プレガルディエン/シュタイアーのシューマン「詩人の恋」

今日の東京はからっと晴れた五月晴れの1日でした。今日のような日が一年で最も気候の良い日なのだと思います。

今日はシューマンの連作歌曲集「詩人の恋」を聴きました。演奏はクリストフ・プレガルディエン(テノール)とアンドレアス・シュタイアー(フォルテピアノ)です。1993年11月29日~12月2日のdeutsche harmonia mundiへの録音です。
「うるわしい妙なる5月に」で始まる「詩人の恋」は、今日のような5月の気候の良い日に聴くのにふさわしいのではないでしょうか。

本曲はシューベルトの「美しき水車小屋の娘」「冬の旅」と同様、若者の失恋をテーマにした連作歌曲集です。しかし聴いていると分かるのですが、シューベルトと異なるシューマンの個性が現れています。シューベルトにはなかったシューマン独自の鬱蒼としたロマン的要素が顔を出しているのです。
管理人は本曲をシューベルト「美しき水車小屋の娘」「冬の旅」と同じくらい好きだった時期がありますが、現在はシューベルトの方が好きです。
しかし今日聴いてみて、これはこれで、フレッシュな感性と鬱蒼とした内面というシューマンの個性が前面に出た、非常に優れた歌曲集だと思いました。またシューベルトと同様、ピアノ伴奏部分が巧妙に作られ聴きどころが多いと思います。
個々の曲では第5曲「ぼくの心をひそめてみたい」、第8曲「花が、小さな花が分かってくれるなら」、第9曲「あれはフルートとヴァイオリンのひびきだ」、第12曲「まばゆく明るい夏の朝に」などが管理人が特に好きな歌です。

プレガルディエンの演奏は、声が抜群に美しく、ヴィブラートを排した端正な歌唱です。その一方でたいへん自然体に聴こえます。「詩人の恋」のロマン的要素よりもフレッシュさにウエイトを置いた演奏と言えます。またシュタイアーのフォルテピアノによる伴奏は典雅で格調が高く、プレガルディエンの歌唱とよく適合しています。
管理人は、2011年2月にプレガルディエン/シュタイアーのコンビの「詩人の恋」を生で聴いたことがあり(ただしその時は、シュタイアーの伴奏がフォルテピアノではなく現代ピアノでした)、その時は堂々とした演奏だったという覚えがあります。しかし今日聴いた録音は、プレガルディエン(1956年生まれ)の37歳という若い時のもので、生で聴いた時とは別のフレッシュな良さが感じられます。

ところで「詩人の恋」というと、昔からフィッシャー=ディースカウの演奏が有名なのではないでしょうか。彼の複数回に上る録音のうち、特にエッシェンバッハ伴奏盤が有名なように思います。管理人はディースカウの録音ならデムス伴奏盤の方が好きなのですが、それはともかく、ディースカウの演奏は上手すぎ人工的な匂いがすることは事実だと思います。
今日聴いたプレガルディエンのような自然体の演奏は、ディースカウより上とは言いませんが、ディースカウとはまた別の個性・魅力が感じられるように思います。

本曲については、過去にF=ディースカウ/エッシェンバッハ盤の記事を書いたことがあるので、その時の記事を自己トラックバックします。

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  • F=ディースカウのシューマン「詩人の恋」

    Excerpt: シューマンの連作歌曲集「詩人の恋」は、第1曲「うるわしくも美しい5月に」で始まる。それでちょうど今の季節にいいのではないかと思い、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、クリストフ・エ.. Weblog: クラシック音楽のある毎日 racked: 2018-12-16 06:54