マティスの「シューマン&ブラームス歌曲集」

今日の東京は正午頃まで雨が降っていましたが、雨が上がると晴天となり、気温も上昇しました。
今日聴いたのは、エディト・マティスの「シューマン&ブラームス歌曲集」です。DENONレーベルのCREST1000シリーズの1枚として発売されているものです。シューマンのリーダークライス作品39とブラームスの21曲の歌曲が収録されています。ピアノ伴奏はジェラール・ウィスで、1994年5月20~22日のDENONへの録音です。

シューマン(1810-1856)は、「歌曲の年」と呼ばれる歌曲を集中的に作曲した年である1840年、30歳の年に「リーダークライス」と題する2つの連作歌曲集を作曲しています。作品24と39です。前者はハイネの詩、後者はアイフェンドルフの詩によるものです。今日聴いたマティスのCDの収録されているのは、アイフェンドルフの詩による作品39です。
作品39は12曲の歌曲からなり、第5曲「月夜」が3分21秒であるほかはすべて3分以下の短い曲です。
聴いていて「月夜」をはじめ、柔らかくデリケートで、抒情的な曲ばかりです。その反面、「シューマニアーナ」と呼ばれるシューマン独自のロマンティックな感情の奔流は乏しいように思います。聴いていて耳に心地よい歌曲集だと言えるように思います。

本CDに収録されている21曲のブラームスの歌曲は、「永遠の愛」「メロディのように」「子守歌」などを除いて、有名曲は少ないように思います。
演奏時間3分以下の短い曲が大半を占めています。マティスの演奏で聴いていると、素朴でしみじみとした曲が集められているように思います。ブラームス歌曲でも、聴いて耳に心地よいという感がします。

マティスの演奏ですが、録音当時マティス(1938年生まれ)は50代半ば。若い頃「フィガロの結婚」のスザンナや「魔笛」もパミーナ役を得意にしていため、清冽で純情可憐なイメージの強い彼女ですが、この録音ではさすがに純情可憐という感はなく、また声域が狭くなっている感は否めません。
地味ですが、非常に端正に、誠実に、淡々と歌っている感があります。
この録音は、90年代の初出当時にはあまり話題にならなかったように思いますが、演奏スタイルが地味なことが原因ではないでしょうか。
しかし、こういう端正で誠実で淡々としたスタイルの良さは、何回も繰り返し聴いているうちに分かってくるものです。またリスナーが年を取るごとに好きになるであろうスタイルです。
地味な存在であっても大切に持っておきたい「名演」だと思います。
シューマン/ブラームス:歌曲集
コロムビアミュージックエンタテインメント
2009-12-23
エディット・マティス(S)

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