岡田克也『政権交代 この国を変える』(講談社)

岡田克也『政権交代 この国を変える』(講談社)という本を読了した。著者の岡田氏は現役の衆議院議員で、もと民主党代表である。

今日も日経平均株価は下落して終えた。これで12日間連続の下落だ。12日間も連続して下落するのは、なんと54年ぶりのことだという。
物価高、その原因となっている原料高、インフレ懸念、アメリカに端を発した先の見えないサブプライム・ローン問題、…。世の中は心配なことばかりだ。株価の下落はその端的な現れなのだろう。
それではと政治に目を転じると、衆議院では自公の与党が多数を占め、参議院では民主党をはじめとする野党が多数を占めているという、いわゆる国会の「ねじれ現象」が目に付く。そのせいで法案が以前のように簡単に国会を通らなくなり、福田政権の政策(その当否は別として)の実行は困難になっているようだ。そしてその陰で、官僚や族議員などのいわゆる「抵抗勢力」が確実に力を盛り返し、国政の改革を妨げているようだ(そういえば最近、「構造改革」という言葉を聞かなくなった)。
最近の景気の腰折れ(というより、ぼくはすでに後退局面に入ったのではないかと思っている)は、こうした政治の混迷が大きな要因になっていることは間違いない。

それでは、政治の混迷をどう打破したらよいのだろうか。岡田民主党元代表の執筆した本書は、そのための1つの回答を示したのものだと思う。

岡田氏は日本には「政権交代」がぜったいに必要だという。なぜなら、一党支配が続くと政治家と官僚、政治家と既得権者のもたれ合い構造を断ち切ることはできない。政治家は政策を官僚任せににし、党内の勢力争いに明け暮れるようになる。このようなもたれ合いの構図を打破するためには、政権交代が必要不可欠なのだ。

本書は岡田氏の生い立ちに始まって、旧通産官僚だった時代、そして1990年の衆議院総選挙で自民党公認候補として初当選してから現在に至るまでの軌跡が述べられている。特に著者が93年に自民党を離党して以降、細川非自民政権の成立、そして再び下野、新進党の結党・解党を経て、民主党に入党し、民主党を「エクセレント・パーティー」に育て上げようと奮闘してきた過程が詳しく述べられている。そしてそれとともに、自民党政治の利権構造の問題点がえぐり出されている。
最後に著者の政治にかける思い、今後の政治ビジョンといったものが示されている。

本書を読んでいて伝わってくるのは、岡田氏の熱血漢ぶりである。人柄は誠実で、公正無私、愚直といってもいいくらいの真っ正直だ。日本を少しでもよくすること以外、政治のこと以外は頭の中にないのではないくらい、真っ直ぐな性格だ。
ぼくは岡田氏が民主党代表だった時代、テレビ等で何回も彼の話を聞いたことがあるが、ともかく熱心な人で、しかも頭脳明晰だと感じた。本書でも、ポピュリズムを排し、有権者に対してひたすら政策で訴えかけていこうという誠実な姿勢はたいへん好感が持てる。小泉元首相のいわゆる「郵政解散」で民主党が大敗した責任を取って民主党代表を退いたわけだが、それ以降ひのき舞台に立たないままでいるのは、いかにも惜しい。まだ55歳と政治家として十分に若いのだし、将来は首相の任をを担ってほしい。そのような期待を抱かせられる本だった。

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この記事へのコメント

2008年07月05日 03:34
アルトゥールさま お早うございます

岡田克也さんの本はまだ読んでおりません。
政治家本はあまり読むことがないのです~。

岡田さんの主張は真っ当だと思います。ですが、民主党内部で、どうも自民と引っ付きたいと思っているM原とかE野とかがどうも気になりますね~。

政権交代をしないと変わらない、これはその通りであろうと思います。次の選挙で民主が多数を取る以外には政権交代の可能性はなくなるのではないかと。自民党は政権を守るためなら、K産党とでも、手を組むと思います。民主がそれくらいの強かさを持たないと、政権交代は遠のくのではないかと、危惧しております。
明日から、沖縄に行ってきます。沖縄に入ってから、行きと帰りは、基地巡り、沖縄戦跡を巡っています。若干の慰霊の気持ちもあります。

ブログでも紹介しますので、またお暇なときにでも覗いてくださいね~。

ミ(`w´彡)
2008年07月05日 06:10
rudolf2006さま
おはようございます。
コメントを頂き有難うございます。

記事に書けばよかったのですが、本書は岡田さんの処女作
だそうです。本書を読むと、様々な出身や考え方の違いを
もつ議員が集まり、「寄り合い所帯」とも評される民主党
を1つにまとめようと岡田さんが努力しているのがよく分
かります。ただ、たしかにM原は気になりますね…。
次の衆議院選挙、いよいよ決戦ですね。ここで民主党をは
じめ野党が過半数を取らないと、国会のねじれ現象が続き
政治の混迷が続くのではないかと心配です。

ところで沖縄、梅雨明けのいい季節なのでしょうね。思い
切りリフレッシュしてきてくださいね~。

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