ギーゼキングのメンデルスゾーン「無言歌集」

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ワルター・ギーゼキングの演奏するメンデルスゾーンの「無言歌」17曲を聴いてみた。メンデルスゾーンの「無言歌」は全部で50曲以上に上ると記憶しているが、ギーゼキングはその中から17曲を選んで演奏している。これらの演奏は、1998年に東芝EMIから発売された「ワルター・ギーゼキングの芸術」という6枚組の国内盤に収録されているものである。録音は1956年9月である。ギーゼキングは1956年の10月に急逝しているから、亡くなる直前の録音ということになる。

メンデルスゾーンの「無言歌」はSongs without Wordsであり、その名の通りSongであるから1曲ごとに題名が付いている。今日聴いたギーゼキングの演奏する作品にも「甘い思い出」「ヴェネツィアの舟歌」「望み」「デュエット」といった題名が付けられている(なお本CDには有名な「春の歌」も含まれている。)そしてそれらの題名にふさわしい美しいメロディが演奏される。その名の通り、人間の声ではなくピアノによって奏でられる歌である。
これらメンデルスゾーンのピアノ小品は、同じロマン派のシューベルトやショパンの小品とは少し異なり、内心の吐露のようなものは抑制されている。その代わりに古典的な気品の高さと節度が感じられる。聴く者の心をなごませる美しい作品ばかりだ。

ワルター・ギーゼキングはぼくの最も好きなピアニストの1人だ。ぼくは、他の人から好きなピアニストはと尋ねられたら、ギーゼキングとルービンシュタインの2人は例外的な存在として挙げることにしている。彼はこれらメンデルスゾーンの小品を演奏する際にも、フォルムを厳格に守り、もっぱら多様で繊細なタッチによって曲の美しさを引き出している。その音の透明で繊細な美しさは、録音がモノラルであってもはっきりと伝わってくる。ただただ聴き惚れるしかない見事な演奏だ。



メンデルスゾーン:春の歌(17の無言歌集)
EMIミュージック・ジャパン
ギーゼキング(ワルター)

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