岩井克人「資本主義から市民主義へ」(新書館)

岩井克人(聞き手=三浦雅士)「資本主義から市民主義へ」(新書館)という本を読んだ。結論からいうと、すばらしい、いや、ものすごい本だと思った。2003年に岩井教授の「会社はこれからどうなるのか」(平凡社)が出た時は5年に1度の名著だと思ったが、「資本主義から市民主義へ」もこれに匹敵する。

本書は、貨幣論、資本主義論、法人論、信任論、市民社会論、人間論の全6章からなる。だいたい前半で、岩井教授のこれまでの著作で表された思想について三浦氏により問題点が質され、岩井教授がこれに答える。ぼくは岩井教授のこれまでの著作で読み落としていた点があったことにいろいろ気づいた。
そして、人間とは「言語を語り、法にしたがい、貨幣を使う動物」であるという岩井教授の思想が開陳される。言語・法・貨幣という3つのキーワードが現れる。そして法においても貨幣においても信任すなわち倫理が必要だという。倫理というもう一つのキーワードが現れる。そして国家と資本主義を補完するものとしての市民主義という思想が登場する。そして岩井教授が長年あたためていた最終的な思想が暗示されていく。構築されていく真理と発見される真理が区別されるとか、カントの定言命法への着目などは目のさめる思いがした。

ともかくぼくは知的興奮のあまりあっという間に読み終えた。三浦氏のインタビューが良い。自らの言説をさりげなく述べながら、巧みに岩井教授の考え方を引き出している。

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