メルニコフのショスタコーヴィチ「24の前奏曲とフーガ」

今日の東京は、3月11日というこの季節にしては暖かでした。天気予報によると、この後も暖かな日が続くようです。今年は例年より春が1週間くらい早く到来したという感覚がします。

今日聴いたのは、ショスタコーヴィチの「24の前奏曲とフーガ」です。演奏はアレクサンドル・メルニコフ(p)です。2008、9年のharmonia mundiへの録音です。

ショスタコーヴィチの「24の前奏曲とフーガ」は、24の調性ごとに前奏曲とフーガを作曲したもので、このメルニコフ盤で約2時間30分の演奏時間を要します。同じ試みとしては、バッハの平均律クラヴィーア曲集が有名で、ショスタコーヴィチは当然それを意識して作曲したに違いありません。
演奏を聴いていると、全体としては平穏な曲想が強いですが、動的だったり深刻な曲想の部分もあり、明と暗、静と動、快活と深刻、ユーモア又はシニシズムと深淵が、混在しているかのようです。聴いているうちに一つの小宇宙の中に入り込んだような気持ちになります。天上の世界というのではありません。迷宮(ラビリンス)に迷い込んだ、というのに近いように思います。
このような気持ちを起こさせる音楽は、他には、バッハの「平均律クラヴィーア曲集」と「ゴルトベルク変奏曲」、ベートーヴェンの「ディアベルリ変奏曲」など限られた曲しか存在しないのではないでしょうか。
またショスタコーヴィチというと交響曲が多く聞かれていますが(ただし管理人はショスタコーヴィチは、弦楽四重奏曲をはじめとする室内楽の方が好きです)、彼の隠れた大名曲なのではないでしょうか。

管理人がこの曲を聴いたのは、ナクソスのシチェルバコフ盤が最初でした。
そして本ブログ休止中の2015年3月に、東京文化会館で今日聴いたメルニコフの実演を聴きました。この時演奏の途中で、自分はたった今、たいへんな名曲の名演の場に居合わせている、という衝撃的な気持ちになったのをはっきりと覚えています。それでその直後、このメルニコフ盤を購入したのです。

この曲集は高度な演奏技術が要求されますが、シチェルバコフ盤はテクニックという点では申し分ない演奏だったと思います。しかしテクニックだけでなく、そこに自由に自分の感情を込めて弾いているのがこのメルニコフ盤ではないでしょうか。名曲の名演だと思います。



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