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zoom RSS パヴェル・ハース・クァルテットの演奏会(12月7日)

<<   作成日時 : 2016/12/10 17:20   >>

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今週12月7日(水)、東京・文京区のトッパン・ホールで行われたパヴェル・ハース・クァルテットの演奏会を聴きに行ってきました。

パヴェル・ハース・クァルテットは、チェコの比較的若い弦楽四重奏団です。メンバーは、ヴェロニカ・ヤルツコヴァ(第1vn)、マレク・ツヴィベル(第2vn)、ラディム・セドミドブスキ(va)、ぺテル・ヤルシェク(vc)の4人です。第1vnのヤルツコヴァのみ女性で、あとは男性です。
この中でヴィオラのセドミドブスキは、パヴェル・ハース・クァルテットの創設以来ヴィオラを担当していたパヴェル・ニクルが近親者の重病のため退団したので、今年3月より同クァルテットに加わったとのことです。
プログラムによると、パヴェル・クァルテットは、2006、2009、2011年に次ぐ4回目の来日だとのことです。管理人は2011年の来日公演に行っており、同クァルテットを生で聴くのは2回目だということになります。

プログラムは次の通りでした。

 ペルト: フラトレス
 バルトーク: 弦楽四重奏曲第5番
 (中休み)
 スメタナ: 弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」

パヴェル・ハース・クァルテットの面々が入場し、着席して驚いたことがあります。第1vnのヤルコツヴァが、向かって左から2人目の内側に着席したのです。
ぼくは室内楽が好きなので弦楽四重奏団の演奏会は、よく行っている方ですが、第1vnが内側に着席するというのは見たことがなく、驚きました。
しかし最初のペルト「フラトレス」が始まってみて理由がわかりました。第1vnの声部をツヴィベルが演奏し、第2vnの声部をヤルツコヴァが演奏しているのです。
とすると、パヴェル・ハース・クァルテットは、曲によって第1vnと第2vnが交代するエマーソン四重奏団のようなスタイルを取っているのか、と思いました。しかし続くバルトークでスメタナでは、ヤルツコヴァが第1vn、ツヴィべルが第2vnだったので、第1vnと第2vnが曲によって交代するスタイルではなく、ペルト「フラトレス」の場合のみ、何らかの理由で試験的に第1vnと第2vnが交代したのではないかと思いました。
なお、ヴィオラとチェロは、チェロが内側で、向かっていちばん右がヴィオラでした。

さて曲の方ですが、ペルト「フラトレス」は、ぼくはECMレーベルから1980年代末頃に出た「タブラ・ラサ アルヴォ・ペルトの世界」というCDの中に収録されていたので、聴いたことのある曲でした。しかし同CDではオーケストラで演奏されているので、弦楽四重奏で聴くのは初めてだということになります。
パヴェル・ハース・クァルテットのこれまでの演奏・録音は、ドヴォルザーク、ヤナーチェク、その名を頂いたパヴェル・ハースとお国物のチェコの作品が多かったように思いますが、今後ペルトのような現代音楽をもレパートリーに加えようとしているのかもしれません。
曲自体は、聴いてみて、ペルトらしい静かで東洋的な雰囲気の感じられる傑作だと思いました。

次のバルトークの弦楽四重奏曲第5番は、急・緩・急・緩・急のシンメトリーな構成を取り、ハンガリーの民族的要素と前衛性を合わせ持った傑作だと思います。バルトークの全作品中屈指の傑作と言っても過言ではないと思います。
パヴェル・ハース・クァルテットの演奏は、早めのテンポで、若々しく激烈な演奏で、曲の前衛性を強調した演奏のように思いました。ただ個人的には、もう少し穏やかに演奏してほしかったと思いました。

最後のスメタナの弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」は、周知のように、スメタナが不治の病に取り付かれた後弦楽四重奏の形式で自らの生涯を現わそうとした、有名な作品です。
パヴェル・ハース・クァルテットの演奏は、ここでもダイナミックで、他方チェコの民族的要素はあまり重視していないように思いました。終楽章のチェコの民族的な旋律はさすがに上手でした。

アンコールは、ドヴォルザーク「ワルツ」でした。

パヴェル・ハース・クァルテットは、数々の受賞歴で分かるように、弦の国チェコが生んだ、新しく優秀なクァルテットです。
チェロのヤルシェクをはじめ各奏者の力量は高く、アンサンブルの精度は申し分ありません。同クァルテットの面々は、あのスメタナ四重奏団のヴィオリストだったミラン・シュカンパに師事したとのことです。しかしスメタナ四重奏団とは、第1vnが主導するのではなくアンサンブルとして聴かせるという共通点はあるものの、それ以外は共通点はない、と感じました。スメタナ四重奏団と言えば落ち着いて細部を練り上げた演奏スタイルでしたが、パヴェル・ハース・クァルテットは若々しくダイナミックです。
ただ同クァルテットが今後も同じ路線で行くのかどうかは、あと3〜5年程度待って見極める必要があるのでしょうか。逆に言えば、次回の来日公演が楽しみだということです。

弦の国チェコからは、これまで様々な優秀な弦楽四重奏団が生まれています。パヴェル・ハース・クァルテットの演奏を聴いて、落ち着いた真摯な演奏をしていたスメタナ四重奏団や、繊細で民族色豊かだったヴラフ四重奏団など往年の名カルテットのことを思い出して、いろいろと感慨にふけったりしました。

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