ブレンデルのシューマン「幻想曲作品17」

今日9月1日から暦上「平成最後の秋」に入りました。今日の1曲は、シューマンの「幻想曲ハ長調作品17」です。演奏はアルフレート・ブレンデル、1997年11月の旧Philipsへの録音です。

シューマン「幻想曲」は管理人がたいへん愛好している作品です。シューマンの全作品中最も好きな曲がこの曲かもしれないほどです。
全部で3楽章で構成され、第1楽章に「どこまでも幻想的にかつ熱情的に演奏すること」、第2楽章に「中庸に。どこまでも精力的に演奏すること」、第3楽章に「緩やかに演奏すること。どこまでも静けさを保って」という指定がされています。
第1楽章はまさに激情と苦悩が渦巻くシューマンならではの世界です。本曲作曲当時、シューマンはクララ・ヴィークとの恋愛がうまく行っていなかったようですが、当時のシューマンの内心がそのまま曲になっているようです。
第2楽章も内心の高ぶりが現れているようです。
第3楽章は、ハッとするような美しい楽章です。何かの夢を見ているかのように幻想的に心の優しい楽章です。繊細な美しさを持った、崇高ささえ感じられる楽章です。本曲の白眉でしょう。シューマンは時々このようにハッとするような美しい楽章を書きます。他曲の例では、ピアノ四重奏曲の第3楽章や交響曲第2番の第2楽章です。

今日聴いたブレンデルの1999年録音は、彼にとって本曲2回目の録音です。クルト・ザンデルリング指揮フィルハーモニア管弦楽団とのシューマン「ピアノ協奏曲」録音にフィルアップされたものです。
この曲の演奏としては全体的に落ち着きすぎて知性に傾きすぎ、もう少しロマン派らしい感情の表出がほしいところですが、この辺は知性派であるブレンデルにとって辛いところではないでしょうか。ブレンデルとシューマンには意外に相性の良い面があるように思うのですが、本曲は今一つと感じます。ただよく聴いていると、弱音部分のコントロールをはじめ、さすがと思える個所は少なからず存在します。
残念ながら管理人は、本曲に関しては、ブレンデルに限らず理想的と感じる演奏に未だ巡りあえずにいます(もちろん、管理人の未だ聴いていない中にそのような演奏が存在している可能性があるわけですが)。

追記 シューマン「幻想曲」については、以前にアラウ盤の記事を書いたことがあります。アラウ盤の記事を自己トラックバックします。

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  • アラウのシューマン「幻想曲作品17」

    Excerpt: シューマンの「幻想曲ハ長調作品17」を聴いてみた。演奏はクラウディオ・アラウで、1966年9月の録音である。アラウはシューマンのピアノ曲を多数録音しているが、これはその最初期のものである。 Weblog: クラシック音楽のある毎日 racked: 2018-10-30 22:18