教育再生会議の二次報告について

6月2日付日本経済新聞によると、政府の教育再生会議(野依良治座長)は1日、首相官邸内で総会を開き、第二次報告を安倍晋三首相に提出した。ぼくは小学生の児童を持つ親だから、この問題は他人事ではない。少し考えてみたい。

同新聞の報じるところでは、教育再生会議が二次報告に盛った主な提言は次の通りである。
1、学力向上  2、徳育・親学  3、大学・大学院改革  4、教育予算

これらのうち、1と2は小中学生にとっても直接の問題である。同新聞の報じるとことでは、1について、①土曜授業の実施、②学校選択制の普及、2について①徳育の教科化、②家庭教育の支援、が提案された。

ぼくの考えだけど、1①は、まず、子どもがかわいそうではないだろうか。現在の小中学生にとって土曜日が休日というのは既成事実のはずだ。それを2008年度からとつぜん土曜日も登校せよというのは、かわいそうな気がする。さらにぼくの知っている範囲では、学習塾、野球、サッカー、水泳、ピアノ、バレエなど、学校以外に何らかの習い事をしている子どもが少なくない。これらの子にとっては、土曜にも授業があると大いに負担になるだろう。
1②も大きな問題だと思う。学校選択制が導入されると、間違いなく学校が序列化され、人気校と不人気校が出てくる。その結果、わが子には、多少通学に時間がかかっても人気校に通学させたいと考える親が出てくる。教育再生会議はこのようにして学校再生のために市場原理を導入しようと考えているのだろうが、その一方で学校を中心にした地域共同体を崩壊の危機にさらすことになる。
たとえば、現在では当該地域の学校を中心に、校区内の地域ごとに子ども会が作られ、子ども会を通じて子どもたちは体育行事などに参加し、親も交流するというケースがある。また子ども会に参加していなくても、子どもが近所だからという理由で親同士に交流が生れることも少なくない。学校選択制の導入はこのような学校を中心とした地域共同体の存立を脅かすものだ。

次に2①だけれど、「徳育」というのは既存の「道徳」の授業とどう違うのだろうか。日経新聞の報じるところでは「徳育」では点数による評価をしないとのことだが、それだと「道徳」の名前を変えただけのものになりかねない。ぼくは「徳育」に反対するわけでないけれど、その中身の詰めが必要だろう。
2②の家庭教育については、家庭教育に気を配れというのでは、せっかく女性の社会進出が進みつつあるのに、事実上母親の負担が増大してしまう。時代に逆行するものではないだろうか。

ぼくは以上のように、教育再生会議の二次報告にはいろいろと問題を感じる。
次代を担う子どもたちの教育は国家にとって緊要な課題だ。安倍首相がその政策で教育再生を重要課題としているのは首肯している。だがこの二次報告は政権の期待に応えたものといえるだろうか。詰めが甘いという感想を持った。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 教育再生会議の第2次報告

    Excerpt: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070... Weblog: 現役学習塾塾長が教える成績アップ、学力向上のための勉強方法 racked: 2007-06-02 20:40