ヨッフムのブルックナー「交響曲第4番『ロマンティック』」

今日の東京は晴れたり曇ったりで、どちらかというと寒い1日だったように思います。
今日は、今年で引退すると報じられたピアニスト、マリア・ジョアン・ピリスの今年4月の最後の日本ツアーのチケットの発売日でした。管理人は、発売開始の午前10時から30分間、電話をかけたりチケットぴあのサイトを見たりして、何とか4月17日の東京・サントリーホールでのS席のチケットを確保することができました。モーツァルトのソナタ2曲とシューベルトの即興曲D935というプログラムの日です。

さて今日はブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」を聴きました。演奏はオイゲン・ヨッフム指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団です。1975年12月の旧EMIへの録音です。

この交響曲第4番「ロマンティック」はブルックナーの交響曲の中では最も親しみやすい曲想なのではないでしょうか。管理人がクラシックを聴き始めた1970年代後半は、既にブルックナーの人気がクラシック・ファンの間で高まっていましたが、それ以前、ブルックナーの交響曲が長いばかりで退屈だとして敬遠される傾向のあった時期でも、この第4番「ロマンティック」は例外的によく聴かれていたという話を聞いています。
傑作性という点からは、第5番や第7、8、9番が第4番を上回っているのかもしれません。しかしこれはリスナーの趣味の問題です。管理人自身はやはり第7、8、9番に軍配を上げますが、第7番以降からは襟を正して聴かざるをえない緊張感を強いられるのに対し、第4番は気軽に聴くことができるという良さがあるように思います。気軽にブルックナーの構築した巨大な音世界に浸ることができるという良さがあるように思うのです。少し話がそれますが、ブルックナーの交響曲の中で気軽に聴くことのできるのは、この第4番のほか、2番、6番あたりではないでしょうか。

ヨッフムの演奏は1980年代まではブルックナー演奏のスタンダードだと評価されていたものです。管理人がブルックナーに開眼したのは1990年代後半のことで、その頃は既にブルックナーで第一に挙げられるのはヴァントという時代になっていました。しかしそれ以前はブルックナーというとカール・ベームとヨッフムが定番だったように思います。この中でベームはブルックナーを限られた曲しか録音していなかったので、新旧2種類あるヨッフムのブルックナー全集、特にシュターツカペレ・ドレスデンを振って旧EMIに録音した2回目の全集が定番だったように思います。
今日聴いてみると、典型的な従来型の重厚長大型のブルックナーだと感じます。現在は古楽器演奏スタイルの影響を受けたアーノンクールなどの演奏が現れていますが、こういう従来型のブルックナーにはそれなりの良さがあるように思います。古楽器演奏スタイルによって乗り超えることのできない良さがあるように思います。それは一つはフル・オーケストラによる分厚い演奏の魅力、もう一つは自然体の魅力ではないでしょうか。

ヨッフムの演奏はことさらな工夫はせず、自然体そのもの。テンポをあまり変えず、フル・オーケストラを思う存分響かせた、正攻法の堂々たる演奏です。古楽器演奏を聴き慣れたリスナーの方には工夫が足りないように聴こえるのかもしれませんが、そのような演奏はヨッフムの採るところではないのです。
また本録音からは、東西ドイツ合併前の「いぶし銀」と称されたドレスデンの音色を味わうことができます。シュターツカペレ・ドレスデンは東西合併後、グローバリゼーションの影響を受けその独自な音色を失いましたが、旧東ドイツ時代の同オーケストラは、弦楽器も管楽器も、生きた木の肌触りのような血の通った柔らかで質実な音色を出していました。それがまたブルックナーとよく合うのです。
ヨッフムの演奏は、曲自体の良さを最大限に引き出すとともに、シュターツカペレ・ドレスデンの良さをも最大限に引き出すものです。従来型のブルックナーとしては理想的な演奏ではないでしょうか。



Bruckner Complete Symphonies
Warner Classics

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