ビル・エモット ピーター・タスカ「日本の選択」

ビル・エモット ピーター・タスカ「日本の選択」(講談社インターナショナル)という本を読み終えた。この本は2007年3月12日の刊である。
エモット氏はイギリスの「エコノミスト」誌の編集長で、日本では「日はまた沈む」「日はまた昇る」(ともにぼくは読んだことがある)等の著作で知られている。タスカ氏(エモット氏と同様イギリス人)は外資系証券会社の在日支店のマーケット・アナリストとして有名で、やはり日本に関しての少なからぬ著作がある。本書は、これら2人の知日派イギリス人が、経済、経営、政治、外交等幅広い分野に関して、現在の日本の抱える課題と将来について縦横無尽に語り合ったものである。対談形式を取っているため読みやすく、内容もたいへん興味の持てるもので、短時間で読み終えることができた。

両者の主張内容は概ね一致しているものの、若干温度差があるように思う。エモット氏は楽観的で積極的、タスカ氏はやや悲観的で保守的のように思う。とはいえ、現在の日本は貯蓄過剰で自ら成長の途を閉ざしている、資本市場の更なる自由化と透明化の必要性、さらに東京をアジアの国際金融センターにするべきとか、日本人のコミュニケーション能力の欠如等、鋭く適切な提言が随所に見られ、両者の意見はほぼ一致している。また財政赤字は日本の経済が成長すれば徐々に解消されていくからあまり心配がいらないとか、昨今話題になっている格差問題はあまり深刻な問題ではない等、日本のエコノミストや政治家からはまず聞かれないであろう斬新な意見も見られ、ぼくなどは納得させられてしまった。

両氏の主張は、新聞などに掲載されている日本人のエコノミストや学者のなまじな論説よりはよほど説得力がある。読み応え十分な1冊だった。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック