東野圭吾『レイクサイド』(文春文庫)

東野圭吾『レイクサイド』(文春文庫)という本を読み終えた。本書はこの5連休にのんびりと気軽に読むことができる本をという意図から買っておいたのだけれど、読み始めると面白くて止めることができなくなり、2、3時間で読み終えてしまった。
東野さんは現在日本で最も売れ行きのいい作家だと思うが、その秘訣は、このように読み手をぐいぐい引っ張って離さない、筆力にあるのではないだろうか。

本書『レイクサイド』は主人公のアート・ディレクター、並木俊介が、小学生のわが子が参加している中学受験の勉強合宿の地に向かっているところから始まる。勉強合宿には、並木家以外に3組の親子が参加している。
ところが、合宿の地になぜか俊介の愛人が現れ、そして殺害されるという事件が起きる。ここから物語が急展開していく。合宿に参加している親子は、いずれも何か曰くありげだ。単に受験で結びついているだけなのだろうか。

本書の欠点は、強いて言えば、事件の真相が読者にとって比較的容易に想像がつくことだろう。しかし読んでいて、これほどサスペンスフルな小説はないというくらい、冗漫な記述はなく伏線があちこちに張られている。第一級のエンターテインメント小説だと思う。
本書は長編とはいえ比較的短く、東野さんにとって、才能のほんの一部を垣間見せた小説にすぎないのだろう。それでもこれだけの良質なエンターテインメントを提供できるとは、東野さんの底知れぬ才能を感じさせられる思いだ。

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