城繁幸「若者はなぜ3年で辞めるのか?」(光文社)

城繁幸「若者はなぜ3年で辞めるのか?」(光文社新書)という本が話題になっているようなので読んでみた。著者の城氏は富士通の出身で、同社が新人事制度を発足させる時に実際に業務に携わった経験の持ち主とのことである。

本書を読んでみてぼくが感じたのは、現在の日本の雇用環境、特に年功序列制度に対する若年層からの怒りの書だということだ。
冒頭に大卒新人の30%以上が就職後3年以内に離職しているというタイトル通りのデータが挙げられる。そしてそれは当然のことだと著者はいう。なぜなら、ほとんどの会社で採用されている年功序列制度は会社がこれから成長していくことを前提にしたもので、バブル崩壊後そのような前提が崩れ会社内でのポストが減少するという状況の下では、同じ会社で働き続けても、現在の中高年層のように順繰りにポストが得られることはなくなったからだ。その結果、会社内の若年層はいつまでも下働き的な仕事を続けさせる可能性が高くなったという。そして著者の矛先は、派遣社員を容易にしたり年金問題を放置した国にも向けられる。

非常に読みやすい本であっという間に読み終わった。ぼくは元々会社員だった(1980年代半ばのバブル時代に就職した)ので、現在の若年層が抱えている閉塞感のようなものは理解できるような気がする。本書は、外資系企業を賛美しすぎているのと、文章が感情に流されがちな点に難がある。しかし、雇用問題に関する本の多くは自身は雇用と無縁な学者が書いたケースが多い。本書はまさにこの問題に直面している若者の声を代弁したものとして強く印象に残った。

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  • 若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来/城繁幸

    Excerpt: 若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来/城繁幸 若者が3年で辞めるのは若者の側に問題があるのかと思っていたらどうやら違うようです。 Weblog: 仮想本棚&電脳日記 racked: 2006-11-17 22:39
  • 『若者はなぜ3年で辞めるのか?』

    Excerpt: http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334033709 本日の一冊は、大ベストセラーとなった『内側から見た富士通「成 果主義」の崩壊』の著者、城繁幸さ.. Weblog: 「ビジネス・ブック・マラソン」 バックナンバーズ racked: 2006-12-08 10:13