テ・カナワ/ショルティのR・シュトラウス「四つの最後の歌」

今日の東京は残暑の厳しい1日でした。今夏は管理人のこれまでの人生で間違いなく最も暑い夏で、気候温暖化問題の深刻さを実感させられました。

今日の1曲は、リヒャルト・シュトラウスの「四つの最後の歌」です。演奏はキリ・テ・カナワ(ソプラノ)とゲオルグ・ショルティ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるものです。1990年6月のデッカへの録音です。

「四つの最後の歌」はR・シュトラウスが亡くなる前年である1948年に作曲された、文字通り最後の作品です。「春」「九月」「眠りにつく時」「夕映えに」の4曲で構成されています。最初の3曲がヘルマン・ヘッセ、「夕映えに」がヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩によるものですが、作曲は「夕映えに」が最も早く、続いて「春」「九月」が作曲され、そして「眠りにつく時」がR・シュトラウス85年の生涯の最後の作品となり、これを最後にR・シュトラウスは永遠の眠りに就いたのです。

しかし、このような先入観がなくても、「四つの最後の歌」がたいへん優れた作品であることは分かります。どの曲も作曲者の最晩年にふさわしい、深々としてしみじみとした曲想です。例えば「春」は若者が春の到来を喜ぶというのではなく、老人の、今年も春に巡り合えうことができたという感慨深い気持ちを歌った趣があります。管理人が圧巻だと感じるのは「眠りにつく時」と「夕映えに」の2曲です。この2曲は作曲者が自分のこれまでの人生を語っているような、息の長い、しみじみとした曲想です。
R・シュトラウスの若い時代に作曲された「英雄の生涯」等の有名曲とはまるで趣の異なった作品です。

R・シュトラウスは管理人の苦手にしている作曲家ですが、この「四つの最後の歌」は例外的に好んでいます。もっとも、その魅力に気付いたのはほんの数年前なのですが…。

キリ・テ・カナワは近年はあまり名前を聞かないように思いますが、1944年ニュージーランド生まれの名ソプラノです。現在も存命のはずです。
「四つの最後の歌」の名演として昔から有名なエリーザベト・シュワルツコップと比べると、自然体の演奏だと感じます。テ・カナワのあまり感情をまじえず自然体で歌われていく歌唱から、R・シュトラウス最晩年の心情がおのずと伝わってくるという趣があります。
R・シュトラウスを得意としたショルティ/ウィーン・フィルの堅実で充実したバックを得た名演ということができます。

追記 本曲については、昨年シュワルツコップ/セル盤についての記事を書いたことがあります。その時の記事を自己トラックバックします。

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