菅野完『日本会議の研究』(扶桑社新書)

菅野完『日本会議の研究』(扶桑社新書)という本を読み終えた。
著者は1974年生まれ、サラリーマン出身のジャーナリストである。

「日本会議」については、現在の安倍政権に背後から影響を及ぼしている保守系文化人の団体というくらいの認識しか有していない日本人が多いのではないだろうか。
管理人自身も、本書を読むまではその程度の認識しか有してなかった。

本書は、さまざま資料の追跡や関係者へのインタビューを通して、日本会議の正体に迫るルポルタージュである。

日本会議の源流は、「生長の家」にあった。
すなわち、生長の家の信者の民族派大学生たちが、1968年の長崎大学での学生運動の勝利をきっかけに団結を深め、1980年代に生長の家自体がエコロジー左翼というべき路線に転じたのちは袂を分かって、「生長の家原理主義」というべき路線を採用して徐々に勢力を伸ばしてきたのだ。

本書では、椛島(かばしま)有三、村上正邦、中島省冶、伊藤哲夫らキーパーソンというべき人物の実名を挙げて、それぞれが日本会議の中で、どのような役割を果たしてきたのかを明らかにする。また、国民会議がどのような組織の構図を有しているのか、その内部構造をも明らかにする。
彼らの最大の武器は、組織力・マネジメント能力の高さである。例えば、昨年2015年11月に東京の武道館で「改憲1万人大会」を開催したが、彼らは1万人を参加させるという目標を立ててちょうど1万人を動員するというような高いマネジメント能力を持っているのだ。

彼らが安倍政権に食い込むだけでなく、地方にも影響を及ぼしている。彼らは全国各地に支部を持ち、地方議会へ請願を行ない、多くの地方自治体に改憲に向けての意見書を採択させている。

もちろん、本書に述べられたことが100%真実であるとは限らない。
しかし、日本会議の実態が、非常に偏向した宗教右翼であることは間違いないようだ。日本会議が生長の家という宗教的なバックグラウンドを有することを明らかにしたこと自体に本書の最大の価値があると思う。

管理人自身は安倍政権がこのような宗教団体、宗教右翼から大きな影響を受け、半ば操られているということに大きな危機感を覚える。
自民党では、少なくとも1990年代までは穏健派保守というべき立場が主流で、今の安倍首相のような極端なタカ派は傍流だった。自民党自体が、日本会議のような偏向した宗教右翼に乗っ取られ、変質してしまったのだろうか。

#日本会議の研究 #菅野完 #ノイエホイエ

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