東野圭吾『使命と魂のリミット』(角川文庫)

東野圭吾『使命と魂のリミット』(角川文庫)という小説を読み終えた。東野さんらしい息もつかせぬストーリー展開で、短時間で読み終えることができた。

主人公の氷室夕紀は帝都大学病院に勤務する医師になったばかりの研修医だ。現在、同病院の心臓外科に勤務している。
彼女には、中学生の時、父・健介が大動脈瘤で亡くなったという過去がある。その時の手術の執刀に当たったのが、現在帝都大学病院で彼女を指導している西園教授だった。
西園は、健介の死後、夕紀の母親と恋仲に陥った。西園は健介の手術に際し、果たして冷静に執刀に当たることができたのだろうか…。夕紀の頭を捉えて離さない疑問だ。

それと平行して、帝都大学病院を舞台に犯罪を計画しているエンジニア・直井穣治の物語が進行する。彼は、帝都大学病院に勤務する看護師・真瀬望を利用して、同病院の内部システムに関する情報を収集し、同病院を破壊するという脅迫状を送り付ける。

この2つに加えて、脅迫状を受け取った帝都大学病院から依頼を受けて捜査に当たる刑事・七尾の物語が進行する。

これら3つのストーリーが進展する中で、接点が現れ、穣治の犯行動機が明らかになっていく。圧倒的なクライマックスの手術の場面まで、ストーリーはスリル満点だ。

本作は犯人探しという意味でのミステリではない。だが読んでいてたいへん面白く、すぐれたエンターテインメントだと思う。個人的には、看護師の望が、最後に「看護師」としての使命を全うしたのが印象に残った。
ただし全体的に偶然的な出来事が起こりすぎるように思える点が少し不満に思った。

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