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zoom RSS ペーター・レーゼルの演奏会(10月2日)

<<   作成日時 : 2010/10/02 21:40   >>

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今日10月2日(土)午後3時から東京都千代田区の紀尾井ホールで行われた、ペーター・レーゼルのピアノ・リサイタルに入ってきました。

ペーター・レーゼルは、1945年旧東ドイツのドレスデンで生まれたピアニストです。
旧東ドイツ時代は、ドイツ・シャルプラッテン・レーベルに多数の録音を残しました。
ベルリンの壁が崩壊した後、あまり名前を聞かなくなった印象がありましたが、2007年東京で開いたリサイタルが絶賛され、2008年以降、今日行った紀尾井ホールでベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会を開いています。

今日はその第5回目で、次のようなプログラムでした。

 ピアノ・ソナタ第22番へ長調
 ピアノ・ソナタ第3番ハ長調
 (休憩)
 ピアノ・ソナタ第15番ニ長調「田園」
 ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調「告別」

さて最初のソナタ22番ですが、この21番「ワルトシュタイン」と23番「熱情」にはさまれた2楽章形式のソナタは、ベートーヴェンの32曲のソナタの中でも最も目立たない存在の1つなのではないでしょうか。
しかしレーゼルの手にかかると、幻想性とベートーヴェンらしい構築性を兼ね備えた魅力的な曲に聴こえてきます。曲の真価を明らかにする名演でした。

次の3番は青年期のベートーヴェンらしい覇気にあふれた4楽章形式のスケールの大きいソナタですが、レーゼルの演奏は、曲の若々しさ・瑞々しさと雄大さをよく表現していたと思います。

休憩ははさんで演奏された15番「田園」はぼくのたいへん好きな曲です。ベートーヴェンは「田園交響曲」も作曲していますが、ぼくは田園交響曲よりも田園ソナタの方が好きなくらいです。
この曲はテンポをゆっくりして情感をこめた演奏をすることも可能ですが、レーゼルの演奏は情に流されず、フォルムを維持した端正な演奏を心掛けているようでした。緩徐楽章など、淡々と演奏しているように聞こえました。

最後の「告別ソナタ」は急・緩・急という楽章ごとの性格を心掛けたメリハリのきいた演奏でした。この最後の告別ソナタが、今日一番の出来だったのではないでしょうか。

レーゼルの演奏は、オーソドックスなスタイルで、非常に真摯に演奏していることが実感できる演奏でした。ひたすら作品の真実を探求しようとするもので、わざとらしい点は微塵もなく、真の芸術とはどういうものかを教えてくれたような気がします。
来年でベートーヴェンのソナタ全曲演奏会は完結するわけですが、来年もぜひ聴きにきたいと思いました。

なおピアノのリサイタルに行くのは、今年は4月のティル・フェルナー、6月の小山実稚恵さんについで今年は3回目のことでした。1年に3回もピアノを聴きに行くのは、この10年くらいなかったことのように思います。




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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
私は、14日のリサイタル、9日のコンツェルト、4日のマスタークラスを聴いてきました。リサイタル、コンツェルトは素晴らしかったし、マスタークラスでは、ペーター・レーゼルの言葉はこうだけども、ゲルハルト・オピッツにらどうだっただろうか、と考えつつ、重い楽譜を抱えつつ聞いていました。
22日、新日フィルの定期演奏会はラドゥ・ルプーが急病でキャンセルとなったため、ペーター・レーゼルに変わりました。この時も聴きに行きました。ただ、紀尾井ホールでの演奏がよかったなという気がしました。それでも、私のように紀尾井ホールへ行った人たちも来ていたようですね。
ズッチャン
2010/12/07 14:18
こんにちは。大阪在住なのでこの演奏会には行けませんでしたが、同じ曲目のCDを聴いてます。(大阪でもリサイタルをして欲しいものです)

全集は順次リリース中なので、今はCDを4枚持ってますが、いずれも素晴らしく良いですね。
久しぶりに正攻法で堂々としたベートーヴェンを聴きました。
木質感の暖かみと透明感の両方がある音が綺麗ですし、色彩感や細部の繊細さに拘泥することがないので、表情の変化も自然なのですが、とても豊かに感じます。(これを地味とか、素っ気ないと感じる人もいるようですが)
レーゼルらしい充実した和音の響きやアルベジオの美しさ、それに音楽の流れがとても滑らかで、どこにも過不足がないように思えます。

”真摯”な演奏って、こういう演奏を言うのですね。
聴けば聴くほど惚れ惚れします。
私のベートーヴェンの理想的なイメージにぴったりでした。
yoshimi
2011/04/04 18:17
yoshimiさん
はじめまして。
コメントを頂きまして、ありがとうございます。
レーゼルの実演を聴くのは昨年が初めてでしたが、仰るとおり正攻法、
本格的な、真摯なベートーヴェンだったと思います。
こういう何の気も衒いもない演奏こそが、高い芸術なのではないでしょうか。
いろいろと新味を出そうとしている演奏家よりも一段と高いレベルに
いるような気がします。

日本でのベートーヴェン・シリーズは、今秋が最後のはずです。
今年も行って、CDを買って、サインをもらおうと思っています。
アルトゥール
2011/04/04 21:36

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