トルトゥリエのベートーヴェン「チェロ・ソナタ第3番」

今年の11月は、例年の今頃より寒い日が続いているように思いますが、今日の日曜の東京は、秋晴れの好天気でした。
今日は、ポール・トルトゥリエ(vc)とエリック・ハイドシェック(p)の演奏するベートーヴェンのチェロ・ソナタ第3番イ長調作品69を聴きました。1972年3月の旧EMIへの録音です。

ベートーヴェンのチェロ・ソナタといえば、バッハの「無伴奏チェロ組曲」やドヴォルザークの「チェロ協奏曲」と並び、古今のチェロのために書かれた作品の中で最も有名な曲です。また69という作品番号でわかるように(ちなみに「運命」交響曲が作品67、「田園」が作品68、「皇帝」協奏曲が作品73です)、ベートーヴェン中期の「傑作の森」のさなか、彼の生涯にわたる創作活動の中で最も充実していた時期に創られた作品です。
ベートーヴェンのチェロ・ソナタは全部で5曲あり、第1、2番が創作活動のいわゆる初期、今日聴いた第3番が中期、第4、5番が後期に書かれています。管理人は5曲のどれにも魅力を感じるのですが、聴く回数という点ではどうしてもこの第3番が多くなってしまいます。

特に第3番冒頭のチェロの開始部分は、ベートーヴェンの全ての作品の中でも、交響曲第3番「英雄」や弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」の開始部分と並んで、最も堂々としてスケールが大きく、要するにカッコ良いのではないでしょうか。
第2楽章はリズミカルで旋律美に溢れ、第3楽章の天地を馬が駆けるような曲想もたいへん魅力的です。管理人は本曲の第1楽章はもちろん、第2楽章、第3楽章も大好きでいます。
また全曲を通じてチェロとピアノに対等の役割が与えられ、この両者の掛け合い・対話も本曲の大きな聴きどころだと言えます。

トルトゥリエの演奏はヴィブラートをあまりかけず、端正で、あっさり・さっぱりとした演奏です。テンポもあまり変えず、全体として適切なテンポだと感じます。この曲の代表的名盤として有名なロストロポーヴィチ/リヒテル盤でのロストロポーヴィチの感情濃厚的な演奏とはちょうど対照的な演奏です。シチューと味噌汁のような違いです。
管理人は、時にはロストロポーヴィチを聴いたりシチューを食べたりしたくなりますが、個人的にはこのチェロ・ソナタ第3番に関してはトルトゥリエのようなあっさりした演奏が好みでいます。またトルトゥリエ盤は、ハイドシェックのピアノがすばらしく弾けているのも魅力です。
なおトルトゥリエは1980年代にもベートーヴェンのチェロ・ソナタの全曲録音をしているようです。80年代の録音での共演者はトルトゥリエの実娘のボウのようですが、管理人は未聴でいます。今日聴いたのはトルトゥリエの第1回目の録音ということになります。

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