アラウのモーツァルト「ピアノ・ソナタ第16番K570」

今日の東京は台風が到来し一日中雨です。しかし昨日まで約2週間にわたる猛暑から解放され、過ごしやすいと感じられる1日です。

今日の1曲はモーツァルトのピアノ・ソナタ第16番変ロ長調K570です。演奏はクラウディオ・アラウです。1983年4月1~7日の旧PHILIPSへの録音です。

モーツァルトのソナタK570は管理人の大好き曲です。全てのモーツァルト作品の中でベスト3に入れたいくらい好きな曲です。
モーツァルト晩年のシンプルな曲なのですが、なぜ自分がこの曲がこんなに好きなのか分からないほど惹かれます。
本曲は急・緩・急の3楽章構成を取ります。
まず第1楽章に非常に魅力を感じます。冒頭の主題がはっとするほど印象的です。優雅で、純粋で、ユーモラス感さえある楽章です。天上に来たかのような気持ちになります。
第2楽章は静謐でデリケートで、長調ですが悲哀の感情が漂ってきます
第3楽章は適度にリズミカルで、適度に明るく、純粋でコケッティッシュです。

アラウの演奏は素晴らしいの一語に尽きます。まず抜群に美しい音です。アラウに関する音楽評論を読んでいて、この点を指摘する文章を読んだことはないのですが、管理人はアラウほど音の美しいピアニストを聴いたことがありません。澄み切った清澄な音です。
第1楽章は意外に普通のテンポで真面目に丁寧に演奏されます。第2楽章はアラウらしくテンポをゆっくりにしますが、重厚というより淡々と弾いている感があります。第3楽章は普通のテンポに戻り、アラウらしい丁寧な演奏です。
全体的に清澄な音で弾かれた至純・至高の演奏だと感じます。モーツァルト晩年の澄み切った本曲の曲想にぴったりとした演奏ではないでしょうか。

アラウというと堅実重厚型のピアニストで、モーツァルトのピアノ・ソナタのような優雅な作品と合わないのではないかと見えますが、本演奏を聴く限りそんなことはありません。それこそ声を失うほどの名曲の名演奏だと思います。アラウ晩年の至純な境地はモーツァルトの純粋な音楽とよく合うように思うのです。


追記 本曲については、過去にアリシア・デ・ラローチャ盤の記事を書いたことがあるので、その時の記事を自己トラックバックします。

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  • ラローチャのモーツァルト「ピアノ・ソナタ第16番」

    Excerpt: モーツァルトのピアノ・ソナタ第16番変ロ長調K570。この曲は、ぼくがモーツァルトのピアノ・ソナタの中で最も好きな曲だ。一般には、トルコ行進曲で有名な第11番K331とか第14番ハ短調の方が人気がある.. Weblog: クラシック音楽のある毎日 racked: 2018-12-16 06:38