オッテンザマー/ヴラダーのブラームス「クラリネット・ソナタ第1、2番」

今日11月24日の東京はは晴れたものの冬のように寒い1日でした。今年は冬の到来が例年より早いように思います。今年の冬が暖冬か厳冬かは分かりませんが、春の到来も早いとよいのですが…。
管理人は今日は日中、妻とともに新宿「ビックロ」に冬物衣料を買いに行きました。

今日の1枚は、ブラームスのクラリネット・ソナタ第1番へ短調作品120-1と同第2番変ホ長調作品120-2です。
演奏はエルンスト・オッテンザマー(cl)とシュテファン・ヴラダー(p)です。1998年11月28-30日の日本の株式会社オクタヴィアン・レコードのCRYSTONというレーベルへの録音です。日本のレーベルへの録音ということです。

ブラームスは生涯にクラリネット・ソナタを、チェロ・ソナタと同じく2曲、作曲しています。昨日エントリーした2曲のチェロ・ソナタは離れた時期の作曲でしたが、今日聴いたクラシック・ソナタは作品番号で分かるように同時期の作曲です。すなわち両曲ともブラームス(1832-1897)の死の3年前、1894年の作曲です。
ブラームスは晩年、クラリネット奏者リヒアルド・ミュールヘルトとの出会いから4曲のクラリネットを用いた室内楽曲を作曲しましたが、それらの中で最も遅い時期に作曲されたのがこれら2曲です。

このように書くと渋い曲のようにイメージされるかと思いますが、意外なことに、これら2曲は意外に明るい曲です。もちろん輝かしく明るいのではなく、冬の晴れた日の朝のような平穏で澄んだ、抑制された明るさです。
晩年のブラームスは「孤独だが自由だ」という境地に到達しましたが、そのブラームスの、人生の終わりを間近に控えた、穏やかで、俗事から解放されたある種の軽やかな心境、それと裏腹な孤独感と諦観がそのまま曲に現れているようです。
具体的に第1番は、ブラームスらしい憂愁の印象的な旋律で始まりますが、第2楽章は叙情的で、第4楽章は意外にも(?)軽快で快活な楽章です。
第2番は第1番にまして名曲なのではでしょうか。同曲は3楽章構成ですが、第1楽章の冒頭でクラリネットが平穏で清澄な息の長いフレーズを奏でます。思わずはっとするような美しさ・味わい深さです。第2楽章は底流に憂愁の感情を秘めながらも、緊張感と淡々としたものが同居しています。第3楽章はアンダンテですが、変奏曲形式で作曲されています。平穏な抑制された明るさを持って始まりますが、途中でリズミカルになり、劇的になって力強く終わります。味わい深い楽章です。

これら2曲のクラリネット・ソナタは、管理人がたいへん愛好する曲です。歳を取るにつれて好きになってきたように思います。

今日聴いた録音でのクラリネットのエルンスト・オッテンザマー(1955-2017)は、昨年若くで亡くなりましたが、ウィーン・フィルの首席クラリネット奏者を長く務めた名手です。実息のダニエル及びアンドレアスも現在、それぞれベルリン・フィルとウィーン・フィルの首席クラリネット奏者を務め、さらにソリストとしても活躍しており、クラリネット一家ということになります。
ウィーン・フィルの首席クラリネット奏者というと、往年のレオポルド・ウラッハやアルフレート・プリンツが有名ですが、今日聴いたブラームスのクラリネット・ソナタでのエルンスト・オッテンザマーは彼らよりも、もう少し伸び伸びと生き生きと、現代風に演奏している感があります。テンポは早めで、音は澄んでいます。このウラッハ→プリンツ→オッテンザマーというクラリネット奏者の芸風の変化は、良い悪いは別にして、そのままウィーン・フィルの演奏スタイルの変貌を反映しているのではないでしょうか。
本録音ではウィーンのピアニスト、ヴラダーも単なる伴奏に止まらず伸び伸びと弾いており、両者の共演は今時点でのウィーンの演奏スタイルを聴かせてくれます。管理人は個人的には、ブラームスのクラリネット・ソナタ2曲は往年のウラッハ/デムスの情緒溢れる演奏が忘れられませんが、今日オッテンザマー/ヴラダー盤を聴いて、ウラッハ盤は一時代前の個性の強い特殊な演奏で、オッテンザマー盤の方がオーソドックスな演奏なのかもしれないと思いました。本オッテンザマー盤は、少なくともウラッハ盤のオルタナティブとして持っておきたいと思うのです。

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