リストの「巡礼の年第2年 イタリア」

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リストの「巡礼の年第2年 イタリア」を聴いてみた。演奏はアルフレッド・ブレンデル、1986年3月の録音である。この曲はリスト晩年の曲で、ブレンデル自身の言によるとロ短調ソナタに次ぐリストの傑作だという。

この「巡礼の年第2年 イタリア」は標題の付いた7つの曲から成っている。第1曲「婚礼」は静かな流れるような曲だ。現代のような華やかな結婚式ではなく、ヨーロッパの田舎の教会での、素朴な祈りに包まれた結婚式を思わせる。第2曲「もの思いに沈む人」はその名の通り静かな曲だ。第3曲「サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ」は、一転して明るく弾むような曲。第4曲「ペトラルカのソネット第47番」は、一転して叙情的で何かに沈潜するような曲だ。第5曲「ペトラルカのソネット第104番」は、この曲集の中で最も有名だろう。沈潜が更に深くなるとともにロマンティックになっていく。第6曲「ペトラルカのソナタ第123番」は、静かでピアニスティックな魅力が溢れ美しい。第7曲「ソナタ風幻想曲 ダンテを読んで」はピアノのヴィルトゥオジティが十分に発揮された曲。流れ落ちる滝のような豪快さがある。ぼくはこの曲の実演を聞いたことはないけれど、ピアニストの指は見えないくらい動いているだろう。

この曲を聴くのは久しぶりだったが、すごく良い曲だと思った。ピアノという楽器について、音の美しさだけでなく、その動的な面と静的な面が良く生かされている。感動させられた。ブレンデルの演奏はもちろん、知・情・意のバランスの取れた理想的なもの。彼は若い頃リストを得意としていたらしいが、この1980年代の録音では曲を完全に手中に収めた余裕が感じられる。

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この記事へのコメント

2007年05月23日 12:15
はじめまして

アルフレッド・ブレンデルですか。私はホルヘ・ボレットのを持っています。いつかブレンデルで聴いてみたい気がします。

この曲はリストの曲のなかでも、一番好きです。特に「婚礼」は癒されますね。
2007年05月23日 22:13
チャーリー432さん、コメント有難うございます。
リストというとヴィルトゥオーゾ曲のイメージが強いように
思いますが、この「巡礼の年」のような晩年の曲は内省的な
雰囲気がが強く、私も好きでいます。
ブレンデルの演奏は曲に沈潜していく趣があって、昔から度
々聴いています。

この記事へのトラックバック

  • リスト ~ 巡礼の年第2年「イタリア」

    Excerpt: 「巡礼の年」というタイトルから、最初は実践的宗教色の強い作品かと思いました。ところが、実際は、奥さんとのイタリア旅行で触れた芸術作品(ラファエロ、ミケランジェロ、サルヴァトール・ローザ)や、ペトラルカ.. Weblog: 徒然 racked: 2007-05-23 12:15