小澤征爾のドヴォルザーク「交響曲第9番『新世界より』」

東京は現在梅雨の真っ只中ですが、今年は雨があまり降らず、暑い日が続いています。
今日は、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を聴きました。
演奏は、小澤征爾指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団です。1991年5月の旧PHILIPSへの録音です。

ドヴォルザークの「新世界」は、言うまでもなくドヴォルザークの全作品中最も有名な作品です。
第2楽章でのイングリッシュ・ホルンが奏でる有名な旋律は、クラシック音楽を聴かない人の間でも広く知られていることと思います。
しかし第2楽章だけでなく、躍動感あふれる第1楽章や第4楽章、民族的な第3楽章にも印象的なメロディが溢れています。メロディ・メーカーだったドヴォルザークが、その才能を十分に発揮した作品なのではないでしょうか。
ぼく自身は、駿馬が駆け抜けるように躍動的で、それでいてチェコの民族的な要素のある第4楽章をとりわけ好んでいます。

小澤さんの演奏は、たいへんフレッシュでダイナミックな演奏です。現代的な演奏といえると思います。小澤さんらしい演奏だと思います。
録音当時の91年といえば、カラヤンやバーンスタインといった巨匠が亡くなって間もない時代です。当時のウィーン・フィルといえばウィーンの長い歴史・伝統を継承し続けるオーケストラだったはずです。
その伝統あるウィーン・フィルが、このように小澤さんの要望に応えて(?)フレッシュな演奏をすること自体、当時は画期的だったのではないでしょうか。もちろんウィーン・フィル伝統の美しい響きは維持したままに、です。また、そのことは、ウィーン・フィルのメンバーたちが小澤さんを信頼しており、両者の共同作業により可能になったのではないか、と思うのです。

「新世界」は有名曲だけに膨大な数の録音が存在しますが、ぼくの持っている他の録音について簡単に述べますと、古い録音ではトスカニーニ/NBC交響楽団の引き締まった力強いな演奏は、曲想とマッチした名演だと思います。
また本場チェコのオーケスラで聴きたいという方には、平凡な感のあるノイマン盤より、古いものの引き締まった、それでいで情感がピンと張っていて豊かなアンチェル盤を勧めます。
また、じっくり型の演奏では、ジュリーニ盤(シカゴ響またはロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)が名演だと思います。
世評高いカラヤン晩年のウィーン・フィルとのライブ盤は、あまりにもカラヤン色が強すぎて、ダイナミックさとチェコの民族的な要素を合わせ持った本曲の曲想にマッチしていないように思います。

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