タカーチ四重奏団のベートーヴェン「弦楽四重奏曲第12番」

画像今日の東京は台風の影響で1日曇り空でした。
今日はタカーチ四重奏団の演奏するベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番を鑑賞しました。2003年11月のDECCAへの録音です。

弦楽四重奏曲第12番は、第10番「ハープ」とともに、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の中でぼくが最もよく聴く曲です。
ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲の中でも、第13、14、15番となると、曲が深遠で玄妙で、居ずまいを正して聴かなければならないような曲なのに対し、第12番は全曲を通じて温和な楽想で、手にとって聴きやすい曲のように思います。また、この曲では、急・緩・急・急の4楽章構成という、これまでの古典的な形式が維持されていることも曲を身近に聴きやすくしている要因だと思います。

第1楽章は、第10番「ハープ」の再来を思わせる穏やかな楽章です。
第2楽章は、緩徐楽章ですが、曲の中で最も規模の大きい楽章です。静と動の対比が見事で、また変奏曲の個所が穏やかで飄々としているようで、その実たいへん玄妙です。神韻飄々とでもいうのでしょうか。
ぼくは昔からこの第2楽章が大好きです。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲のすべての楽章の中で最も好きなのが、この楽章かもしれないほどです。

しかし第4楽章に、第2楽章に劣らない魅力があるのではないでしょうか。一見普通の終楽章のように見えますが、ぼくが変なのかもしれませんが、大フーガ作品133に通じる前衛性がこの楽章から聴こえてくるように思うのですが、どうでしょうか。

タカーチ四重奏団の録音当時のメンバーは、次の通りです。
 エドワード・ドゥンシンベル(第1vn)
 カーロイ・シュランツ(第2vn)
 ロジャー・タッピング(va)
 アンドラーシュ・ツェエール(vc)
同四重奏団は90年代半ばに、創立時のメンバーから、第1vnのタカーチ・ナジとvaガーボル・オールマイが、それぞれドゥンシンベルとタッピングに交代しており、交代後の録音だということになります。

ぼくは2006年にタカーチ四重奏団が来日した際、この弦楽四重奏曲第12番の演奏を生で聴きました(他に、弦楽四重奏曲第4番と第8番という、オール・ベートーヴェン・プログラムでした)。その時の演奏にたいへん感動し、以来同四重奏団を贔屓にしています。
今日の第12番の録音を聴いて、真摯で求心力の強い演奏だという感想を持ちました。この曲に関しては、もう少し肩の力の取れた演奏の方がぼくの好みではあります。しかし彼らのスタイルはひたすら真面目という点にあり、肩の力の取れた演奏などは彼らのスタイルではないのですから、それを理由に彼らの本録音を批判するのは全くの的外れです。
本曲にも、昔懐かしのバリリ四重奏団、ブダペスト四重奏団をはじめ多くの名演奏がありますが、今日のタカーチ四重奏団も間違いなくそれらの匹敵する秀演だと思います。

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この記事へのコメント

2009年09月19日 09:28
アルトゥールさま お早うございます~

この写真、良いですね~。バリでの写真でしょうか?

ベトベンの弦楽四重奏曲、中期、後期(初期も含めて)と何度となく聴いているはずなのですが、12番がどんな曲であったか、思い出せないのです、爆~(きっと自分で演奏していないからではないかなとも思うのですが~)。

それで、タカーチ四重奏団のCDは持っていませんので、ターリッヒ四重奏団の演奏を聴きながら、コメントを書いています。
第2楽章 素晴らしい曲ですよね(聴いていると思いだしてきます~)。第4楽章 確かに「大フーガ」に通じるところがあるようにも感じました。

タカーチ四重奏団の演奏会にも行かれたことがおありなんですね~。それだと、この四重奏団の演奏にも思い入れがおありかと思います。
ベトベンの弦楽四重奏曲の録音はあまりにも数が多くて、そのすべてを聴くことは出来ないですね~。
2楽章を繰り返し、聴いていますが、良いですね~。

ミ(`w´彡)
2009年09月20日 06:43
rudolf2006さま
コメントを頂き、有難うございました。
ベトベンの弦楽四重奏曲の12番ですが、13番以降が偉大すぎて
損な存在になっているのではないでしょうか。
聴けば聴くほど味わい深い佳曲だと思うのですが…。
rudolf2006さまに好きになって頂いて嬉しいです。

タカーチ四重奏団は、現代では最高レベルの団体の一つだと思います。
最近これまでのDECCAからHyperionに移籍しました。
自分の場、合実演を聴くと、その演奏家を大好きになるか(タカーチ
SQのほか、ボロディンSQ、リンゼイSQはそうです)、嫌いにな
ってしまうか(Eカルテット、Hカルテット)のどちらかになるようです。

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