ドワイアンとパスキエ・トリオのフォーレ「ピアノ三重奏曲」

画像東京は今日も、晴天ですが3月の終わりとは思えない寒い1日でした。
今日は、フォーレのピアノ三重奏曲ニ短調 作品120を聴きました。演奏は、ジャン・ドワイアン(p)、ジャン・パスキエ(vn)、エティエンヌ・パスキエ(vc)です。1957年頃のERATOへの録音です。

ピアノ・トリオというと、古今で最も有名なのはベートーヴェンの「大公」トリオ、続いてシューベルトのピアノ・トリオ第1番ではないでしょうか。
ぼくもまた「大公」トリオやシューベルトが好きでいますが、それ以上に傑作だと思うのが、メンデルスゾーン、ラヴェル、そして今日聴いたフォーレのピアノ・トリオです。
フォーレの唯一のピアノ・トリオは、1923年、フォーレ(1845-1924)の死の前の年、フォーレの78歳の時の作品です。そして、翌1924年のフォーレの死の年に作曲されたフォーレ唯一の弦楽四重奏曲とともに、フォーレの全作品の中でも独自の地位を占める完成度の高い作品だと思うのです。

第1楽章を聴くと、これはもう抽象画の世界です。抽象画といってもいろいろあると思いますが、これは色彩豊かで香り高い抽象画です。情緒的なものは失われ、純化された世界です。
第2楽章はアンダンティーノですが、この曲だけでなく、フォーレのすべての作品の中でも秀逸なのではないでしょうか。ピアノの和音に乗って、ヴァイオリンとチェロが絡まりあいながら、いつまでも旋律を奏でていきます。神韻飄々というのでしょうか、本当に玄妙な音楽です。
少なくとも室内楽曲史上、これに比肩するものは、ベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲の一部以外、思いつきません。そして玄妙な中にもフランスらしい香りは決して失われていないのです。
第3楽章は一転してダイナミックに高揚しますが、ここでもフランスらしい香気がいっぱいです。

ドワイアンとパスキエ・トリオのメンバーによる演奏は、ERATO全盛時代の定評あるものです。同じERATOが、ヴァア・ノヴァ四重奏団やピアノのジャン・ユボーらによるフォーレの室内楽全集を完成するまで、本曲の代表的な演奏とされていたはずです。この演奏によって、フォーレのピアノ・トリオの真価を知った日本のファンが多いのではないでしょうか。
今日聴いても、上品で、フランスらしい香気のあふれたフォーレのピアノ・トリオの代表的な演奏だと思います。

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この記事へのコメント

2009年03月30日 06:13
アルトゥールさん、こんにちは。

パスキエ・トリオ懐かしいですねー。
そうそう私もこの演奏でこの曲に馴染みました。現在はこれまた御馴染みのユボー、モンブラン&ナヴァラのCDです。
フォーレの室内楽は良いですよね。ここしばらく聴いていませんので聴きたくなりました。その時はやっぱりフランスの奏者で聴きたいと思います。
2009年03月30日 18:35
ハルくんさん、コメントを頂き有り難うございます。
パスキエ・トリオ、古すぎるのでしょうか。最近は
あまり名前を聞かなくなりましたね。
ERATOのフォーレ室内楽全集に含まれているユボー/モンブラン
/ナヴァラは自分もよく聞きます。他にEMIのコラール/
デュメイ/ロデオンも持っていますが、自分はERATOのどちらか
で聴くのが好きです。
フォーレの室内楽は本当に名曲揃いだと思います。チェロ・ソ
ナタなんかも大好きです。
2009年03月30日 19:42
アルトゥールさま こんばんは

先週、先々週と私のところに同僚の訃報が届きました。さすがに、同年配の同僚が毎週亡くなると、落ちこみますね、それにショックでした。

この記事を読んで、私もフォーレのピアノ三重奏曲を聴いています(今も聴きながらコメントしています)。この曲は久し振りに聴いています。いっとき、毎日のように聴いていたこともあるのですが~。

私の持っているCDは、EMIから出ていたフォーレの室内楽全集で、この曲は、コラール、デュメイ、ロデオンの演奏です。
どの楽章も実に素晴らしい作品ですよね~。

ミ(`w´彡)
2009年03月31日 09:02
rudolf2006さま コメントを頂き有り難うございます。
私も、ここ数年、毎年のように中高や大学の同級生の訃報を聞くようになりました。
やっぱり寂しいものですね。

フォーレの室内楽は全部で10曲ですが、名曲揃いだと思います。
後年の作が初期の作より優れているとか、その逆とかいうことはないと思います。
数は多くないもののすべて完成度が高いという点は、ブラームスの
室内楽と似ているかもしれません。
私もEMIのフォーレ室内楽全集を持っています。ERATOの全集と合わせ2種類
の全集を持っていることになります。
その聞き比べも楽しいですね。

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