スメタナ四重奏団のベートーヴェン「弦楽四重奏曲第10番『ハープ』」

今日の東京は冬晴れの1日でした。今日の1曲は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第10番「ハープ」です。演奏はスメタナ弦楽四重奏団です。1979年10月24ー30日のDENONレーベルへの録音です。

管理人は今週の日曜12月2日、サントリーホールでミュンヘン・フィルの演奏を聴き感動しました。しかし管理人は学生の頃からオーケストラよりも室内楽が好きなのです。昔も今も、交響曲を聴いた後に室内楽を聴くと、まるで自分の故郷に帰ってきたようなホッとした気持ちになるのです。

ところで室内楽というジャンルの中心をなすのは弦楽四重奏曲です。ベートーヴェンが生涯に残した16曲の弦楽四重奏曲は、室内楽というジャンルの金字塔と言えます。
管理人自身、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲が大好きで、学生の頃からいろいろな弦楽四重奏団の演奏を数え切れないくらい聴いてきました。60歳に近い年齢になった今は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲よりもハイドンの弦楽四重奏曲をよく聴くようになりました。それでも若い頃から繰り返し聴いてきたベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴くと、自分のホームグラウンドだという気持ちになるのです。

今日聴いた第10番「ハープ」は、管理人が特に愛好する曲の一つです。この曲の午後の日だまりのような温和な曲想は、何ものにも変えがたい魅力があります。「ハープ」の前に作曲された3曲の「ラズモフスキー」弦楽四重奏曲のようなスケールの大きさはなく、また第12番以降の後期弦楽四重奏曲のような深さ・玄妙さもありませんが、そのせいでかえって気軽に心地良く聴くことができます。本曲を聴いていると、まるで人格高潔で教養のある老人の語りを聞いているような気持ちになります。聴いていてこのような気持ちになることのできる音楽は、他にはブラームスの弦楽五重奏曲くらいではないでしょうか。

スメタナ四重奏団の演奏は、1980年代、アルバン・ベルク四重奏団が人気を集めた以前に定評のあったものです。アルバン・ベルク四重奏団の登場以前は、弦楽四重奏の世界ではブダペスト四重奏団とスメタナ四重奏団が両横綱という評価を受けていました。
実は管理人がスメタナ四重奏団の演奏で本曲を聴くのは、おそらく5年以上ぶりで、本当に久しぶりだったのですが、たいへん立派な演奏だと思いました。4人の奏者のいずれかが目立つようなことはなく、アンサンブルとして優れています。誠実・真摯な演奏です。往年の高い評価が当然のように思われます。強いて言えば表現の幅が足りないように思いますが、本曲「ハープ」にはそのような要素は不要と言え、管理人は本演奏で十分満足です。
スメタナ四重奏団は、アルバン・ベルク四重奏団が登場し人気を高めていくのに反比例して人気を失っていった感がありますが、今日の演奏を聴く限り忘れてはいけない団体です。同四重奏団の他の録音、ベートーヴェンの他の曲やモーツァルトやヤナーチェクも聴いてみようという気持ちになりました。

追記 本曲については、過去にバルトーク四重奏団盤及びブダペスト四重奏団盤の記事を記事を書いたことがあるので、それらの記事を自己トラックバックします。


ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
日本コロムビア
2009-11-18
スメタナ四重奏団

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この記事へのコメント

rudolf2006
2018年12月10日 15:06
アルトゥールさま こんにちは
お久しぶりです やっと冬らしくなってきましたね

ベトベンの弦楽四重奏曲 これがなかったとしたら…と考えると 怖くなりますね もちろんハイドン、モツアルトもありますが、その後のシューマン、ブラームスなどの作品、それにショスタコーヴィチの作品もなかったような気もしますね

東欧の演奏家 この時代は大活躍だったですね
スメタナの全集は高かったので、まだ聴いていません 是非 聴いてみたいです
曲の多さ、演奏家の多さを考えると 人生は短いですね
そんなことを 最近考えるようになりました

お身体をご自愛くださいね
ミ(`w´彡)
2018年12月10日 17:13
rudolf2006 さま、コメントを頂き有り難うございます。
真冬のような寒さになってきましたね。
私自身、若い時から室内楽が好きで、ベトベンの弦楽四重奏曲は長い間自分のクラシック鑑賞の柱のように考えてきました。
東欧の演奏家、当時は良かったですね。オーケストラではブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデン、マズア/ゲヴァントハウス、ノイマン/チェコ・フィル、室内楽ではスメタナSQ、ヴラフSQ、ズスケSQ、スーク・トリオ、チェコ・トリオなどが思い浮かびます。
スメタナSQは良いと思いますよ。誠実そのものです。
昔「弦楽四重奏との歩み」という優れたブログを開設しておられたkitakenさんが、弦楽四重奏というものに最も真摯に取り組んだカルテットとして、スメタナ、ヴラフ、ハンガリー、ヴェーグの各SQを挙げておられたのを覚えていますが、慧眼だったと思います。

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