えられるべきシューマンのピアノ協奏曲の好きで、またベートーヴェンのピアノ協奏曲の中では5番「皇帝」よりも4番の方に魅力を感じるのですが、これは全くの余談です)。
威風堂々とした重厚な第1楽章、リリシズムが溢れ安らぎの感じられる第2楽章(個人的には、全3楽章の中でこの第2楽章に最も魅力を感じます)、華麗でダイナミックな第3楽章と、各楽章の性格ががらっと違います。
それでいて、当然のことかもしれませんが、どこか一貫したものも感じます。ベートーヴェン円熟期の気迫、情熱、そして高貴な精神性のようなものかもしれません。

さてシュナーベルの演奏ですが、これが素晴らしいものです。シュナーベルというと古いピアニストというイメージがありますが、今日聴くと古さは全く感じられません。フレッシュで、明快な、現代的な演奏です。
それでいて、時々はっとさせられるような美しい表情を見せます。とりわけ第2楽章はそのような感が強いです。
本録音は戦後の録音で、シュナーベル(1882−1951)65歳という晩年の演奏だということになりますが、年齢をまるで感じさせない若々しい演奏です。
シュナーベルより2歳年下で、ベートーヴェンの大家として有名なバックハウスは、「皇帝」ではテンポをゆっくり目に取った堂々とした演奏をしていました。シュナーベルは、バックハウスとはちょうど正反対の演奏をしているのです。
ガリエラ指揮フィルハーモニア管のバックは伴奏に止まっていて特に個性は感じられませんが、シュナーベルのすばらしい演奏を際立たせるために、そのことがかえってプラスに働いているかもしれません。

ぼくは「皇帝」の録音は、このシュナーベル盤の他にアシュケナージ/メータ、バックハウス/S=イッセルシュテット、ブレンデル/レヴァイン、ギーゼキング/カラヤン、グルダ/シュタイン、ケンプ/ライトナーと持っていますが(他にも持っていると思います)、マイ・ベストはシュナーベルです。

戦後間もない時期、バックハウス、ギーゼキング、ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、それにシュナーベルが世界の5大ピアニストと称されていたという話を読んだことがあります。この中でシュナーベルは、現在、ダントツで忘れられた存在になっているように思います。それは亡くなったのが1951年と5人の中で最も早く、LP時代に入る前に病没してしまったため、録音の量が5人の中で著しく少ないせいではないでしょうか。
69歳で亡くなったわけですから決して若死ではないのですが、LP時代の録音全盛期に入る前に亡くなったのは、運が悪かったと思わざるを得ません。

シュナーベルの録音は、ぼくは、前述のようにベートーヴェンしか持っていないので、今年はシューベルト等も聴いていきたいと思っています。


追記 本曲については、過去にケンプ盤の記事を書いたことがあるので、その時の記事を自己TBしました。



ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」/チェロ・ソナタ第2番(シュナーベル)(1932)
Naxos Historical
ベートーヴェン

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ケンプ ベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」
今日は「冬晴れ」という言葉がぴったりする好天気だった。こういう日にベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」の堂々とした曲調はふさわしいのではないだろうか。そう思ってこの曲を聴いてみた。演奏は、ピアノがヴィルヘルム・ケンプ、オーケストラがフェルディナント・ライトナー指揮ベルリン・フィルである。録音は1961年7月。ケンプは、ドイツ・オーストラリア系のピアノ音楽なら1にケンプ、2にブレンデルというくらい、ぼくの好きなピアニストだ。 ...続きを見る
クラシック音楽のある毎日
2010/01/09 22:02

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
アルトゥールさま お早うございます〜

3連休でしょうか、私は毎日働いております、働けることに喜びを感じております。

シュナーベル、本当に素晴らしいピアニストですよね〜。ベトベンの「皇帝」はストック指揮シカゴ響の演奏を持っています。確かブログでも書いたと思います。全曲盤はまだ未聴です。最近、モツアルトのピアノ・コンチェルトのCDも入手しました。これもまた素晴らしいもので、しかも録音がかなり良いです〜。

シュナーベルの音楽、仰っているようにまったく古くなっていないというか、今聴くと、非常に新しい音楽であるかのように感じますね〜。1930年代にこんな素晴らしいピアニストがいたことに驚いています〜。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
2010/01/10 08:28
おお、シュナーベル大好きです。そもそも、SP時代の
「熱情」ソナタがきっかけでした。
CDでソナタ全集は持っているのですが、協奏曲の方は
一番と四番しかありません。
それにシューベルトもいいそうですね。
是非これらのディスクをゲットしなくてはいけませんね(^。^)。
crest
2010/01/10 10:58
アルトゥールさん、こんにちは。

「皇帝」は新年に相応しいですね。僕も聴き初めを「新世界より」とどちらかにしようかと思ったほどです。さて演奏は、やはりバックハウスが好きですが、他にもアラウ/デイヴィス、ゼルキン/クーベリック、ミケランジェリ/ジュリーニ、ホロヴィッツ/ライナーなど良いもの面白いものが有りますね。個人的には堂々とした大家風が好きです。指揮だけ堂々としているカーゾン/クナッパーツブッシュなんてユニークなものも有りましたっけ。シュナーベルは残念ながら聞いたことがありません。
ハルくん
2010/01/10 15:15
rudokf2006さま
いつもコメントを頂き、有難うございます。
また、お仕事お疲れ様です。

シュナーベルは世界で最初にベトベンのピアノソナタ全集を
完成させたピアニストなので、私の中ではシュナーベル・イ
コール・ベトベンのようなイメージがありました。それで、
今日までシュナーベルのモツァルトやシュベルトは聴かずじ
まいできました。rudolf2006さまのご紹介のあったEMIの
BOXはぜひ入手したいと思っています。
シュナーベル、rudolf2006さまの仰るように、古いどころか
すごく新鮮感がありますよね。
アルトゥール
2010/01/10 21:05
crestさま
コメントを頂き、有難うございます。
シュナーベルのベートーヴェンのソナタ全集、
良かったですね。
とりわけ後期ソナタは名演だったと思います。
協奏曲の方も、指揮者が統一されていないという難がありますが、
シュナーベルのすばらしいピアニズムを楽しむことができますよ!

シューベルトは、私は、以前新星堂から復刻盤が出た時、
手が伸びながらも買い逃してしまいました。
これからの楽しみです。


アルトゥール
2010/01/10 21:28
ハルくんさま
コメントを頂き、有難うございます。
アラウ/デイヴィス、ゼルキン/クーベリック…。この辺は
私も興味があります。ただし、新しい録音も聴いてみたい
という気持ちから、次買うとすれば、キーシン/デイヴィス
にすると思いますが…。
バックハウスのような大家風の演奏が好きな方には、シュナー
ベルは、ひょっとしたらお気に召さないかもしれません。
シュナーベルは年を取っても若々しく健康的ですから。ですが、
そういう個性は、他にはなかなか見当たらないように思うんですよ。

アルトゥール
2010/01/10 21:35

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