カザルスのベートーヴェン「チェロ・ソナタ第2・3番」

今日は好天に恵まれ、「秋晴れ」という言葉を絵に描いたような一日だった。チェロはやっぱり秋が似合う。特にベートーヴェンの大傑作・チェロ・ソナタ第3番のような堂々とした曲は、今日のような秋晴れの日にちょうど良いのではないだろうか。そう思ってベートーヴェンのチェロ・ソナタ第2番と第3番を聴いてみた。演奏は、チェロはパブロ・カザルス、ピアノは第2番がミエチスラフ・ホルショフスキー、第3番がオットー・シュルホフ。前者が1939年、後者が1930年とともにSP時代の録音である。

まず第2番は、第1番とともに、ベートーヴェンの5曲あるチェロ・ソナタの中では人気のない存在かもしれない。しかし作品5という番号からもわかるように、ベートーヴェンの青年時代、まだ20歳代のときに作品であり、青年らしく明快であるともに叙情性も漂っている中々良い曲だと思う。2楽章編成という特異性がある。
第3番は、いうまでもなく古今のあらゆるチェロ・ソナタの中でも最高傑作だといわれる作品であり、ぼく自身もそう思う。ぼくはこの曲を10代の頃から25年以上ずっと愛聴してきた。力強く堂々とした風格の漂う名曲だ。力強いチェロとそれに応えるピアノという出だしから惹きつけられるし、第2楽章・第3楽章ともチェロとピアノのやり取りがすばらしい。

カザルスの演奏はもちろん録音状態はよくないが、そんなことは超越してしまった名演だと思う。ノン・ヴィブラート奏法で力強く堂々としていて、風格が感じられる。音が暗いとか音色の変化に乏しいといった批判も可能かもしれないが、そんなことはどうでもいいというくらいオーラが感じられるのだ。ぼくのようにカザルスに惚れ込んでしまうと、ロストロポーヴィチも、ヨーヨー・マ、マイスキーも物足りなくなってしまう。ピアノのホルショフスキーとシュルホフが自己主張をせず、「カザルスの伴奏」という立場に徹しているのも良い。歴史的な名演奏だと思う。

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