日本対ガーナ戦を見て考える

一昨日5月31日、ロシアW杯に出場する日本代表のメンバー23人が発表された。20代前半の選手はDF植田ただ1人で、23人の平均年齢は28.5歳となり、これまで出場した6回のW杯の中で最も高くなった。
W杯は4年に1回しか開かれないから、今回の出場メンバーは4年後のW杯の時には平均32.5歳ということになってしまう。おそらく4年後のW杯は、W杯初出場のメンバーが多くなる。今回の23人の選考は、たとえ今回で結果を残すことができたとしても、4年後に向けて不安を残したと言えよう。

さて、今回のロシアW杯である。
今年4月に就任した西野監督は、5月30日のガーナ戦で3バックのシステムを採用した。本番でも3バックを採用するのか、それとも元の4バックに戻すのかが、日本代表の最大の焦点だと思う。

日本はハリルホジッチ監督時代はずっと4バックだったし、その前日本代表を率いてブラジルW杯に出場したザッケローニ監督時代もずっと4バックだった(その前の岡田武史監督時代も4バックだった)。このように10年間も採用し続け代表の選手たちが慣れ親しんできた4バックを、W杯直前1ヶ月以内になって突如変えるのだとしたら、そのことの正当性が問われなければならない。
管理人の観戦したテレビ朝日のアナウンサーは、4バックだと4人で守ることになるが、3バックだと3人ということになり、攻撃に割ける人数が増える、というようなことを語っていたが、これは大きな間違いである。4バックだと両SBがサイドを利用して攻撃参加することが可能になり、試合全体を通じて守備に専念しなければならないのはCBの2人だけになる。しかし3バックだとDFの3人全員が試合全体を通じて守備に専念しなければならなくなり、4バックの時と比べて攻撃に参加可能な人数は1人減ってしまう。つまり3バックは、4バックと比べて守備重視のフォーメーションなのだ。
それだけではない。3バックの時、MFの中のサイドの選手(ガーナ戦で言えば長友、原口)と、相手チームのサイドの選手との間に力量の差があったような場合、日本のサイドの選手は低い位置に張り付けられるような事態になり、5バックのような守備に偏した陣形になってしまうことも考えられる話だ。

世界的には、3バックよりも4バックの方が圧倒的に多い。しかし、クラブ・レベルではバルセロナが3バックだし、ナショナル・チームでは、前回のブラジルW杯を直近の例として挙げると、ベスト8に進出してサプライズを起こしたコスタリカ、グループリーグで優勝候補だったスペインに大勝して3位まで進出したオランダが3バックだった。さらに、管理人はJリーグの試合をここ数年見ていないのではっきりとは言えないが、Jリーグでは3バックのチームが多いような話を聞く。3バックは決して不合理・非常識なフォーメーションではない。

西野監督の頭の中には、戦前の予想を覆してグループリーグを突破した2010年の南アW杯のイメージがあるのかもしれない。南アW杯の時の岡田監督の率いる日本代表は守備重視のサッカーだった。上記のコスタリカが典型だが、W杯という大舞台において弱国が予想を覆す好成績を収めるためには、守備をしっかり固めることが最重要だと西野監督は考えているのかもしれない。

だが、問題は本番まで1ヶ月を切った段階で、そのような大手術をすることの妥当性だ。
ガーナ戦では、岡田時代・ザッケローニ時代・ハリルホジッチ時代を通じてボランチだった長谷部がDFの中心であるリベロに回って槙野・吉田とDFを構成し、大島・山口がボランチの位置に入った。すると案の定、DFとボランチのタテ・ナナメの関係や、DF同士・ボランチ同士というヨコの関係でパスミスが多発し、そのことが攻撃をうまく展開できないことの原因となると共に、ピンチを招く原因となった。管理人に言わせると、突如として慣れないフォーメーションを強いるからこのような結果を招いたのである。

そうすると、まず元の4バックに戻すことが先決ではないだろうか。長谷部は、彼が10年以上君臨してきたボランチに戻し、4バックは左から長友、槙野、吉田、酒井宏で構成する。原口はガーナ戦を見る限り守備に難があり、SB向きの選手ではない。もっと高い位置で起用するべき選手だ。右SBは、ハリルホジッチ時代主にこのポジションで起用された酒井宏が良いだろう。酒井宏は攻撃面では多くを期待できないが、安定感はある。
そしてボランチは長谷部・大島。そうすればガーナ戦で見られたDF・ボランチ間やボランチ同士の呼吸が合わないという問題は改善されるだろう。
またハリルホジッチ時代長谷部とボランチでコンビを組んでいたのは主に山口だったが、パスの能力は山口より大島の方が上。山口はガーナ戦でミスが多く、調子が悪そうだ。

以上のような陣形を取れば、ガーナ戦で見られた選手間の呼吸が合わずパスミスが多発するという問題は改善されるだろう。そのことが守備固めにつながる。西野監督が守備を重視しているのだとすれば、逆説的のようだが4バックに戻すべきだと思う。

その上で、どのようにして点を取るかだ。ガーナ戦は、攻撃面は無為無策でどのような意図なのか分からなかった。
ハリルホジッチ監督は早いタテ攻撃を意図していたようだが、同監督の意図が浸透していたとは言いがたい。南アW杯での岡田ジャパンはセットからの一発で取り切るようなスタイルだった。それも一案だが、運頼みの作戦とも言える。管理人の考えだが、もっとサイドを利用した攻撃を試みたらどうだろうか。単純にサイドを攻め上がるだけでなく、中央とパス交換したりサイド・チェンジを交えながら攻め上がるイメージだ。サイドを攻め続けていると、相手CBやボランチもサイド寄りになり中央に穴ができる可能性も出てくるはずだ。
このようなスタイルはザッケローニ監督時代に試みられたスタイルで、 ブラジルW杯がグループリーグ敗退だったために否定的に見る指導者が多いのかもしれない。しかし世界の強豪と比較してフィジカルで劣る日本の強みは「技」であることも事実だと思う。
いずれにせよ、西野監督が今後どのようなアイデア出すことができるかの勝負だ。

日本は今後、スイス、パラグアイとの親善試合を経て、本番を迎える。スイス戦、パラグアイ戦でどのような戦術を取るか、注目していきたい。

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