マズアのブルックナー「交響曲第5番」

今日の東京は冬晴れの1日でした。ただし明日以降の天気は下り坂のようです。
今日の1曲はブルックナーの交響曲第5番です。演奏はクルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団です。1976年11月29日から12月2日にかけての録音です。管理人の所有しているディスクのレーベルはオイロディスクですが、初出時は旧東ドイツの国営レーベルだったドイツ・シャルプラッテンだったのではないでしょうか。

ブルックナーの交響曲第5番は傑作として評価の高い曲のようです。終楽章の展開部でフーガになりフィナーレに至る個所が聴きどころで有名なのではないかと思いますが、今日聴いてみてアダージョの第2楽章が落ち着いていて荘重に感じられ、相当な出来映えのように思いました。
しかし管理人のようなブルックナーの大ファンにとっては、残りの第1・3楽章も傑作なのであり、最初から最後まで有り難い存在なのです。

管理人はブルックナーの作曲家人生は、一つの山に登る登山のようなものだったと思っています。
ブルックナーの交響曲はどの曲も似通っています。クラシックのファンでない方がブルックナーの色々な交響曲を聴いても、聴き分けがつかないでしょう。さらにブルックナーは交響曲を1曲完成させると、休む間もなく次の交響曲の作曲に取り掛かっています。彼にとって交響曲の創作活動は、神・宇宙・自然界のような巨大なものを表現し、それらに近づくための行動であり、それは彼が亡くなるまで一生をかけて続けられたのではないかと思うのです。
交響曲第5番は、全部で9曲存在する彼の交響曲の中でちょうど真ん中に位置することになります。登山ではちょうど中腹に到達したような地点です。山腹から地上の自然が遠くまで目に入るとともに、さらに頂上に向かう高峰が見えてくる、そのような地点の作品だということです。
確かに地上界の様子を俯瞰するようなスケールの大きさと、最後の交響曲第8・9番の頂上的要素の両方が感じられるのです。

さてマズア/ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏ですが、前回のエントリーでこのコンビの交響曲第3番を聴いて感銘を受けたので、第5番もこのコンビで聴いてみることにしたのです。聴いてみると、たいへん自然体でテンポは適正、一切の私心なくブルックナーの残したスコアをそのまま再現しようとした演奏です。前回のエントリーでも感じたのですが、この1970年代のゲヴァントハウス管弦楽団の素朴で質実剛健な音色はブルックナーとたいへん相性が良いように思います。

1990年代後半から2000年代前半くらいまでの頃、ブルックナー演奏といえば、ギュンター・ヴァントやセルジュ・チェリビダッケの評判が高かったように記憶しています。管理人自身、チェリビダッケの演奏に感動し、本ブログでも何回か記事にしています。
しかし、しっかりと設計され細部までコントロールされたヴァントやチェリビダッケのブルックナーは(もちろん出来上がった音楽はこの両者はまるで異なるものですが)、作為性と裏腹だということも言えます。管理人は年を取るにつれて、彼らの演奏よりも、もっと自然体でのびのびとしたブルックナーを好むようになりました。そのような素朴で自然体のブルックナーといえば、今日聴いたマズアやNAXOSのティントナー、昔の定番ヨッフム、それにハイティンクあたりになるのではないでしょうか。
マズア/ゲヴァントハウスのブルックナーは、「レコード芸術」などの評論家の間では評価は低いようですが、管理人にとっては大切な録音なのです。

追記 本曲については、過去にチェリビダッケ/シュトゥットガルト放送響盤の記事を書いたことがあるので、その時の記事を自己トラックバックします。

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  • チェリビダッケのブルックナー「交響曲第5番」

    Excerpt: ブルックナーの最高傑作はどの曲でしょうか。モーツァルトやベートーヴェンの最高傑作というと人によっていろいろと意見が分かれると思いますが(余談ですがぼくは今、モーツァルトの一番好きな曲は「13管.. Weblog: クラシック音楽のある毎日 racked: 2018-12-31 11:00