スティグリッツ「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す」

ジョセフ・E・スティグリッツ(楡井浩一訳)「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す」(徳間書店、2006年11月30日刊)という本を読み終えた。著者のスティグリッツ氏は2001年度のノーベル経済学賞を受賞した経済学者で、ぼくが彼の著書を読むのは2002年3月31日刊の「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」(やはり徳間書店)以来2冊目だった。
ぼくがこの「世界に格差をバラ撒いた…」という本を読み始めたのは年初のように記憶しているので、読み終えるまでになんと4ヶ月もかかったことになる。前著同様たいへん深刻な内容で、勉強をしているような感覚で、傍線を引きながら読み終えた。

前著「世界を不幸にした…」は、IMF(国際通貨基金)をはじめとする国際的な金融機関がこれまでアジア・アフリカ等の発展途上国を相手に推し進めた開発政策が、実はまったくの欺瞞であり、アメリカの国利国益、それどころかウォール街の金融機関の私利私益のために推進されたものであることを告発した本だった。今回の「世界に格差をバラ撒いた…」はIMF等が推進したグローバリズム政策が世界中に大きな災厄をもたらしたことを前提に、その結果として生じた、アメリカの大企業ばかりが得をする不公平な貿易システムの問題、知的財産権保護の問題、地球環境問題等の各種の問題に対して、スティグリッツ氏なりにさまざまな提言をするという内容になっている。
それらの解決策は、ぼくがなるほどと納得するようなものが大半だが(当然のことです)、実現は困難ではないかと思うようなものもある。

しかし、スティグリッツ氏が指摘するように、今現在、途上国が大変な危機に瀕していることは間違いない。そして同氏が指摘するように、国際的な法整備をし、機関を設立することによって民主的な手続きを踏むことによってしか、これらの問題を解決することはできないのだろう。
地球規模で起きている多くの深刻な問題に改めて気付かされるとともに、本書に述べられたような対応策が実現すれば…という希望を抱かされる1冊だった。ただしそのためには、アメリカの次期大統領選挙で民主党候補が勝利を収めることが必要だろうと思う。

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