ワルターのモーツァルト「交響曲第35・36番」

今年に入ってからモーツァルトをあまり聴いていなかった。そこで交響曲第35番「ハフナー」と第36番「リンツ」を聴いてみた。演奏はブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団で、録音は両曲とも1960年2月である。自分がワルターの演奏を聴くのは久しぶりのような気がする。

第35番「ハフナー」は、明るく輝かしい第1楽章で始まる。第2楽章は一転して落ち着いている。第3楽章はメヌエットで、静かでのどかな感じがする。ハイドンの音楽を聴いているようだ。第4楽章はプレストでまた一転して勢いがある。
第36番「リンツ」の第1楽章は、風変わりな冒頭で始まるがやがて明るく勢いのある曲想へと変わる。ぼくはこの楽章が好きだ。交響曲第41番「ジュピター」の第1楽章を思わせるものがある。第2楽章はアダージョだが、晴朗で伸びやかな感じがする。第3楽章は、「ハフナー」と同様メヌエットでのどかだ。オーストリア・アルプスの美しい風景を思わせる。第4楽章も同様にプレストで勢いがよいが、途中で短調に転調したり晴朗な部分もある。
「ハフナー」も「リンツ」も、後期6大交響曲と言われるだけあって、内容の充実した良い曲だと思う。モーツァルトは「リンツ」をたったの4日で作曲したと伝えられているが、信じられないようなエピソードだ。

ワルターの演奏はよく柔和とか形容されるが、今日聞いてみると、昔懐かしの演奏だと思った。良くも悪くも、昔はこういう演奏が普通だったのだ。中庸の良さのようなものを感じる。ワルターの晩年の演奏というとコロンビア響の実力不足を指摘されることが多いが、上手ければそれで良いというものではないし、これはこれでいいのではないかと思う。今後も折に触れて聴きたい演奏だ。

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