クラシック音楽のある毎日

アクセスカウンタ

zoom RSS アラウのシューベルト「3つのピアノ曲D946」

<<   作成日時 : 2011/05/30 19:31   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 5 / トラックバック 0 / コメント 2

今日の東京は午前の遅い時間に雨が降り止み、午後には何日ぶりかで晴れ間をのぞくことができました。

昨日に続き今日もシューベルトのピアノ曲を鑑賞しました。
クラウディオ・アラウの演奏する「3つのピアノ曲D946」です。1990年11月の録音です。現在アラウのシューベルト・ボックスの中に含まれている録音です。

ぼくは今年の2月15日、アンドラーシュ・シフのシューベルトの小品ばかりを演奏したリサイタルに行きました。何年に1回しか出会えないだろうすばらしいリサイタルでしたが、その中で開眼した作品に「3つのピアノ曲D946」があります。
シューベルトのピアノ小品というと、D899とD935の2組の「即興曲」とD790の「楽興の時」が有名ですが、「3つのピアノ曲D946」は知名度において、これらに劣ります。
ぼく自身はというと、ずっと、D946は第2曲の夢幻的なメロディの美しさは素晴らしいものの、第1曲と第3曲が落ちるように思っていました。
しかしシフの実演を聴いて、荒野を駆け抜けるような緊迫した第1曲に魅力を感じたのです。

今日アラウの演奏を聴いていると、第1曲はアラウらしいゆっくりテンポの上、通常と異なる長い稿を弾いているため、14分47分という長さになっています。弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」の世界を思わせる、長くて暗く、緊張感のある曲想は、最晩年のシューベルトならでは、と感じました。

第2曲は第1曲よりさらに長いのですが(アラウ盤で15分を超えています)、夢を見るような歌謡的な美しい作品です。
この曲はぼくは初めて聴いた時(80年代後半のポリーニ盤でだったような記憶があります)以来、ずっと好きでいます。

一転して闊達な第3曲も決して凡作ではないでしょう。

アラウは1991年5月に88歳で亡くなったので、本録音は文字通り最晩年の演奏です。いわゆる「ファイナル・セッションズ」の中の1枚です。
ぼくはアラウについて、ベートーヴェン、ブラームス、リストはすばらしいものの、モーツァルトやシューベルトには向いていないピアニストのように感じていました(余談ですが、これと好対照なのが冒頭のシフです。シフはモーツァルト、シューベルトはすばらしいものの、ベートーヴェンには向いていないように思います)。
この考えはこのファイナル・セッションズを聴いていも変わりませんでした。
無骨といってもいいくらい素朴な演奏スタイルで、シューベルトの歌謡的な美しさと様式的に合わないように思います。
しかし、90年近い一生をピアノ一筋に生きてきた巨匠アラウが、最晩年にシューベルトと向き合い、シューベルト作品を心から愛して、本当に実直に謙虚に演奏している姿勢がそのまま伝わってきます。
聴いていて感動せずにはいられません。
スタンダードという点からはほど遠い演奏ですが、時々は聴きたい「大名演」だと思います。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 5
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
アルトゥールさま お早うございます〜

お久しぶりです、「いずれ読みたい本」なるほどなと思っています、あまりお薦めしないのは、ヘーゲルです、爆〜。あの翻訳は酷すぎます、原文とは相当に違いますね〜。「精神現象学」というタイトルもお定まりになっていますが、「精神は如何に現象するか」という意味です、ちょっと余計なことを書きました〜。

アラウのシュベルト、持っているのですが、どうしてもケンプフ、シュナーベルなどを聴いてしまいます、上で挙げられている小品、記憶がないので、この休みにしっかりと聴いてみますね〜

▼・。・▼
rudolf2006
2011/06/03 04:39
rudolf2006さま
コメントを頂き、有難うございます。
ヘーゲルの著作は90年代後半から長谷川宏さんという方が精力的に翻訳され、
日本語として読めるようになったと聞いたことがあるので、
僕も一度読んでみたいと思ったのですが、
意訳のしすぎなんですかね〜。

僕もシュベルトといえばまずケンプフで、次がルプーかなと思いますが、
アラウのシュベルトも、アラウならではの実直な良さがあると思うんですよ。
ぜひ聞いてみてくださいね。

政界はまるで子供のけんかのようになってきましたね(泣)。
アルトゥール
2011/06/03 18:53

コメントする help

ニックネーム
本 文
アラウのシューベルト「3つのピアノ曲D946」 クラシック音楽のある毎日/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる